鈴木頌の発言 国際政治・歴史・思想・医療・音楽

AALA関連記事は「aala_newsの編集日記」http://blog.livedoor.jp/aala_news/ に移りました(6Nov.2023) 中身が雑多なので、右側の「カテゴリー」から入ることをお勧めします。 「ラテンアメリカの政治」(http://www10.plala.or.jp/shosuzki/ )がH.Pで、「評論」が倉庫です。「なんでも年表」に過去の全年表の一覧を載せました。

2021年03月

もお読みください

3月31日(水曜日)午前5時

「海峡タイムズ」の報道から


3月31日(水曜日)午前5時 

1.不法な権力簒奪と民衆虐殺

軍は、スーチー氏とその党が勝利した11月の選挙は不正であり、選挙委員会によって却下されたと主張して権力を掌握した。  

それからほぼ2ヶ月が過ぎた。「政治囚支援協会」(AAPP)によると、クーデターに対する抗議デモで、少なくとも512人の民間人が殺害された。

そのうち141人は騒乱の「最も血なまぐさい日」である土曜日(27日)に殺害された。 

抗議する医師たち(30日)
            抗議する医師たち(3月30日)

2.なおも続く抗議行動 

メディアやソーシャルメディアの写真によると、暴力の急増にもかかわらず、昨日(火曜日)もいくつかの町で、数千人の抗議者が行進するために街頭に出てきた。  

治安部隊はコータウンの最南端の町で1人の男性を射殺した。その23歳の犠牲者の親戚が、ロイター通信に語った。ミジマのニュースポータルがそう報じている。  

ストライキの市民的不服従キャンペーンは経済の一部を麻痺させている。最大の都市ヤンゴンの抗議者組織は、それを強化しようとしている。彼らは住民に、主な交差点にゴミをばらまくように呼びかけている。

3.西側諸国の動き

西側諸国はクーデターと暴力を非難し、スーチーの釈放を要求し、一部は限定的な制裁を課した。 

ブリンケン米国務長官は、「アセアン諸国を含む、緊密な同盟国やパートナーと引き続き強力に協力する」と述べ、ミャンマー国軍系の企業に多額の投資をしているいくつかの外国や企業は制裁の対象となると警告した。 

4.インドネシア外相の声明

ASEANの中でインドネシア、マレーシア、シンガポールが声を上げている。アジアの隣国も警戒を強めている。

火曜日、インドネシアは再び抗議の声を上げ、あらためて民衆への支援を申し出た。

外相のルトノ・マルスディ氏は述べた。
ASEANにはお互いの問題についてコメントしないという原則がある。それを踏まえた上でインドネシアは、交渉による解決を奨励する努力を続けている。
暴力の急増は容認できない。インドネシアはこの種の行為を強く非難する。ミャンマー国民の安全と幸福が最も重要である。ミャンマーに民主主義、平和、安定を取り戻すために対話を追求すべきだ。
インドネシアは不干渉の原則を継続的に尊重しながら、ミャンマーに支援を提供していく。

5.フィリピン外務省の声明

フィリピンは、抗議者に対する軍部の「過度で不必要な」行動に失望したとして、危機について最も強いコメントを出した。

フィリピンの外務省は、「ミャンマーの治安部隊に対し、非武装の市民に対して不均衡な力に訴えることを抑制し、やめるよう求めることを繰り返し表明する」と述べた。  

タイは暴力を「減らす」ことを求めた。ミャンマーはこのメッセージを受け止めたが、「今後の行動は状況次第だ」と述べた。

6.あくまで強気なミャンマー軍部

これまで伝統的に、外国の批判や西洋の制裁はミャンマーの将軍たちを揺るがすことができまなかった。

ミャンマー軍戦闘機は週末にカレン民族軍支配地を爆撃し、約3,000人の村人をタイに逃亡させた。 

タイ政府の公式の否定にも関わらず、難民は強制的にミャンマーに戻されている。国境のタイ当局者は、「ミャンマー側が安全であると見なされたため、軍がほとんどの人々を送り返している」と述べた。  

国連難民高等弁務官事務所のスポークスマンは、「人々が強制送還されているという報告を懸念しており、タイからの情報を求めている」と述べた。  

ミャンマー北部では、カチン族の武装勢力と政府軍の間で戦闘が激化している。インドの境界州は、難民への食糧と避難所の提供を拒否したが、この措置が激しい国民の批判を呼んだ後、命令を撤回した。  





「海峡タイムズ」の報道から

3月30日(火曜日)午前5時 社説「ミャンマーがますます深刻に」

27日(土曜日)にミャンマーの軍創立記念行事が行われた。軍はこの日も、国民に銃を向けた。

政治囚支援協会の監視グループは、少なくとも91人の死者を確認した。各地のメディアはそれ以上の数字を上げている。

ミャンマーでの国民虐殺は鎮静化せず、エスカレートしている。

国連特別報告者のトム・アンドリュースは、いまや安全保障理事会ではなく、国際緊急サミットを開催すべききだとした。そして世界が「強力で協調的な行動」をとる時だと訴えた。

また軍事評議会の武器や資源、資金へのアクセスを閉ざすべきだと訴えた。そして中国とソ連が安保理で拒否権を行使していることを広く知らしめるべきだと強調した。

以下略

「血塗られた軍創設記念日」

29日朝 27日の軍隊記念日、治安部隊によって全国で141人が殺害された。これはクーデター後最悪の数字である。
擁護団体AAPPによると、クーデター後の累積死者数は500人を超えた。

29日(月曜日)ミャンマーで14人の民間人が殺害された。そのうち8人は最大都市ヤンゴンのサウスダゴン地区で殺された。
国営テレビによると、銃撃は一晩中続いた。この地域の治安部隊は、これまでよりもはるかに大きい口径の「暴動兵器」を使用して、路上のバリケードを吹き飛ばした。
朝、住民は頃焦げになった遺体を路上で発見した。その遺体は軍が持ち去った。


3月27日、北海道AALAの事務所でとても素敵な勉強会がありました。原島則夫さんによる「アイヌの話」です。
原島さんはアイヌの出身で、北海道AALAの古参会員です。私と同じ頃に北海道勤医協に入って、一緒に仕事をしていました。その後共産党の道委員会で少数民族問題を担当していました。
今回は「少数民族懇談会事務局長」としてお話してもらったのですが、ちょっとまだ講演の全貌がまとめきれていません。
そこで今回は、赤旗道内版に掲載された「アイヌモシリ(人間が住む大地)から」という連載記事のコピーを紹介します。記事は全4回で2019年10月に掲載されたものです。

hara

harasima2
harasima3
harasima4
アイヌ問題は
アイヌの土地を和人が奪った
アイヌを和人が差別した
和人がアイヌの尊厳を踏みにじり、同化を迫った
などの問題がありますが、
一番の問題は、明治維新まではアイヌ人のものとされてきた土地を日本政府が奪ったことにあります。
そして先住民であるアイヌ人の「先住権」を反古にしたことにあります。

国際法的に確認されたこの権利を改めて確認し、「旧土人保護法」の精神を捨て去り、その上で共生の道を図ることが、ロードマップのもっとも基本的な道すじです。

差別意識の清算については、あらゆる機会を捉えて粘り強く連帯意識の向上を図ることが求められることになるでしょう。


最近流行りの和製英語のベストテン
日経の土曜版(20日)に載っていた。「日本の英語を考える会」が作成。

1.リフォーム 正解はリノベーション リフォームは改革
2.リストアップ 正解はメーク ア リスト 
3.ライブハウス 正解はライブ ミュージック クラブ
4.フライング 正解はフォルス スタート
5.マンツーマン 正解はワン オン ワン マンツーマンは防御の一型
6.キーホルダー 正解はキー リング
7.アフターサービス 正解はアフター セールス サービス
8.ワインクーラー 正解はワイン バスケット
9.フライドポテト 正解はフレンチ フライ
10.コンパニオン 正解はバンケット アテンダント
だそうだ。
私は一つも当たらなかった。
選者は「和製英語は英語学習のじゃまになる」と書いているが、まさにそのようだ。
そう言えば、「ベストテン」も和製英語かな?

松島氏の節度ないベネズエラ批判について

いつも朝の目覚めは赤旗とともに始まるのだが、本日の赤旗は取り立てて気分の悪い記事が載っている。

それが松島良尚氏による「ベネズエラ」(坂口安紀・中央公論)の書評である。

1.対外関係の原則と節度

周知のことであるが、日本共産党国際委員の肩書きを持つ松島氏は、チャベスをふくめてベネスエラの20年余りの民衆の変革運動を、全面的に否定する立場に立っている。

これは従来の日本の民主運動や連帯運動の視点を全面否定するものだ。そしてさらに、中南米の民主運動の流れを全面否定することも、松島氏は辞さない。

従来より私たちの外国の運動との関係には、一定の原則と節度があった。内部問題には干渉しない。相手が攻撃しない限り、あるいはそれが世界の平和に対する重大な侵犯でない限り、節度をもって対応するということである。

逆に、関係逸脱と一方的攻撃があれば、たとえ相手が大国であっても呵責なく闘うというのも原則であった。

このことをいま一度確認しなければならない。


2.一方的な意思表明

第二に、松島氏が日本共産党の機関紙を使って、民主運動内部での異なる見解を無視して、書評という特殊な形式で一方的に自説を宣伝していることだ。

少なくとも数年前までは、民主運動内部でのベネズエラの自主的な改革を見る目は好意的なものであった。決して松島氏の見解は主流ではなく「異論」に過ぎなかった。

だから、少なくとも異なる意見が公平に扱われるべきであり、赤旗における「反論権」が認められるべきものと思う。


3.批判にあたっての「礼儀」

第三に松島氏が、書評の形をとって、聞くに耐えない、失礼千万の表現を続出することである。

たとえば、権威主義体制、国会の無効化、民主主義の希薄化、出来レース、政治犯として拘束、キューバによる治安・諜報訓練など恐ろしげな言葉が、引用という形をとって乱舞する。

批判された相手が事実として認めていなければ、それは中傷・フェイクと判断される可能性がある。

これらの言葉は、公党の国際部を代表する人物が公的な場で口にするような性格のものではない。批判というのは相手の顔に泥を塗ることではない。あまりにも下品である。


4.アメリカが世界を支配する構造は変わっていない

最後に、いつもながらのことだが、国際委員たる松島氏の中南米分析には、アメリカの干渉についての記述が欠如している。

日本の進歩勢力は、伝統的に世界の政治的出来事をアメリカとの関係の中に位置づけ、性格付けてきた。それしなければ重み付けができないからだ。

まったく松島氏がアメリカに言及していないわけではない。「アメリカのせいではなかった」と言及しているのである。もっとたちが悪い。

ことはベネズエラだけではない。ブラジルを手始めに、この数年の間でニカラグア、エクアドル、ボリビアで相次いで政府転覆策動が起きた。いくつかは成功した。それらは謀略的で半ば暴力的なものであった。

私の知る限り、赤旗はこれらの策動について、攻撃され倒された政府側を批判し、倒した側に支持を与えている。

私の知る限り、赤旗はこれらの事態を一連のものとみなしたり、背後のトランプ政権の存在を指摘してこなかった。

ことはラテンアメリカの問題に限局したものかも知れない。松島氏の個人的史観にもとづくものかも知れない。

いずれにせよ、私の生きているうちに、これらの問題が前進的に解決されることを祈るばかりである。

随分前に下記の記事を書いた。書いたことも忘れていて、なんのことかと読み直してみた。


言いたいことは「日本人に特異的にA型が多いのは、A型だから日本に集まったのではないかと思ったのである」ということで、なかなかの着想だ。

ただ、変なのは、「縄文人はA型は少なかったようだから、A型頻度を上げているのはもっぱら弥生人である」と書いているところだ。

わざわざ古畑の「A型」分布説を取り上げているが、この調査でA型が多いのは東北地方だ。つまり縄文色の強いところだ。

これだけで、この「大胆な仮説」は自己破産する。

しかし、事実として、日本人にA型が多いことも事実で、地域分布としては東北に偏っている(古畑による)とされる。

とすれば「縄文人はA型は少なかった」というのが怪しいことになる。

調べれば分かることなのだから調べてみよう。

キラリというページに親切に数字が取り上げられている。

予想はかなり違っていた。というより真逆だった。

血液型 弥生人はA、縄文人はB

まず事実として、日本人にA型の頻度が高いことは確認できた。しかしそれほどではない。

世界での比率は、O型が約45%、A型が40%、B型が11%、AB型が4%である。日本では、A型の割合が約4割、O型の割合が約3割、B型の割合が約2割、AB型の割合が約1割である。

結論として日本はA型特異国ではない。ポルトガル、フランスは半分がA型である。

ただし、最大の特徴はA型ではなく、B型が多いことである。それに引きずられる形でAB型の頻度も高くなっている。

ただしB型の頻度にだけ注目すれば、もっと高い国もたくさんある。インドは4割がB型だ。ハンガリーやイラン、パキスタンも日本と同じ3割を占める。

次に血液型の国内分布である。

A型の人口が多い都道府県は、徳島、福岡、愛媛、島根、鳥取である。それに対して、青森、岩手、沖縄は、A型の割合が少ない。

つまり間違っていたのは古畑の報告で、私の記事が正しかったのだ。

むしろ注目すべきは、国際平均の2倍に達するB型頻度で、いったい誰がBを押し上げているかというと、秋田、青森、長野、岩手、栃木で、特に秋田がすごい。


以上は、

のコピーである。

話が尻切れトンボになっているので補足する。

弥生人がAなのは良いとして、縄文人がBというのは正確ではない、というより嘘だ。
もし縄文人がBなら、縄文人の代表である沖縄やアイヌはもろにBでなければならない。しかしそのような特徴はない。

つまり、Bは弥生人でもなく、縄文人でもない、「第3の原日本人」の特徴である可能性がある。

その分布地域は秋田、青森、長野、岩手、栃木だ。つまり本州の東北端から北関東・信越あたりの日本海側ということになる。これはY染色体ハプロで言うC1グループ(仮にナウマン人と呼ぶ)の多い地域と一致する。

C1グループの由来についてはいろいろな説があるが、私は東アジアに最も早く到達したホモ・サピエンスの末裔で、5万年前にインドからインドシナに進出し各地に拡散したと考えている。

日本には4.5万年前に朝鮮海峡をわたって上陸し、ナウマンゾウを追って関東から羽越地方まで進出した。氷河期のもとで人口は激減したが絶滅はせず、2.5万年前ころ北から到来したD2グループ(仮に黒曜人と呼ぶ。後の縄文人)と混淆し吸収された。

今日でもC1グループは日本人の5~10%を構成していると言われ、彼らが高いB型血液型を持っていたとすれば、話は合う。

これに対して縄文人のABO血液型に関する特徴は少ない。特徴が少ないというのが特徴とも言える。「青森、岩手、沖縄ではA型の割合が少ない」というのが、まさにそれを指しているのかもしれない。

無差別殺害がさらに激化
ヤンゴン市民は軍事弾圧を恐れ街から逃げ出している
3月17日 The Straights Times

1.医学生ハインの死
16日ヤンゴンで数十の葬式が行われた。医学生のカント・ニャル・ハインの葬式では数百人の葬列が通りに溢れでた。

医学生の葬儀

学生の母親はフェイスブックのビデオクリップで訴えた。「彼らに今すぐ私を殺させてください、息子の代わりに私を殺させてください。私はこんなことを、もう受け入れることができません」

白い白衣を着た仲間の医学生を含む会葬者は、「私たちの革命が勝たなければならない」と唱えた。


2.国連大使への死の脅迫

今ミャンマーは、軍が2月1日にクーデターを起こして以来、混乱のさなかにある。国際的非難はさらに高まりつつある。

これに対し、軍事評議会(フンタ)は国連大使を反逆罪で起訴した。彼が市民的不服従を奨励し、国際社会の制裁を求めたからだ。

フンタは軍の運営するテレビ局でこのことを発表し、「この軍事裁判では死刑判決が下される可能性が在る」と恫喝した。

国連大使はメディアに「起訴されたことを誇りに思っている」と述べた。

そして「将軍たちは連日、反逆行為を繰り返している。自分たちが欲しい物を、自分たちのために取り、国民の権利を否定し、反対する人々に危害を加えている」と付け加えた。


3.各地で住民への一斉弾圧

現地からの報告によれば、軍は戒厳令を敷き、ヤンゴンなど5つの町に出動した。
ヤンゴン郊外の労働者街ラインタリヤールでは、多くの住民が着の身着のまま、バイクとトゥクトゥクで逃げだしている。

軍は街の入り口を封鎖して厳しい検問を行っている。地区の医師は、「この地域にはまだ治療を必要としている負傷者がいる」と語った。

国際人権グループの責任者マシュー・スミスはツィッターでこう述べている。
スマホのインターネットが完全に遮断されたため、情報の確認が困難になっています。WiFiはほぼ完全にアクセスできなくなりました。
軍事評議会の報道窓口にコメントを求めましたが、電話に出ません。

4.労働者に攻撃が集中しつつある
戒厳令が発せられたヤンゴン工業地帯では、多くの市民が逃亡しつつある。
「ここは戦場だ。どこでも銃撃している。住民は恐れて戸外に出ない」と労働組合活動家はいう。

14日の日曜日、HlaingTharyarの抗議行動では、40人以上が治安部隊によって殺害された。いくつかの工場が炎上した。犠牲者の家族は昨日、火曜日に葬式を行った。

政治囚人支援協会によると、治安部隊がデモの波を押し、これまで180人以上の抗議者が殺害されたという。

国連人権局は、拘禁中の「政治犯」に対し「非常に悲惨な」拷問が行われ、5人が拘留中に死亡したと述べている。



5.現地中国機関の対応

中国語放送を行う国際チャンネル「China Global Television Network」は、「14日にHlaing Tharyaranで、中国企業の工場30ヶ所以上が焼かれた」と報じた。

そして次のような警告を発した。
「中国が所有する企業がさらなる攻撃にさらされるなら、中国はそのようなことを許さない。
当局が対応できず混乱が広がり続けるならば、中国は、その利益を保護するために行動する。その際、より抜本的な行動を取ることを余儀なくされる可能性がある」

反軍政派の人々は北京が軍隊を支持していると見なしている
中国はクーデターを非難していない。さらに中国はロシアとともに、国連安全保障理事会のクーデター非難決議を妨げた。

中国対応については下記をご参照ください。


6.国際制裁の動き

フランス外相によれば、欧州連合は来週明けにクーデターの黒幕に対する制裁を実施、そしてすべての予算支援を一時停止すると言われている。



一番安直なコピペ記事。
本日の赤旗の囲み記事。
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渋谷駅前の凄まじい大群を見て、多分、東京の3.11の夜というのはとても文学的にパワフルな夜だったんだろうと思っていた。
が、三陸や福島の人を前に我が身について語るのも何やらはばかられるし…
と、10年間温めるというほどでもなく、結果的に抱えてきた密かな思い出というのがあるはずだろう、と思ってきたが、これがまさにそれ。
つかの間の淡い、しかし本気度の高い、愛にも似た密かな三角関係、言っていけないというわけではないが、なんとなしに言いそびれて10年、そして“あぁ言っちゃった” Confessという感じなのだろう。
きっと砂鉄さん、今とてもスッキリした気分だろう。奥さんが同じようにスッキリしてくれるとは思えないが、きっと、すぐ忘れてくれるだろう。
(ついでながら最近流行りの“カミングアウトは変だ。それは“露見”というか、“忍れど色に出にけり”のほうだろう)

AALA ニューズ No.74 (2021年3月10日)のスマホ版を発行しました。

AALAニューズ74号の内容は以下のとおりです。

★(ミャンマー)3月4日のエンジェルと “Everything will be OK”

★今、開かれる ベネズエラのあらたな未来への扉」=おおさかAALA3月号

★感情的な中国政策はダメだ、死活的利益を優先せよ=グラハム・アリソン

★中国との対決戦略の方が好ましい理由=日本政府当局者

★「AALAニューズ」編集会議の報告=鈴木 頌(編集責任者)


今回はワードから落としたので、改行のずれはありません。
ただし写真のブログへの転載は難しく、今回も挫折しました。
PDF版(正式版)は、日本AALAの AALA ニューズへ行ってください。


3月4日 “Everything will be OK”

1.マンダレーのエンジェル

エンジェル(Kyal Sin Angel)は19歳、ダンサーでテコンドーのチャンピオンだった。
3日、マンダレーの抗議デモに参加していた。そのシャツには "Everything will be OK"と書かれていた。
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        画面上を左クリックで拡大してください

しかしエンジェルは知っていた。大丈夫じゃないかも知れないということを。だから血液型、電話番号、そして臓器提供の意思カードを身に着けていた。

エンジェルは、昨年初めて民主主義のために戦い、誇りをもって投票した。

その選挙は2月1日のクーデターによって覆され、エンジェルは抗議活動のさなかにマンダレーの路上で頭を撃たれて殺された。

そのとき、エンジェルとともに18人の若者が殺された。

エンジェルのTシャツ姿は、デモ参加者によってひそかにソーシャルメディアに投稿された。

この写真はたちまち拡散され多くの反響を巻き起こしている。(先程の衛星放送でもフランスの放送局が大きく取り上げていた)

以下は彼女と行動をともにしていたミャット・トゥの証言。



2.最後の数分間

トゥは憶えている。
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        画面上を左クリックで拡大してください

抗議者が催涙ガスを目から洗い流すために水道栓を蹴って開けたエンジェルのこと、催涙ガスのキャニスターを警察に向けて投げ返した勇敢なエンジェルのこと。他人を兄弟のように面倒見て助けたエンジェルのこと…
警察が発砲したとき、エンジェルは私に叫びました。 『座って!座って!弾丸が飛んでくるよ。まるであなたは舞台に立っているようだ』

ミャンマー第二の都市マンダレーでは、平和的な抗議集会が開かれ、数百人が集まっていた。

この日の行動を前にエンジェルは2つの「約束」を呼びかけていた。「私たちは走らない」と「血を流してはならない」だ。そういう行動が、警察の目からは挑発のように見られるからだ。

最初の警察は催涙ガスを発射してきた。それからそれに混じって弾丸が飛んでくるようになった。

そのときの彼女は、頭をわずかに上げて、抗議バナーの横に伏せているところを撮影されている。

それから全員が散開して後退した。

トゥは、「一人の女の子が死んだ」と聞いた。最初、「それが彼女だとは知らなかった。
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しかしすぐにフェイスブックに、別の犠牲者と並んで彼女が横たわっている写真を見た。



3.ダンサー、武道の専門家だったエンジェル

トゥはテコンドーの教室でエンジェルと知り合った。エンジェルはマンダレーのDA-Star Dance Clubに所属するダンサーでもあった。
ダウンロード

Facebookに彼女の最新のテコンドーのビデオが投稿されている。

エンジェルは初めて投票したことに誇りを持っていた。11月8日に投票の印である紫のインクの指先に、キスをしている写真を投稿している。

「私の最初の投票は、私の心の底からのもの。私は自分の国のために義務を果たしました」と記し、それに6つの赤いハートが添えられている。

クーデターの日、エンジェルはフェイスブックに書いた。

「インターネットが遮断され、何が起こっているのかわからない」

それから数日後、エンジェルは自分の立場を明確にした。彼女は父親の結んだ赤いリボンを手首につけ、国民民主連盟の赤い旗を振って通りに出た。


4.エンジェルが決死の覚悟

抗議行動はだんだん危険になり、軍隊が警察の背後に配備され、暗殺ライフルを持った戦闘部隊が見え隠れするようになっても、彼女は進み続けた。

軍の暗殺部隊
       警察の背後で突撃ライフルを構える軍の暗殺部隊

エンジェルは自分が命を危険にさらしていることを知っていた。

それまですでに12人以上の抗議者が頭を撃たれて殺された。日曜日、マンダレーで別の女性(傍観者)が頭を撃たれた。

人権グループは、ライフル部隊が明らかに標的を絞り、頭部を狙い撃ちしていると見ている。

彼女の最後のメッセージがソーシャルメディアに残されている。
これが私が何かを語る最後かもしれない。あなたをとても愛している。忘れないでください。

そして、医療上の留意点、臓器提供の意思表示を書き残していた。
myanmar-protest-kyal-sin-angel

潜伏中のミャト・トゥは語る。

彼女は幸せな女の子でした​​。彼女は家族を愛し、父親も彼女をとても愛していました。
いまは戦争中ではありません。人々に実弾を使用する理由はありません。彼らが人間であるならば、そうしてはいけないはずです。

The Straits Times
https://www.straitstimes.com/asia

3月2日

リー・シェンロン首相がBBCとの会見で下記のごとく発言した。

ミャンマーは殺傷力の使用により、「巨大な悲劇的状況」の下にある。

民間人や非武装のデモ参加者が無差別に殺害されている。少なくとも21人が殺され、1000人以上が逮捕された。

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ミャンマーの状況は1988年に逆戻りした。2003年の民主化へのロードマップは踏みにじられた。

スーチー氏たちを逮捕し、あいまいな法律の下で彼女を起訴しても、問題解決からは遠ざかるばかりだ。

「シンガポールはまだ制裁を課していない」と言われる。たしかにそうだ。なぜなら、過去においてビルマへの制裁がまったく軍に影響を与えなかったからだ。

結局、中国に頼らざるを得ない。それすらも、軍部にとっては不快極まりないのだが…
中国にその気がなければそれまでだ。

アメリカ人、ヨーロッパ人がどんなに叫んでも一切関係ない。アセアン諸国も軍人たちの眼中にはなかった。
(リー首相が深い絶望に襲われているのは分かる。しかしASEANの力を過小評価してはいけない。ここまで民主化を進めてきたのはASEANの力なのだ。今こそタフであってほしいと思う)


3月4日

3日は最も暴力的な日となった。

ニューヨークの国連ミャンマー特使は次のように発表した。

軍はいくつかの町や都市で抗議を鎮圧しました。この過程で38人が殺害されました。援助機関によると、死者には4人の子供が含まれていました。

目撃者によると、警察と兵士はほとんど警告なしに実弾で発砲しました。

政治囚支援グループの共同事務局長によれば、最大都市ヤンゴンでは、治安部隊が発砲を繰り返した。
目撃者によると、少なくとも8人が死亡した。1人は一日の早い時間に、7人は夕方に市北部の近隣で殺された。

北部でのデモ参加者はこう語る。

私は非常に多くの連続的な発砲音を聞きました。私は地面に横になり、そこに向けて彼らは発射を繰り返しました。

コミュニティーの病院では7人の死を確認しました。死因について病院関係者は説明できませんでした。

夜が明けた後、ヤンゴンの住民はろうそくに火をつけ、死者のために祈りを捧げました。

モンユワ市でも、中心街で6人が死亡した。

2番目に大きな都市マンダレー、北部の町Hpakant、中央の町Myingyanでも多くの人が殺害されている。

マンダレーで反クーデター抗議を解散させるために警察が発砲した後、抗議者たちは地面に横たわっている。

マンダレーで射殺された2人のうち1人は、19歳の女性であった。写真に映された彼女は、「すべてが大丈夫だ」と書かれたTシャツを着ている。(次回に詳報)
hzmyanmar03021

ラジオ・フリー・アジアは次のような事件を報告している。
軍用トラックの車列が通過したとき、14歳の少年を含む4人の子供が兵士に射殺された。
兵士たちは彼の体をトラックに積み込み、現場を去った。
この大虐殺はASEAN諸国外相が暴力の抑制を訴えた翌日に発生した。これが軍部の回答だ。

わかもの活動家は、「それは虐殺です。いまの状況を言葉で説明することはできません。私たちの気持ちを言葉で伝えることはできません」と語る。
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3月4日

シンガポール政府は本日、ミャンマー在留民に、できるだけ速やかに離れるよう勧告した。
外務省(MFA)はまた、ミャンマーへの旅行を避けるよう要請した。

現地在留者の声
暴力はますます深刻になっている。
緊張が高まりとても恐ろしい。
明日何が起こるかわからない、不安だ。
最近では銃声がより近くで聞こえるようになった。
現在ミャンマーには、シンガポール人が登録されているだけで500人以上いる。
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ASEAN外相会議の無力な声明

国連は、昨日38人が殺されたと発表した。これまでに軍に対する抗議行動で50人以上が死亡している。

インドネシアはシャトル外交を実施し、シンガポールは「暴力に愕然とした」と述べた。

しかしこれまでのところ、この地域のどの国も、軍への制裁やその他の措置を示していない。

2日、ASEANの外相10人がオンライン会議を開き、声明を発表した。

それはさらなる暴力の扇動を控え、建設的な対話による平和的解決を求めた。

声明はスー・チーの名前に言及せず、「クーデター」という言葉を差し控えた。

スーチーと他の被拘禁者の釈放を求めたのはインドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポールだけだった。


いまはエド・ウィン・フィッシャーの演奏するバッハの「半音階的幻想曲とフーガ」を聴いている。
この曲、この演奏は東京オリンピックの頃ラジオの深夜放送で聴いたとばかり思っていたが、どうも違うようだ。

受験勉強のギヤーが本格化したのはオリンピックのちょっと前である。
この頃の私はかなり追い込まれて悲惨な状況であった。学年順位が三桁まで落ち、数学と物理が完全にお客さん状態に入っていた。

新聞部ではかなり睨まれ、「學テ特集」号は紙面の半分が白紙の状態で強行発行した。

学校から帰るとまず一眠り、その後ダラダラして8時から勉強が始まる。そして11時半になると、第二放送をつけてクラシック音楽を聞き始めるのがルーチンだった。

クラシックと言ってもルネッサンスからせいぜいバロックまでだから、お経を聴いていたようなものだ。

いまでも中身はほとんど覚えていない。オルランド・ラッソとかジョスカン・デュプレとか、いまでも名前しか知らない人たちのマドリガルを流していた。

その番組で皆川達夫さんの解説でこの演奏を聞いたように覚えていたが、今ネットを探してみると、そんなことはありえない。

皆川さんはそれからしばらくしてFM放送で解説を始めたから、そちらを聴いた記憶が連動しているようだ。

あの頃はすごい演奏だと思ったが、今聞くとかなりあらっぽい。バッハの演奏はむかしからロシア人と決まっているようで、リヒテル、ニコラエーヴァ、ソコロフも良いが、いまはころりオフをスタンダードとしている。

グールドは良くも悪しくも異端だ。本人もそう思っているはずだ。そこを考え違いしてもらっては困る。

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