若い頃、「ドクトル・マンボウ航海記」という小説があった。北杜夫の書いたもので、卒業後なんとなく現実逃避みたいにして船医になる。そして世界を漫遊するという設定だった。
マンローは逃避どころか、まっしぐらに人類学の旅に突っ込んでいったので、そのへんは少し違う。しかしスタイルとしては、何となくそれでいいかなと思う。
つまり一人称に近い形でマンローに寄り添い、彼が何かをしたとき実は何をしたかったのかを忖度しならお付き合いするという文体が、マンローを表現するのには最もふさわしいのではないかと思う。
そんなことで、まずは始めて見ますか。