オックスファムの発表だ。世界の長者番付の1位から80位までの80人が、下位50%人が持つ富と同額の富を有しているという。
これはちょっとややこしい言い方だ。あまりいじりすぎるとかえって分かりにくい。
もう一つの数字がある。1%の富裕層の資産が世界の富の48%に相当するという。そして来年には50%を越えるだろうという。
ただ、こういう数字は確かに多くの人々の怒りを呼ぶだろうが、それが直接に絶対的貧困を生み出すのでない限り、世の中の緊張をもたらすことはないだろう。
戦前(第二次大戦)の貧富の格差は、いまとは比較にならないくらいひどいものだった。大多数の絶対的貧困と飢餓の上に富裕層の権力が君臨していた。そこには身分差別も加乗していた。
問題はそれが慢性的に需要の減退と過剰生産を生み出し、市場の争奪戦を生み出し、ついには二度にわたる世界大戦へとつながっていったことだ。
一番の問題は貧富の格差の拡大がどういう状況のもとで起きるかということにある。上向線上での貧富の差の拡大はさほど大きな問題とはならない。例えば中国がそうである。
しかし下向きになった時の格差の拡大は差別を伴う貧困化の進行だから、大きな社会的矛盾と敵対心を生み出さずには置かないだろう。
それがまさに日本ではないか。