昨日の赤旗、国際面の短信記事。
まず、この記事に掲載価値があるという判断はどのようになされたのか。
第二に、私たちは民族自決の視点から「一つの中国」の立場をとっている。2つ以上の国内勢力の併存を認めることは、その国が内戦状態にあるという認識を示すことになる。
どの国であれ、中国と国交を結ぶなら、台湾との国交を断つのはそれ自体は当然である。米国でさえもそうしている。
第三に、事実誤認がある。この大使館は中国大使館であり、台湾大使館ではない。台湾も「中国の正統な代表」を自認していた。私もニカラグア訪問時、レセプションで「中国大使」と挨拶を交わしたことがある。
個人的には、「台湾も国家に準ずる組織であるのは間違いない」と考えており、その半公的組織が所有権を訴えるのなら、議論の余地はあるかと考える。例えば東京では「台北駐日経済文化代表処」がこれに相当する。
ただ最終的にはニカラグア側の判断に属する事柄である。これまでの中国承認国がどのように差配したか、寡聞にして不承知だが、おそらく日本をふくむ多くの国で台湾側に明け渡しを求め、中国側に引き渡したのではないかと推量する。
第四に、「重大な国際法違反だ」、「提訴を検討する」という台湾側のコメントは、そもそも国際法違反ではないのだから誣告に相当する。
それを無批判に紹介し、ニカラグア側の反論を載せないのは、台湾側の主張を理解しているかのように受け取られても仕方がない。
それ自体が深刻な内政干渉行為ととられかねない。国際法に対する感覚を疑わせる記載である。