昨日朝、件のDACがエクスパイアーした。休日でもあるし、一仕事終えて机に向かってパソコンを立ち上げた。BGMのつもりで音楽の再生を始めたが、どうも音が変だ。まるっきり音がくぐもって、10年前の音源のような音だ。
一体どうしたことかといじっているうちに、突然音が聞こえなくなった。「あれっ」と思って、DACを見ると赤の点灯ボタンが消えている。
電源を入れ直し、ドライバーを入れ直して…と、ひと通りやってみたが、ウンともスンとも言わない。
しかたがないので、捨てずにとっておいたONKYのSE-U55 を引っ張り出してきた。
あらためて聞いてみると存外いい音がする。なんというか「停電になってろうそくの光が、何故か懐かしい」とまでは行かないが、何がしか懐かしいのである。
たまにNHK第一放送の音楽番組を聞いて、「なんて綺麗なんだろう」と感激するようなものだ。多分高音ちょん切れの低音モヤモヤのダイナミックレンジがゼロの音が、老人の耳にはやさしいのであろう。あるいは真空管アンプの魅力に近いのかもしれない。
今は Evgeni Koroliov という人の弾いたバッハのインヴェンションを聞いている。これがいいのだ。もろにバッハだ。ロシアにはこの手のピアノ弾きが無尽蔵に居るらしい。まさに「資源大国」だ。

しかし今はそうも言っていられない。それではあのDACを買った金はどこに行ったのだ。DACを買って以来これまでの苦労はまるっきりのムダだったのか?
引かれ者の小唄かもしれないが、やはりそうではないと思う。少なくともメモリーを増設してRAMディスクを立ち上げて、そこにfoobar を置いたぶんは間違いなく音はクリアになった。メモリーが増えたぶんバッファーが増やせて音飛びもなくなった。今はPPHS、SOXにつぐ第三のリサンプラーMulti Resamplerを入れているが、気持ち、音が厚くなって柔らかくなった気がする。

ヨドバシにDACを持ち込んだ。「マイナーな会社ですから、1ヶ月は見ておいてください」と言われた。きっと点灯ランプだけは点くように細工するのだろう。
いま考えると、結局問題はドライバーに帰着するだろうと思う。USB3.0にすれば解決するかと思ったが、そもそもNU ForceはUSB3.0には対応していない。
ドライバーとfoobarが喧嘩をする。互いにおっつけあったプログラムが解決されることなく電線の中をぐるぐる周りする。それが積もり積もって挙句の果てにCPUの容量を超える。そして緊急指令として列車を止める。線路が復旧しても問題は残されたままだから、いずれまたクラッシュする。そうなるとパソコンそのものを再起動する以外になくなる。
そしてまた同じことの繰り返しである。これを解決するにはDACの側のドライバーでぐるぐる周りにになるような要求を出さないようにするしかない。
専門家の眼からすればそのようなバグを見つけるのは容易であり、ドライバー・ソフトを修正すればよいのである。しかしNU Forceはそれをやらずに製品を販売中止にしてしまった。そこに「飛んで火に入る夏の虫」よろしく飛び込んだのが、私のようなカモであったという経過になる。

そのまま帰るのもシャクなので、SDカードを買ってきた。128ギガのSDが1万8千円で買える。そういう時代になったのだ。そこに音楽のファイルを突っ込んだ。全部は入らないが大部分は入った。
現在はメモリー上においたfoobarからSD上の音楽ファイルにアクセスして再生するという仕掛けになっている。“回り物”はまったく介在していない。
音はなかなかよろしいようです。