欧州不況が長引き、深刻化しつつある。
問題はますますはっきりしている。
「ユーロ諸国民はドイツ首相を選べない」ということだ。
経済はユーロによってますます単一化しつつあるというのに、政治は旧態依然のままだ。メルケルは基本的にはドイツ国民の首相であり、いくらユーロ圏を重視しようとしても、ドイツ国民の意向に従わざるをえない。
ドイツはユーロ圏諸国から儲けをあげて、ドイツ国民だけで分配することになる。
3年前のソブリン危機の時は、周辺国の財政規律、景気の後退局面、リーマンショックの残務整理などの側面もあった。それらに対しては相応する対策が立てられた。
しかしその後3年間、景気はまったく浮上しない。
ということは、問題が一過性のものではなく、高度に構造的なものだということだ。
ドイツが根本的に思考を変えない限り、ユーロ圏は崩壊せざるをえないだろう。ドイツ以外の国にとって、ユーロ圏にとどまることの犠牲はあまりにも大きくなりすぎた。
ユーロ圏の崩壊は、いずれドイツの没落を招くだろう。そしてふたたびヨーロッパの混乱を招くだろう。
ドイツがやれることはただひとつ、ユーロ圏を守るという強い意思表示を行うこと、経済主権の根幹をEUに預けるということだ。
欧州債、投機資本への規制、ユーロ券発行の一元化など、部分的・段階的にやれることはたくさんある。これらの積み重ねが主権の移動をもたらすことになる。ただそこには、確固とした見通しと固い意志が必要だ。