鈴木頌の発言 国際政治・歴史・思想・医療・音楽

AALA関連記事は「aala_newsの編集日記」http://blog.livedoor.jp/aala_news/ に移りました(6Nov.2023) 中身が雑多なので、右側の「カテゴリー」から入ることをお勧めします。 「ラテンアメリカの政治」(http://www10.plala.or.jp/shosuzki/ )がH.Pで、「評論」が倉庫です。「なんでも年表」に過去の全年表の一覧を載せました。

2019年03月

グーグル八分

グーグル八分」という言葉があるそうだ。日本語版ウィキペディアでは立派に一つの記事になっている。
英語では Google Censorship(Googleの検閲) と言うそうだ。
記事の中身を要約してみる。

概要

グーグル八分とはサイトの一覧から特定のサイトを取り除き表示しないようにすることである。

Googleは、検索エンジン運営者としての主体性の問題だと開き直っている。

いくつかの内部基準があり、情報の削除を行った場合はその事実を米国の第三者機関に提示し、該当する検索結果のページに告知することになっている。

しかしながら、検索エンジンサービスは事実上寡占状態であるため、一企業の内部的な決定で検索結果が操作されることには異論も多い。

またグーグルが米国の企業であることから、外国の私企業による情報の制限について危機感を持つ人々もいる。

グーグル八分の具体例

①グーグルダンス
検索順位を決定しているページランクの計算アルゴリズムは定期的に変更され、「グーグルダンス」と呼ばれる。
このため上位に掲載されていたサイトが、ある時に大きく順位を落とすことがある。
②検索エンジンスパムへの懲罰
ドイツBMW社が検索エンジンスパムとみなされる技術を用いたとしてグーグル八分を受けた
③中国における検閲
Google、Yahoo!、MSNはすべて共産党政府に都合の良い検閲を行っている(2006年 国境なき記者団)

検閲を回避する方法

ウィキペディア氏は、次の方法を提案している。
①複数の検索エンジンで検索して内容を比較する
②メタ検索エンジンを利用(昔はよくあったよね)
③検索エンジンを自作し、独自の検索データベースを構築する

③については、話題を絞って集団的に制作する動きもあるようなので、昔のような並立状態がそのうち再現するかもしれない。GAFAの存立基盤は意外に脆いものかもしれない。

余分な分類を削ぎ取って本質的な特徴にもとづいて経過を並べてみる。

1.元祖「霊長類」の登場

これはDNAの世界のことである。哺乳類から霊長類がいつ頃分かれたかを、現存霊長類のDNA解析から探っていった。
すると、哺乳類一般のDNAと分岐したのが8150万年前のことと推定された。
もちろん絶対年代に関してはかなりアバウトだから1億年前から7千億年前くらいの幅はみておいたほうが良いかもしれない。
このときはまだ中生代の白亜紀、恐竜全盛の時代である。哺乳類は昼は葉陰にひそみ、変温動物の活動が鈍る夜になるとコソコソと動き回る、一種の盗っ人稼業であった。
哺乳類の中でも階層はあるわけで、霊長類のご先祖はその中でも位の低いモグラもどきの生き物であった。

2.爬虫類が絶滅して哺乳類が主役に

6500万年前に隕石が落ちて天候が激変して爬虫類が絶滅してしまった。
そこで哺乳類が一軍に上がったのだが、その時霊長類はまだ主役にはなれなかった。
霊長類が飛躍するのは約5500万年前、彼らが樹上生活を送るようになったからだが、それはネズミやリスから逃れるためであったと言われる。ここで初めてプレシアダピスという名がつけられる。
プレシアダピスは、拇指が他の四指と向かい合い、両眼で立体視をし、色覚は完全である。
すでに立派な霊長類だ。
しかしそれは哺乳類としての進化の王道ではなく、そこをかなりバイパスし、ジャンプアップすることによってたどり着いたことに注意しておく必要がある。

3.プレ・プレシアダピスはいずこに

しかしこれでは歴史もクソもない。昨日のモグラが教は立派な霊長類になってしまった。芝居の台本ならよくある話だが、脳の発達とかを気にする人間にとっては、このミッシングリンクはあまりにも大きい。
この間隙を埋めるものとしてプルガトリウスやカルポレステスなどの化石生物が注目されるのだが、なぜか日本の学会は頑な態度を取り続けているように思える。

プルガトリウス
                                                        プルガトリウス

4.北米のプレシアダピスがヨーロッパに移動

5千万年前に北米の気候が寒冷化または乾燥化し、プレシアダピスがいなくなり、ヨーロッパに現れた。
やがてプレシアダピスからアダピス類とオモミス類が分化した。アダピスは原猿類となり、進化を止める。オモミスは概ね真猿類の祖となっていく。
やがてヨーロッパもサルには行きづらい場所になり、アフリカとアジアへ移動する。

5.バカバカしい2つの分類

アフリカの真猿類の一部は大西洋を越えて南米大陸へと移動する。
南米はヨーロッパにとって新大陸だから移動したサルは新世界ザルと呼ばれるようになった。移動しなかったサルは旧世界ザルということになる。
ナンセンスな分類である。
もう一つ、南米に移ったサルはその後鼻の穴が横に広がった。だからそれは広鼻猿類と呼ばれる。広鼻猿類から見るとアフリカに残ったサルは鼻の穴が広くないから狭鼻猿類と呼ばれるようになった。
これもナンセンスな分類だ。
思うにこれは「権威」が増えすぎると起きる現象だ。とかく「権威」は教科書を作りたがる。教科書は必ず売れる。弟子たちに分担執筆させて、そのかわりに弟子たちの学校で採用させれば、みんな喜ぶ。
そうやって教科書がたくさんできると、定義や分類もその分増えていく。「アカデミー」というのはカビが生えたような世界だから、そのようなことはまったく気にならないのだ。

6.真猿類と類人猿の分岐

アフリカに残った真猿類はエジプトピテクスと呼ばれる。これがオリゴピテクスとプロプリオピテクスに分岐する。
この内、プロプリオピテクスが類人猿へと分化していくようだ。なおインドで発見されたラマピテクスがヒトの祖先ではないかと言われたことがあったが、現在では否定されている。
この後はホモ属の進化史年表として扱ったほうが良さそうだ。

類人猿DNA分岐

ということで、かなり荒っぽくまとめてみても、研究の停滞と荒廃ぶりが見て取れる。

本格的に勉強しようと思うなら海外文献をひも解かなければなさそうだが、こちらにはそれほども気持ちもない。誰かが早く建て直してくれることを祈るばかりである。



地質時代の区分(概略)
開始年代
(年前)
概要
1万1700年第四紀完新世人類の時代。更新世末に、大型哺乳類大規模な絶滅氷期間氷期の繰り返し。大規模な氷河日本海が拡がり、弓状の日本列島となる[37]
258万年更新世
533万3000年新第三紀鮮新世パナマ地峡形成、ヒマラヤ山脈上昇、寒冷化、氷床発達。ヒトの祖先誕生。
2303万年中新世生物相はより現代に近づく。アフリカがユーラシア大陸と繋がったことで両大陸間の拡散。インド大陸衝突。孤立している南アメリカとオーストラリアは、異なった動物相。日本海となる地溝帯が細長い海となり島(古日本列島)が誕生。
3390万年古第三紀漸新世気候変動による大規模な海退哺乳類の進化・大型化。日本列島に当たる部分は大陸の一部、後に日本海となる地溝帯が拡大。
5600万年始新世現存哺乳類のほとんどの目(もく)が出現。
6600万年暁新世アフリカ、南アメリカ、南極大陸は分離。ヨーロッパと北アメリカはまだ陸続き。インドは巨大な島。絶滅した恐竜の後の哺乳類、魚類の放散進化。植物は、白亜紀に引き続き被子植物が栄え、この時代にほぼ現代的な様相

地質時代 - Wikipedia より

この表を改変して年表とする

霊長類の年表
開始年代
(年前)
概要
6600万年古第三紀暁新世白亜紀 8150万年前 DNA解析では、現生霊長類の起源がこの年とされる。食虫目の一種とされる。食虫目はもっとも原始的な哺乳類のグループで、ネズミ、リス、モグラに似ている。

6.5千万年前 地球への隕石の衝突。これにより恐竜が絶滅。これを以って中生代から新生代へ移行。

6.5千万年前 プルガトリウスが出現。(厳密には白亜紀後期からの生き残りらしい)ネズミ大で樹上性。北米・ヨーロッパに生息。霊長類の共通の祖先となる。(ナショナル・ジオグラフィック2012)
上記と同じ年代で
京都大学のHPではプレシアダピス類についての記載がある。厳密にはプレシアダピスは霊長類ではなく偽霊長類と呼ばれる。原猿類とはつながらない原始性を残しているが、食虫類とははっきり区別できる。などという記載がある。

いろいろ検索したがわからない。最後にこんな記載を見つけた。

約6550万年前 - 霊長類の出現。

約5500万年前に現れたアダピス類が初期の霊長類と考えられている。これより前の約7000万年前に北米に出現したプレシアダピス類のプルガトリウス(英語版)を最古とする考え方もある。(地球史年表

どうも両論がガチンコしていて、日本ではプルガトリウスと口に出すさえはばかられる状況のようである。くわばらくわばら。ここまでが白亜紀。
暁新世初期 霊長類の発生。食虫目に類似の動物から分化し,樹上生活を通じて適応放散した一群とされる。

拇指ぼしは平爪ひらづめをもち、他の四指と向かい合い、物を握ることができる。多くは目が顔の前面にあり、両眼で立体視をし、色覚の完全なものが多い。盲腸をもつ。〈モグラには盲腸がないらしい〉

暁新世初期 アダピス(後出)とプレシアダピス類が分岐。

5600万年始新世

5500万年前 米ワイオミング州でカルポレステス・シンプソニの完ぺきな骨格化石。体重は100グラム前後。体長は約20センチ。長い4本の指とそれに向き合った大きな親指。

5497万年前 中国で、この地層からカルポレステス・シンプソニの頭骨化石が見つかる。

5千万年前 北米の気候が寒冷化または乾燥化し、「原猿」は北米から姿を消す。(「このとき中南米に移動したサルは広鼻下目に進化し、ヨーロッパに移動したサルは狭鼻下目に進化した」という記載があるがどうも疑わしい)

5千万年前 プレシアダピスからアダピス類とオモミス類が進化。(プレシアダピスそのものは始新世末まで生存)

アダピスが原猿類(キツネザル他)となり、オモミスが真猿類+メガネザルとなる。(紛らわしいがメガネザルはオモミス由来だが原猿に入る。ということは原猿・真猿という分類は無意味ということだ。この世界、一体に無意味な分類が多すぎる)
4.5千万年前 ヨーロッパで旧世界ザルが出現。その後寒冷化のため、アフリカとアジアへ移動。(これが真猿だという記載があるが、ウソだろう。そもそも定義が違う)
オリゴピテクスは歯が32本あり,プロプリオピテクスはより類人猿に似た特徴をもつ。
4千万年前 真猿類の一部がアメリカ大陸にわたり新世界サルの祖先となる。(広鼻猿類と狭鼻猿類という分類が出てくるが、これも無意味だ。アフリカから南米に渡った真猿が鼻の穴が広がっただけのことだ)
3.4千万年前 アフリカに残ったサル(エジプトピテクス)は旧世界ザルと類人猿に分化。

3.5千万年前 始新世末 プレシアダピス類はこの頃までに絶滅。 

3390万年漸新世

3千万年前 類人猿プロコンスル(リーキーが発見)、ギガントピテクス(ケーニヒスワルトが発見)が誕生した。。一説では1.8千万年前。またインドで発見されたラマピテクスは,ヒトの祖先に直接つながる可能性が強いといわれる。

2303万年新第三紀中新世

中新世 ユーラシアにプリオピテクスが出現。テナガザルの祖先と考えられる。

533万年鮮新世

中新世〜第四紀には,現生大型類人猿の祖型とみなされるドリヨピテクス属が,ユーラシアに広く分布

258万年第四紀更新世
1.2万年完新世

ということで、とりあえず突っ込んでみたが、何が何やらさっぱりわかりませんね。本当にひどいものです。世界のサル屋さんはバベルの塔状態になっているようです。

霊長類(サル)の進化の歴史には2つの大きな謎がある。

一つは、おそらく哺乳類の中でも傍流と考えられるサル類(原猿)がなぜ適応拡散を遂げ、「霊長」類と呼ばれるに至ったのか、という問題。八代将軍吉宗みたいのものだ。
もう一つは、サル類の中でも異端系とみられる類人猿系が一旦衰退した後なぜ復活したのかという問題である。特に、真猿系と縄張り争いをせずに棲み分けをした理由が良くわからない。
この点に関してなかなかツボにはまった答えを示してくれる文章が見つからない。
それ以前の問題として霊長類の進化史そのものが複雑怪奇で百家争鳴の様相を呈している。細かなところはどうでも良いので最大公約数的なものを出してくれないかと思うのだが、そこはそれ、専門家の意地というものがある。

もう一つ、サルの歴史を語るときに、大げさに言えば「史観」として確認しておくべきと思うことがある。サルという動物ほど天変地異の中で弄ばされ、その中をしぶとく生き抜いてきた動物はいないという実感である。世界に拡散し定着する前のホモ・サピエンスをふくめ、何度も、いとも簡単に絶滅している。ただ絶滅するだけなら、全球凍結とか爬虫類の絶滅みたいな事はあったが、「死んだと思ったらまた生き返った!」みたいな話はそうないと思う。

このことから2つのアスペクトが引き出される。
一つは「サルは“霊長類”などというものではない」ということである。哺乳類の種の中で「よーいドン!」をして、たまたま生きた時代が良くて時流に乗っただけの存在だということである。霊長類という分類名はやめるべきではないか。私はサル類で良いと思うのだが。
もう一つは、そんなサルの歴史の中で突然変異的にホモ・サピエンスが発生するのだが、その発展は進化の歴史の中で特異的なスピードだとおもう。
ここで脳の話に飛んでしまうのだが、いわば突貫工事で作り上げ、先輩格の鳥の脳に追いつき、それを追い越した秘密はどこにあるのか。その異常さを包摂しながら議論を展開しなければならないのではないだろうか。
これはマクリーンの脳進化論へのもっとも強力な反論となるであろう。名付けて「ブザマなれども強力脳」、あるいは継ぎ足し継ぎ足しの「温泉ホテル脳」である。大脳と小脳は新館と別館である。

むかし撃墜王坂井少尉の本を夢中で読んで、「美しく強いゼロ戦が、戦争末期になると、ブザマで強いグラマン」に負けてしまうのを悲しく悔しく思ったものだ。
鳥の脳がゼロ戦で、ヒトの脳はグラマンに相当するのだろう。と言っても、さすがに「グラマン脳」といってピンとくるヒトはもういないだろうと思う。このネーミングは断念する。
おかげで未だにサルの進化史年表の決定版めいたものが作れないでいる。



How Amnesty International is Reinforcing Trump’s Regime-Change Propaganda Against Venezuela


Joe Emersberger著


イントロ

アムネスティ・インターナショナルは、読者に情報の誠実さと公平性を信頼するようもとめています。
しかし、率直に言ってそれらは信頼できません。

アムネスティはマドゥロ大統領の支持者たちを悪魔のように扱ってきました。そしてその一方で、反政府側の人々による明白な人権侵害を徹底的に無視してきたからです。

グアイドが暫定大統領に就任した直後、アムネスティは「人権」を最大の根拠として、トランプによる軍事的脅迫を「人権」で偽装させたかのように読める報告を出しました。


チームトランプがベネズエラの「唯一の希望」?

この点に関して、アムネスティのエリカ・ゲバラ米州局長はこう語っています。

国際正義はベネズエラの人権侵害を防ぐ唯一の希望です。 さらなる残虐行為を防ぐために、“利用可能なすべてのメカニズムをアクティブにする”時が来ました。

そして報告書でもこう述べています。

ベネズエラの人権状況を本当に心配している国は、“普遍的管轄権の適用”を探るべきである。

“普遍的管轄権の適用”とは、ユーゴ内戦のときのセルビアのように、国家主権を剥奪することです。アムネスティのベネズエラに対する主張は、思いとしては真剣かもしれませんが、誠実さ、公平さに欠けると言わざるを得ません。

ベネズエラへの米国の軍事攻撃の脅威は、「人道援助の提供」を偽装しています。その偽装役をみずから買っているのがアムネスティなのです。
実際には、ベネズエラは外国からの援助を積極的にもとめ、喜んで受けとっています。そのことを忘れてはならないでしょう。


食料・医薬品へのトランプの攻撃を無視するアムネスティ

2017年8月に金融制裁が始まったとき、アムネスティはそれを非難しませんでした。経済全体への影響が深刻ではなかったというのが理由です。

それから現在までに、ベネズエラは1200億ドルを輸入し、制裁措置により60億ドルを超える追加コストを払っています。

国際石油価格が大幅に値下がりし、その安値が続き、持続的な価格崩壊が始まりました。そのあと制裁措置が始まり、設備の修復管理が困難となり石油生産が急減しました。

それまでは、ベネズエラは年間約20億ドルの医薬品を輸入していたのです。

アムネスティはベネズエラの経済問題を、しばしば人権侵害とごたまぜにして指摘しています。このことを覚えておくことは重要です。

 昨年、私はトランプの制裁を非難するよう求める手紙をアムネスティに送りました。これに対しアムネスティは非難を拒否する旨の返答を送ってきました。

そのときアムネスティはこう言っています。
アムネスティは、これらの制裁措置について意見を表明するつもりはありません。
そうではなく、ベネズエラが直面している深刻な危機に対処する、緊急の手当の必要性を強調しているのです。
人権に関しては、これを解決するのがベネズエラ国の責任です。
米国がベネズエラに与えた破滅的な被害を、アムネスティが一貫して認めなかったのは驚くべきことです。

アムネスティはさらに、1月から始まった追加制裁について、その影響を注意深く「監視する」ようにトランプにもとめました。制裁の「効果」と書かなかっただけ偉いのかもしれませんが、中身はまさにそのとおりです。

信頼できる人権団体なら、トランプが課したすべての経済制裁の即時終了を要求するのが筋だろうに。

ベネズエラでの暴力犯罪

アムネスティはまた、最新の報告書で次のように述べています。
カラカスの貧しい地域は特に影響を受け、最も多くの犠牲者を登録した。
当局との衝突で殺害された犠牲者は、「犯罪者」として後に提示された。
ベネズエラの治安部隊が犯罪を犯したことは間違いありません。マドゥーロ政府もそれを認めています。そして2017年の暴力的なデモ事件に関係した警察官は逮捕されました。

2017年6月、ウラジミール・パドリノ国防相は、国営テレビで治安部隊に警告しました。そして「もう国家警備隊が残虐行為を実行するのを見たくはない」と述べました。

ベネズエラの治安部隊は非常に高い殺人率を保持しています。同時に警察官の高い死亡率に直面していることにも留意すべきです。この傾向はチャベス政権よりずっと前からの傾向です。

同時に、この国は何年もの間、米国に支持された暴力的な抗議者に悩まされてきました。その粗暴ぶりは際立っており、アフロ系ベネズエラ人を路上で生きたまま焼いたり、警察官を殺害したりします。

そして今日、米国は野党内で最も暴力的な勢力を権力につかせようとしています。このことが深刻な脅威をもたらしています。

暴力は連鎖します。治安部隊が「犯罪との闘い」として、または自己防衛として法外な処刑を黙認する可能性があります。

それはまた、アムネスティのような党派的グループがトランプの政権転覆計画を、実際上煽るような動きをもたらすかもしれません。


Maduroの支持者たちへの汚い戦争をけしかける宣伝

アムネスティはその報告書で次のように述べています:

カラカス市内のあちこちに、政府を支持する強力な武装グループ「コレクティボ」が存在します。住民が国の配給システムに依存しているところではより強力です。

繰り返しになりますが、「緊急事態計画」は制裁措置が発動されたためのものです。

野党系の世論調査でも、何百万人もの貧しい人々に必需品を配給しています。それは全世帯の最大60%に達します。

そもそも貧困地域で、自分たちを自己防衛のために組織化することは、貧しい人々の歴史となっています。それは別に新しいことでも何でもありません。

そして彼らは貧民街や貧しい農村にいてマドゥーロを支持しています。

だから、武装しているかどうかにかかわらず、米国とつながる勢力が権力を握ると、激しく標的にされるでしょう。特にクーデターや米軍の侵略を通して政権が変わるのならなおさらのことです。

アムネスティは、貧困者を「非難する」ことについてはほとんど懸念を持っていません。
トランプが彼らの「健康と食料への権利」を攻撃することについては、ほとんど気にしてないように見えます。

上記のすべての理由からして、ベネズエラに関するアムネスティの誠実性と客観性には強い疑問を投げかけるほかありません。

平和と正義のために、私たちはアムネスティへの視点をもっと厳しい水準に保つべきです。


リード

クーデターは偶然ではありません。 それはただ空から降ってくるのではありません。
それは特殊な材料と条件でつくりあげるものなのです。それが成功するには準備・計画・宣伝、それに時間とお金が必要です。

国内外の民衆が納得するために、宣伝は重要です。

クーデターとは選挙で選ばれた政府を強制的に辞任させることです。
それを納得してもらえるためには、国家が特殊な状況にあり、クーデターが論理的・必然的な帰結であることを、民衆に確信させることが必要です。

資本主義の下のマスメディアは、国家支配の道具の一部です。そして国家の重要な宣伝要素としての役割を果たすため、「客観的」で「自立的」であるという「名声」をしっかり利用します。

イギリスでは、BBCは人々が帝国主義的なクーデターを受け入れるように仕向けるスキルを完成させました。それが彼らがベネズエラについてしたことです。

BBCは1月16日、「廃墟の中の革命ーウーゴ・チャベス物語」という番組を放送しました。

これはマドゥーロをチャベス神話の後継者とし、彼に対するあらゆる行動を視聴者が受け入れるよう準備されたものでした。
そして一週間以内に、クーデター計画が発動したのです!

正しい一面

BBCはまたベネズエラの直面する問題を、チャベスとマドゥーロによる独裁の結果として描き出そうとしました。

ベネズエラ革命の経済、社会、政治的背景を説明しようとする視点は、まったく見当たりません。
そしてもちろん、アメリカの経済制裁がもたらしたものについては、まったく言及されません。

番組の冒頭から、彼らは「チャベス大統領の14年間は、今日みられる多くのポピュリスト指導者の先駆者だった」と主張しました。

チャベスのもとで、健康と教育におけるいくらかの前進がみられたが、それはごく初期のごく短期間のものだった」。そして同じ時期、「独裁権力のあくなき追求」が強められたと、BBCは主張します。

それが残りのシーンのほとんどです。

世界最大の石油埋蔵量があるにもかかわらず、この国は崩壊しました。
そこには混乱、貧困、暴力だけがあります。いまベネズエラは、世界で最も危険な国です。

チャベスは「力の集中」に夢中でした。民衆は「ただ一人の人物によって惑わされ、支配されていました」。その時、チャベスはその性格の最悪の側面を露わにしていました。

これは「客観的報道」が売りもののBBCが作り出した物語です。

人々は、ベネズエラの災厄は全て独裁者チャベスによって引き起こされたと信じるように導かれます!

それはBBCが沈んだ闇の深さを示しています。


チャベスを“批評するものたち

BBCの見解を裏付けるために、語り手に加えて8人がコメントを述べています。
大多数は反Chavezでした。

11年間チャベスの助言者であり支持者であったエヴァ・ゴリンジャーでさえ、チャベスに対する性的性格の非難“Me Too”をしました。(それにしても見事な大脱走だ。CIAが作った筋書きだろう)
彼女が言うような事件が起きたかどうかはわかりません。彼女とチャベスしかいない席での出来事ですし、チャベスは2012年に亡くなったので、自分を弁護することができません。

1998年の大統領選挙で、チャベスは56%の票を獲得しました。

これについてコメンテーターの一人ラウル・ガジェゴスは言います。
「それでチャベスは何を手に入れたか。それは軍事独裁者の地位ではなかったか」
「教養ある」大学教授マルガリータ・ロペスは、「チャベスには政治的経験がなかった」と述べました。

このあとも番組のウソはますますひどくなります。

しかし「客観的なBBC」は完全な嘘をつくことを控えなければなりません。半分の真実で十分です。

石油公社(PdVSA)は、国家によって所有されていました。しかし事実上、それは国家内の国家でした。石油収入の多くは、寡頭支配層に利益をもたらすよう取締役会によって配分されました。

人口の大部分が貧困の中で、飢餓と栄養失調に苦しみながら生活していました。
それでもガジェゴスは「政治はうまくいっていた」と言いはります。しかしチャベスの前に降伏したことは認めざるを得ませんでした。

チャベスは野党指導者が多数を占める石油公社を支配しようとして、「手綱をギュッと引き締めた」。
野党の支持者にとってそれは「共産主義者の乗っ取り」のように見えました。

2002年4月にチャベス政権に対しクーデターがおこされ失敗しました。
番組ではこの件で、チャベスはほとんど非難されているようにさえ見えます。

画面上、デモ参加者は政府側も反政府側も狙撃手によって殺されているように見えます。
これは真っ赤なウソです。当時のテレビの映像が明らかに示しています。狙撃は明確にチャベス支持派を目標としたものでした。

チャベスへの中傷

番組は言います。
チャベスは大統領の任期を経るごとに「力に酔いしれた」ようになった。そして力に身を任せるようになった。

しかし番組は2012年10月に起きた事実を隠すことはできませんでした。

彼の最後の大統領選挙に当たり、「全国の人々は死ぬことが分かっている人物に投票した。そしていまも彼を支持し信頼している」

皆さん、せっかく良い話をしているのに、気に入らない事実がジャマをするけど、気にしないでね。

BBCが知っていながら無視したことは、チャベスと民衆との生き生きとした結びつきです。

なぜ民衆はチャベスを愛したか。なぜならチャベスはベネズエラから貧困、ホームレス、飢餓、文盲を取り除くと宣言し、彼らの願いを代弁したからです。

番組はかくの如くです。それは全体としてチャベスのキャラ抹殺でした。

ついでジェレミー・コービン(英労働党委員長)もまた有罪であることが示されました。彼がチャベスと親しかったからです。
映像ではチャベスがイランのアフマディネジャド、リビアのカダフィ、イラクのフセインと挨拶をしているところが移されました。もちろんその中にコービン!も混じっていました。


帝国主義者の干渉

最後に、番組は3つの分野に言及しました。
それらがもっと展開されれば、チャベス政権下で起こったことがより正しく描かれたかもしれません。

第一がメディアの干渉です。ほとんどのメディアは個人的に所有されています。チャベスが大統領に選出された当初から、その大部分は彼の打倒を求めていました。

チャベスは「伝統的なメディアを迂回して」人々に直接話しました。それには国営放送の「「ハロー大統領」という番組が使われました。

英国のマスコミが、選出された政府の打倒を公然と求めた場合、どうなるでしょうか。
このことについてBBCからの言及はありません。

第二の干渉は「社会的使命」計画の資金を供給するために石油収入を使うことへの非難です。

チャベスはそれを決めました。

社会計画のための伝統的な方法では資金調達はあまりに遅く、あまりに官僚的でした。
そこでかれは国家構造をバイパスしたのです。

社会主義の方向に社会を動かすために、資本主義国家を使うことにはさまざまな困難がつきまといます。
とりわけベネズエラのように国家機構が寡占層の執行部として、寡占層のためにだけ機能してきた国ではそうです。

既存の組織ではほとんど対応できないのです。

第三の問題が、貧しい人々を政治に参加させたことへの非難です。

しかし番組の最後にコメンテーターの一人がこう告白しました。

  「貧しい人々は、これから先もずっと、ベネズエラの政治対話の一翼となるだろう」

何百万もの普通のベネズエラ人が政治生活に目覚めました。これがチャベスとベネズエラ革命の永続的な遺産です。



題名に惹かれて訳したが、あまり水準の高いレポートではない。おそらくトロツキスト系青年のなぐり書きであろう。
“それはBBCが沈んだ闇の深さを示しています”というのがかっこいいが、なぜBBCがその闇に突っ込んだかについては言及されていない。

もう少し探してみる。

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