慰安婦の給料については、誰かの妄想というブログが詳しい。そちらを直接あたってもらえば良いようなものだが、ちょっとややこしいので、要点を抜き出しておく。
ブログ主はビルマの例を取り上げている。理由は一つは、「なかった」派の最大の根拠となっているからであり、もう一つは正式な文書を元にしているからである。
文書の名前は、「アメリカ戦時情報局心理作戦班 日本人捕虜尋問報告 第49号 1944年10月1日」という。
ブログ主によると、文書の要点は以下のごとくだ。
これは、慰安婦が普通の月で総額1500円程度の稼ぎを得ていたことを意味する。慰安婦は、「楼主」に750円を渡していたのである。多くの「楼主」は、食料、その他の物品の代金として慰安婦たちに多額の請求をしていたため、彼女たちは生活困難に陥った。
「なかった」派はこの一節から次の結論を引き出している。
慰安婦の月収は平均750円で、当時の陸軍大将の月収500円~600円より多かったこれに対し、ブログ主は次のように反論する。
①1500円の給料は日銀券ではなく軍票で支払われていた。
②軍票は日銀券とは遮断されており、兌換不能であった。
③南方占領地の中心シンガポールでは、物資不足と軍票の乱発により、3年間で軍票円換算の物価は350倍になっている。前線であるビルマではさらに軍票の実質価値は下がっていた。だから、慰安婦たちは陸軍大将を上回る給料をもらいながら、生活困難に陥っていたのである。
この「慰安婦高給説」の論拠が崩れると、「なかった」派の旗色はかなり悪くなる。慰安婦の契約は純粋に経済的な動機に裏付けられたものとは言いにくくなる。