普段は紅白なんて見たこともないくせに、たまたまテレビの前を通りかかったら、桑田佳祐の曲がかかっていた。

この人の歌は日本語の発音が「二世風」で、何を言っているのかわからないのだが、今回はしっかりと字幕が出て、何を言っているのかがよく分かった。

歌詞は全体として当たり障りのないものだが、中に1,2ヶ所「そこまで言うか」と踏み込んでいるところもあった。とはいっても、忌野清史郎に比べれば「冷泉」程度のホットさだが…

あとで聞くとこれがNHK会長の逆鱗に触れたらしい。

たしかに歌というのはインパクトが強い。歌詞を活字にして並べても大したことはないが、それがパフォーマンスとして一定の時間幅をもって曝露されると。一種のマインドコントロール的な状況をもたらす。ボブ・マーリのレゲエなんかがその典型だ。

数字が苦手な人でも、語呂合わせで憶えた年号は死ぬまで忘れない。ましてそれに節までついたら忘れようとしても忘れられない。

「脱脱脱脱、脱原発」のたぐいだ。

それにしても、権力側のうろたえぶりを見ると、あらためて「時代はここまで来ているか」と思う。民衆の怒りは着火点寸前まで来ているということ、権力を握る人の殆どはそれを強圧策で抑えきれると思っていること…

ここにきわめてやばい状況が出現しつつある。