「謝罪」について
一応は謝っておいて欲しい。形だけでも、お座なりでもけっこうだが、謝る形だけは示して欲しい。
それ以上は何も要求はしていない。
たしかに祖父、祖母が日本軍に殺され、日本軍に支配され、屈従を強いられた。食料や財産が強制的に取り上げられ、飢えを強いられた。
だが昔のことだ。忘れよう、許そう。しかし、そのことは憶えておいて欲しい。せめて頭の片隅には置いておいて欲しい。
「慰安婦などなかった」には、いささか頭にくる
軍隊が来れば売春宿は出来る。現地の人もカネ欲しさに体を売る。よくある話だ。だが不愉快だ。強姦事件も発生する。これらは全て悪いことなのだ。そもそもここは他所様の国だ。まずそういう自覚を持って欲しい。
戦争なのだからあたりまえだと思っているようだが、私たちは日本と戦争したわけではない。あなた方が勝手に一方的に入り込んできただけだ。だから「戦争だから」という言い方はやめて欲しい。
ここが基本だ。軍隊が運営する売春宿というのは別問題で、人道的に見れば常識外のシステムだ。「強制連行はなかった」などというのは、この常識外のシステムを常識外と思わないと公言していることになる。忠告しておくが、大変恥ずかししい振る舞いだから、やめたほうが良い。
戦後の日本が良かったから、私たちは寛容になれたのだ
日本の進出で我々は豊かになった。それはありがたい話だ。しかしそれが日本でなくても、むかしからの宗主国であっても、資本を投下してくれればだれでも歓迎だ。
日本が進出してくれて一番良いのは、我々を支配しようとしなかったことだ。イギリスも、フランスも、オランダも資本は投下したが、我々を支配した。反抗すれば武力で押さえつけた。
金で押さえつけられるのは、銃で押さえつけられるよりはるかに気持ちがいい。
アフリカを見てごらん、ラテンアメリカを見てごらん。果てしない内戦、軍事独裁のオンパレードだ。アジアが発展してきたのは日本が進出してきたおかげだ。
日本の平和がアジアの平和の源だ
ちょっと、もって回った言い方になるが、「アジアが発展してきたのは日本が進出してきたおかげ」なのであって、「日本のおかげだ」というわけではない。日本も他の先進国同様、ずいぶんとエグいことをやってきた。しかし腕力に訴えたことは一度もない。
戦後70年間、日本は戦争放棄を国是としてきたし、それを破ったことはなかった。だからビジネスが純粋にビジネスとして行われてきた。それが我々が発展できた最大の要因だ。
ビジネスも経済も社会も平和のもとで発展する。今タイでは支配層が未だに武力にしがみついているが、それ以外の国では法治国家に移行しつつある。単純な話だ。そのほうが能率がいいのだ。
日本の武力化は中国の武力派を刺激する
いまアジアの人々は、日本が平和主義を捨て、「日本型ファシズム」に移行するのではないかと大変に恐れている。
日本がふたたび軍国主義路線に移行し、アジアに攻めこむというシナリオはそう簡単に実現はしないだろう。しかし今や世界第二の大国となった中国が、対日強硬路線を掲げて武力拡充を進めるなら、それは大きな脅威と緊張を招くことになる。
中国の政治システムは、その経済システムからすれば、恐ろしいまでに未成熟である。南沙諸島をめぐる経過を見ても、しばしば軍部は暴走し、そうなった場合政府の押さえは容易ではない。
戦後、日本がアジアに広げた平和的発展の動きを止めることなく、さらに推し進めることがアジア発展の鍵を握っている。