いくら情報の自由とはいえ、若干の後ろめたさも感じていただけに、
仕方ないか、とも思う。
ただ、youtubeは国際的なものだから、法律の有効性は疑わしいが…
今のうちと思って、せっせと聞いている。
クライバーのブラームス4番が、youtubeでは4種類の演奏で聴ける。いまはそれを聞き比べているのだが、どうも一番古いウィーンフィルとのライブ盤が一番よいようだ。たぶんこれが評判になってCDが発売になったのだろうが、何か熱気が乏しい。4楽章のパッサカリアのところなどライブ盤では「よし、やったれ」という雰囲気がむんむんするのが、消えてしまう。
日々雑録 または 魔法の竪琴 によると、
1979年12月のヴィーンフィル定期演奏会が、それまでにあのベートーヴェンの第5番、7番を録音しているにも関わらず意外にも定演デビューで、このブラームスの4番などを演奏して大成功を収め、そして、翌年3月にこの録音を完成させたのだという。とすると、ライブ盤というのは「幻の録音」なんだろうか。思い出してみると、クライバーの「すごい」っていう演奏は、みんな78とか79年あたりのものだ。
残りの二つはバイエルン国立管弦楽団との演奏で、一つは89年の新年コンサートの録音、もうひとつが96年のコンサートライブだ。
とくに96年の演奏は、のりが悪い。この人は躁うつ病ではないだろうか。オケも手兵だけに細かいニュアンスを良く表現しているのだが、田舎娘が精一杯に踊っているみたいだ。やはり踊りは色気のある美人で楽しみたい。
ついでながら、おそらくこの曲のベスト盤はセルとクリーブランドの演奏だろう。うますぎる! すさまじい、有無を言わせない、恐れ入りましたという演奏だ。
「好きか嫌いか」なんて言っている場合じゃないでしょう、と叱られているような気分もする。とはいえ、「後ろ姿のブラームス」は期待できない。