鈴木頌の発言 国際政治・歴史・思想・医療・音楽

中身が雑多なので、右側の「カテゴリー」から入ることをお勧めします。 http://www10.plala.or.jp/shosuzki/ 「ラテンアメリカの政治」がH.Pで、「評論」が倉庫です。「なんでも年表」に過去の全年表の一覧を載せました。

2012年01月

チリのピニェラ大統領が大企業増税の方針を明らかにした、と赤旗が報じている。
ただし記事を読むと、大統領が新聞のインタビューで「一流企業、つまり大企業に対する税金を引き上げようではないか」と語ったということ。ピニェラという人物を考えると、そうはしゃぐほどのものでもなさそうだ。

ただピノチェト支持者の力を背景に大統領となった人物が、インタビューでの談話とはいえこのような意見を述べざるを得なくなっている、チリの状況の変化はしっかり見ておく必要があるだろう。

誤解されることが多いのだが、チリはこの間一貫して親米、ネオリベラリズムの政策を採ってきた。
89年に軍事独裁を終わらせ、キリスト教民主党を中心とするコンセルタシオンと呼ばれる民主勢力が政権を勝ち取った。その後、民主化が進展するにつれて政権内部でも左派の社会党の比重が高まり。前とその前の大統領は社会党員だった。

だからといって、社会主義的な政策をとってきたわけではない。経済運営についてはピノチェト時代の政策がそのまま踏襲されているといってもいいくらいだ。

南米諸国でアメリカとFTAを結んでいるのはペルーとチリのみである。


TPPとの関連で必ず引き合いに出されるのがメキシコ農業の荒廃。
NAFTAでアメリカの農産物にすっかりやられて主食であるトウモロコシが自給 不可能になったとされる。

生き残った農場も手入れが行き届かない状況、そこに過去70年間で最悪の旱魃がやってきた。

北部高原地帯のチワワ州は乾燥した半砂漠地帯ながら、灌漑農業に支えられてメキシコ農業を支えてきた。しかし昨年の降水量は例年の3割以下。主食トウモロコシの生産は320万トンの減少、家畜6万頭が死んだ。

現在でもトウモロコシなど農産物輸入額は210億ドル(約2兆円)であり、今後予想される国際価格の上昇を織り込めば、それが跳ね上がるのは必至だ。

灌漑農業は一端破壊されれば新たな水源の確保を含め、復興はきわめて困難である。

天災は必ず来るが、それを劇症化させるのは人災である。メキシコでまさにそれが表現されているのではないか。

Lars David Kellner: MUSSORGSKY Pictures at ... - Fanfare Magazine

に紹介が載っていた。1ヶ月前の記事だから注目されてきたのは最近らしい。キャリアはすでに10年以上あるようだが。

Robert Schumann - Dreaming

Schumann - Kinderszenen, der Dichter spricht (Lars David Kellner ...

Frédéric Chopin - Ballade No. 1 G Minor

Mussorgsky - Pictures from Crimea (Lars David Kellner) - YouTube

Mussorgsky - 3 piano pieces (Lars David Kellner, live).mpg - YouTube

Janáček - V pláci In Tränen in tears (Lars David Kellner).mpg ...

Janáček - Naše večery / our evenings / unsere Abende (Lars David ...

Prokofiev - Folk Dance (from 'Romeo and Juliet') (Lars David Kellner ..

Satie - Gymnopédie No. 1 (Lars David Kellner).mpg - YouTube

以上がただで聴ける演奏。


…と思ったら自分で自分の演奏を47曲もアップロードしていた。

これがそのサイト

http://www.youtube.com/playlist?list=UU_bSUKIH-xlpTPUsrOmwWgw&feature=plcp

Margaret Fingerhut というピアニストが弾いた「ロシアピアノ音楽」という演奏を聞いている。
中学の音楽の授業で、ロシアの五人組というのを習った。私の頃は高校入試は9科目、音楽、保健、家庭科も試験科目だった。
音楽の試験のヤマは五人組だったから懸命に憶えた。バラキレフ、キュイが憶えられない。なにせ聞いたことなどなかったからだ。
音楽というのは贅沢なもので、金がなければ聞けない。恥ずかしながら、YouTubeのお陰ではじめてバラキレフ、キュイを聞くことができた。
5人の音楽をまとめて聞いた印象としては、ショパンくらいの作曲家はロシアにはゴロゴロいるということだ。とくにバラキレフ、キュイは「私がショパンです」という人だ。バラキレフの「ポルカ」はショパンの「マズルカ」に紛れ込ませれば区別できない。
そこへ行くとムソルグスキーはやはりひと味違う。ロシアっぽさをぐいと突き出す趣がある。リムスキー・コルサコフはもうショパンのコピーを完全に脱しており、ロシアらしさに胸をはっている。
ということで、アンコールしてくれるなら、ムソルグスキーの「涙の一滴」をお願いしまーす。

ということで、涙の一滴の音源を探していたら、もういいやと思う頃に、Lars David Kellner の演奏が出てきた。また素人の自己満足かと思いながら聴いてみたら、とたんにしびれました。ストイックなほどに感情を抑制しながら、最後までその緊張感を聴衆に強いるのです。思わずYouTubeにBravo!と書き込んでしまいました。
気になって他の演奏を調べたら、ショパンのバラード1番がある。これがすごい! とんでもない人がいたものです。あしたはLars David Kellner を総まくりして、追っかけをしようと思います。おやすみなさい。

本日からEU首脳会議が開かれる。
「成長と雇用のために積極策が必要」としてEU基金を取り崩して各国に配分するとの方向のようだが、それ自体は悪いことではないが、そんな悠長なことを言っている場合ですかね。
とにかくユーロ共同債がドイツの反対でダメ、次ぎには金融取引税にイギリスが反対ということで、先が見えない。目下のところ欧州安定メカニズム(ESM)の発足待ちになっているが、「3月危機」には間に合いそうもない。
結局はIMFが音頭取りすることになるだろうが、欧州以外の諸国は相当厳しい態度が予想される。とくにユーロ・リスクの最終引受人であるドイツへの責任追及が持ち出されるだろう。
どうせなら早いところ観念したほうが出血は少なくてすむのだが、いまだ国内には分からず屋が横行しているのだろう。

ポルトアレグレの世界社会フォーラムが6月5日の世界同時行動を呼びかけた。
が、呼びかけは下記のようになっている。

6月下旬にリオで開かれる「国連持続可能な開発会議」に対し、「環境と社会の公正を守る世界大行動」を呼びかける。各国首脳に対し環境保護と社会問題の解決に配慮した新しい経済のあり方を追求するよう圧力をかける。

メインテーマが「地球環境を守る」ということになっているのが、ちょっとピンぼけ感がある。圧力をかければ首脳の態度が変わる、かのような言い方もちょっと気になる。

一言で言えば、相変わらず社会フォーラムは社会フォーラムだなという感じ。私なら「社会の公正と雇用と環境を守る世界行動」とするところだ。

しかし6月世界同時行動の呼びかけは時宜を得ている。なによりも世界社会フォーラムには2003年3月の世界同時行動の実績がある。

エジプト、イタリア、スペイン、アメリカと連鎖して起きた若者の闘いや各国労働運動の復活の動きを、グローバルなものに一体化していく結節点が必要だ。


消費税が5%上がるとして考えてみた。
私はあまり家計には詳しくないが、たとえば
生活必需品50%、娯楽・文化30%、貯蓄20%と使っていたとする。
家計を5%節約しようとすればそれはすべて娯楽・文化費に押し付けられる。
<30-30x0.05-(50+20)x0.05>/30=83.3%
であり、消費抑制効果は17%に達する。
初めて消費税が導入された時期、それが5%に引き上げられたとき、まだ家計には余裕があった。あの頃から平均所得は2割ほど下がっている。
もし分母が30%でなく20%なら、抑制効果は25%だ
これだと間違いなく消費税が国を負の螺旋に陥れ、滅ぼすことになる。

すごく数字に弱い人なんですが、この計算式間違っていますか? 

北京で住宅売買が昨年比83%も減ったという。
中国では激しい住宅バブルが続いていたが、政府が抑制策を打ち出したことで一気に収まった。
正確に言うと、「北京市における1月第三週の新規分譲住宅の契約件数」が、前年同期比の17%にまで落ち込んだというもの。
政府のとった手段は金利引き上げによる住宅市場からの資金還流、そして投機目的と見られる住宅購入の規制などである。この結果、不動産開発会社の倒産が相次ぎ、北京市内で約3000のデヴェロッパーのうち、473社が営業許可を取り消されたそうだ。

ただ中国の土地ブームは90年の日本のバブルとはまったく性格が異なり、大変な住宅不足が背景にあるだけに、当局が自画自賛するような話ではないはずだが。
これは入り口問題だが、出口問題として有り余る人民元の向かう行方をどう方向付けるのかがある。別な形の資産形成に向かうだけなら、歪みは改善はされない。


労働者と貧困層への富の流入を可能としつつインフレを招かないような政策誘導が求めれれるだろう。具体的にはILO勧告の完全実施、これまでないがしろにされてきた労働者の権利保護、団結権・団体交渉権・争議権の確立が望まれる。これにより「労働力商品」の市場価格の流動性が確保され適正化されるだろう。

週末は三食の支度、後片付けに洗濯、ゴミ分別に買い物、さらに除雪となるからなかなかに忙しい。業者に集金と財布も軽くなる。嫁さんはテレビの調子が悪い、パソコンが動かない、トイレが、風呂が、暖房が…とつぎつぎに求めるがこちらも分からない。字が読めない、メガネを取りに行く間に何をしていたかを忘れる。書かないと忘れるが書けば書いた紙を忘れる。
合間を縫ってYouTubeの音楽を楽しんでいる。
忘れないうちに書いておこう。もっともすでに半分以上忘れているが…
Ruth Slenczynska という女性ピアニストのリストのパガニーニ大練習曲が良かった。1925年サンフランシスコ生まれの人で、10歳かそこらでヨーロッパにわたりコルトーやシュナーベルの薫陶を受けたそうだ。経歴から言うとメニューヒンに似ている。
一度挫折した後50年代の後半に復帰し、これは59年の演奏。最初は何だと思って聞いていたが、なかなか座りが良い。初めて本物のリストを聞いたような気さえしてくる。「普通に」名人の弾くリストを聞いていると聴覚の識別能力を越えて音が飛び出してくる。あとに残るのはピアニストの腕の達者ぶりばかりだ。スレンシンスカ(この名前もずいぶん音符が詰まっている)を聞くと、一つひとつの音が、意味を持って飛び込んでくる。そして音の流れの必然性が伝わってくる。そうすると「あぁリストはこういうふうに言いたかったんだ」とわかってくる。リストが意外に良い人なのだということがわかってくる。これはかなり貴重な経験である。
スレンシンスカは下手だから、早く弾けないからゆっくりしているんだと思ったら間違い。音の意味は前後の余白があって初めて伝わるということを示しているのだ。(とは言っても身長150センチの小柄な女性がリストを弾くのはかなり厳しいとは思うが…)

その逆がグルダで、モーツァルトのソナタ第一番はえらく早い。早いなりの迫力はあるが、失われるもののほうがはるかに多い。リストで速さを競うのは良いが、モーツァルトで速さを競うのはお門違いだ。音を大事にするというのは音と音の間の余白を大事にすることだ。そして次の音への以降の必然性を聞くものに訴えることだ。音楽は理工系が強い分野だが、それでも最終的には文科系である。

考えてみるとピアノ弾きは理工系が多いようだ。ポリーニやグールド、グルダ、ミケランジェリなどどう考えても文科系ではない。ホロビッツやリヒテルは理工系というより体育会系か。たしかにピアノというのは体操やアクロバットに近いが、シフラのように腕まくりして出てこられると「ちょっと待って」ということになる。

リパッティやケンプのように人柄だけでも困るが、やはり人には優しさというものが必要なのである。ということで、そろそろ寝る時間なので結論から言うとギレリスとツィマーマンしかないのである。


 

 重大ニュースを逃していたようだ。

18日、カタールを訪れた温家宝首相が「イランの核兵器製造と保有に断固として反対する」と語った。そして「中東非核地帯の創設」をあらためて主張した。また記者団の質問に答え、イスラエルを非核地帯の例外とすることはありえないと述べた。

23日、イスラエル副首相は「中東非核地帯についての中国の考えに賛同する」と表明した。


これが26日付の赤旗記事。あわててネットで各紙報道をあたってみた。

2012年1月18日、カタールを訪問中の温家宝首相は記者会見に臨み、イランに対する国連制裁を支持する方針を示した。(新華網)

産経新聞は北京特派員記事

中東を歴訪していた中国の温家宝首相は18日、訪問先のカタールの首都ドーハで記者会見し、イランが示唆しているホルムズ海峡の封鎖について「いかなる状況にあっても、ホルムズ海峡の安全と正常な航行は保証されねばならない」と述べ、封鎖に反対の立場を示した。

温首相は「(ホルムズ海峡での正常な航行は)世界的な利益、全人類の利益だ。どんな問題が発生しても極端な措置を行うことは世界の各国と人々の願いに反する」と強調した。

一方で、「中国のイランとの石油貿易は通常の通商行為であることを明確にしておきたい。正当な貿易は保護されるべきだ。さもなければ世界の経済秩序が混乱に陥る」とし、中国がイランからの石油輸入を継続する方針を言明した。

中国筋によると、温首相の一連の発言は、中国政府内の国際協調派の意見を代表しているが、軍や保守派を中心にイランを支持する声は少なくないという。

ラジオ・イランの日本語版というページがあるんですね。

そこでも温家宝発言を紹介しています。

「イランと中国の関係が、敵対的な措置の影響を受け、世界の秩序を乱すようなことがあってはならない」

「今後も中国は、アメリカの一方的で不当な対イラン制裁には同調しない」

「中国はイランの石油を必要としており、地域におけるアメリカのダブルスタンダードに従うことはできない」

この発言は、中国が、イランをはじめとする中東諸国の石油を必要としており、アメリカなど、西側の理不尽な要求に屈するつもりはないことを示しています。(この一文はラジオ・イランのコメント)


メディアのめがねは油で曇っているようです。

温家宝発言の一番のポイントは、「イランの核兵器製造と保有に断固として反対する」態度を明らかにしたことです。その前提として、イランの核開発が決して平和目的ではなく、核兵器の開発にあると断定したことです。ここが一番大事です。

第二には、イランとイスラエルを含めた中東地帯の非核化を目標として掲げたことです。核の競争ではなく平和の競争を地域の目標として提起したことです。

第三に、制裁に加わるかどうかという踏み絵を突きつけるのは正しくない。石油貿易が正当な貿易である以上、世界の経済秩序はそのようにして決められるべきではない、ということです。

産経新聞は第三の主張のあとに、“…とし、中国がイランからの石油輸入を継続する方針を言明”とコメントをつけちゃっていますが、たしかに現実にはそうなるのでしょうが、温家宝が言っているのは原理・原則の問題なので、このコメントは真意を歪める結果になっています。

一般メディアの報道は一番目と二番目の問題にはほとんど触れていません。言い訳になりますが、私が温家宝発言を見逃したのもそのためです。しかし非同盟諸国がこの問題に関して曖昧な態度をとり続けている中で、またロシアが二枚舌外交を展開する中で、中国のきっぱりとした態度は鮮やかに映ります。

イランはかつて米大使館人質事件で経済制裁を受け、その後も実質的なアメリカの軍事支援を受けたイラクとの戦いを経験してきました。経済制裁の有効性も否定はしませんが,それだけでは核開発をやめさせる決定的な力にはならないと思います。

非同盟諸国、途上国を含めた世界の国々の世論の包囲が、結局は一番有効だろうと思います。そういう点から見て、中国の意見表明の効果は決して少なくないと思います。

昨年暮のASEANとの南沙諸島問題での合意実現といい、いよいよ今世紀初頭の華々しい中国外交が復活するのか、楽しみになってきました。

24日のオバマの一般教書演説が赤旗で紹介されている。

国内経済に関する部分は、読んでいて胸がすく思いがする。どこかの国の首相の胸くそが悪くなるような美辞麗句とはえらい違いだ。

「少数が豊かで多くの国民が生活苦を強いられる国を選ぶのか、全国民が公平な機会を得て、公平な負担を背負い、同じルールに従う経済に復活させるかの選択だ。問われているのは民主党か共和党かではなく、アメリカの価値観だ」

そのとおり~

「アメリカ自らの製造業、技術力を持った労働者、アメリカの国に基盤を置いた持続可能な経済の構築へ向けた青写真を示す」

ええどお~

「海外に労働力を求める企業に税優遇は行わない。減税は国内にとどまり、国内で雇用を生む企業を対象とする。大企業の税金逃れを防止するため、多国籍企業に一定の税を課す」

しびれますねぇ

「国防費5千億ドルを節減する。戦費縮小で浮いた財源の半分は債務返済に、残りは国家建設のために使う」

かっこいい~

「大富豪の4分の1が中間層家庭よりも税率が低い。公正な税負担のため税制改革が必要だ。100万ドル以上の所得があるのなら、最低でも30%以上の税金は払うべきだ。減税措置の撤廃も必要だ」

30%ねぇ、あほブッシュの前は最高70%なんだけど…

「経済回復への動きがまだ弱いのに、1億6千万人の勤労者への増税を避けることこそ、最も差し迫った優先課題だ。アメリカ国民の98%をしめる年収25万ドル以下の家計の増税をしてはならない」

25万ドル=1900万円? ちょっと高過ぎ?

「こうした政策を“階級闘争”だと呼びたいのであれば、そう呼べばいい。億万長者に、少なくとも自分の秘書と同じ程度の税率で納税してもらう。ほとんどのアメリカ人はそれを“階級闘争”ではなく常識と呼ぶだろう」

わお~、言っちゃった。

「金融危機の引き金になった住宅担保証券に対し、不正調査にむけた特別チームを立ち上げる。庶民の金で危ない賭け事をすることはもう許さない」

日本でこれだけ啖呵切ったら、支持率80%だよね。

一部が下記で見られる。

http://www.cnn.co.jp/usa/30005397.html

日本語訳(抄訳)は下記で見られる。

必読!オバマ演説

英語全文はここで見られる。

http://jp.wsj.com/US/Politics/node_380666

消費税引き上げ反対の議論の中で、有力な論拠とされているのが、1997年に橋本内閣が行った消費税2%引き上げをふくむ9兆円の国民負担増だ。

これが実施されたあと、日本は現在まで続く長い低迷期に入っている。この間、01年から数年間にわたりGDPの着実な上昇を伴う「好況」期があったが、国民の側にはなんらの恩恵もなかった。

そういう日本の近過去史において、97年の9兆円負担増はたしかに一つのランドマークとなっている。

ただ、消費税が2%上がったことがすべての根源なのか、郵便ポストの赤いのもすべて消費税が悪いのかといわれると、もう少し正確な議論が必要だろう。

この15年間、着実に庶民の暮らしは後退している。これは疑いのないところだ。一方、消費税こそその後引き上げはないが、社会保障・年金等で国民負担は確実に増加しているにもかかわらず、財政赤字は天井知らずで増え続けている。

したがって、消費税そのものをめぐる一番の論点は、国家財政改善に対して消費税の増税は有効なのかという点にあるのだろう。

答えは明確だ。97年問題をめぐる議論はいろいろあるにせよ、それが財政改善には役立たなかったということははっきりしている。消費税が財政健全化のツールとはなりえないことは、すでに証明されたといえる。

さらにいえば、消費税には天井がある。しかもこれは、まごうことなき大衆収奪であるから、3割4割というには軍事独裁並みの暴力的支配が必要になる。そのさきに打つ手はなくなるという最後の手段である。

いまそれを使うんですか? という疑問があっても当然ではないだろうか。

かねてより中東地域への介入に慎重な姿勢を示していたロシア、それなりに一理あるのかとも思っていたが、軍用ジェット機をシリアに売却するに至って、馬脚を現した。

ヤク130というジェット練習機だが、武器を装備すればそのまま戦闘機になる。全36機で総額5億5千万ドルだという。

これが介入でなくてなんなのだろう。その武器がどう使われるかは火を見るより明らかだ。それがビジネスというのなら、死の商人と呼ばれても止むを得まい。

一番の問題は、今後国際問題に関するロシアの発言が、他国から信用されなくなることだろう。これは国家外交にとって致命的なことだ。

日本の将来に向かって二つの道が提示されている。
ひとつの道は野田内閣の後ろに控える、大企業・財界の示す道だ。もう一つは、2年前に民主党を押し上げ、さらに変革を進めようとする一般国民の道だ。
最大の争点は景気か財政かという点にある。
大企業・財界は国内景気については関心がない。したがって消費税で景気が落ち込んでも、TPPで国内産業がつぶれても一向に構わない。肝心なことは円の安定にある。したがってその裏づけとなる国家財政の安定が何よりももとめられるものなのだ。
大企業につながり、何がしかの利益を享受する一部の人以外の一般国民は、財政よりも景気と雇用に真剣な関心がある。国際競争力よりも目の前の、そして将来の暮らしを真剣に取り上げるべきだと考えている。そして世の中の不公平ぶりに怒っている。

国際的状況はいよいよ剣呑になっている。富の著しい偏在が、需要の抑制と相対的な生産過剰を生み出している。端的に言えば、1980年代からの新自由主義経済の最終的な行き詰まりであり、小手先の対応で済む話ではなくなっている。

自由化ではなく、規制の強化が今後の流れである。金融資本を尖兵とする大企業の横暴と貧富の差の拡大を食い止めることが、世界経済の回復に不可欠の条件となっている。
そしてそのことを前提として、雇用にやさしい経済再建策がもとめられるようになっている。これは支配層の多くをふくめた世界の大勢となっている。その具体的戦略はいまだ明らかではない。誰もが納得できるような特効薬はないだろう。「収奪者が収奪される」ようなシーンが必ず登場するだろう。

そういうシナリオも潜めた2012年となっていくのではないだろうか。

こちらは日経新聞の記事

日本経済新聞

1月24日(火曜日)


2号機では溶け落ちた燃料が格納容器の底に達しているとみられる。燃料の過熱を防ぐため冷却水を入れている。従来、水位は格納容器の底から4.5メートルとみられていたが、内視鏡の写真から東電は「4メートル以下ではないか」としている。

奈良林直・北海道大学教授は「(撮影箇所より)もっと下部にある配管のつなぎ目などの弱い部分が破損し、水がたまらなくなっている」とみる。ただ、水位が低くても冷却には問題がないと考えられるという。
奈良林教授は「格納容器内で燃焼が起きていた可能性もあり、痕跡が見えれば事故がどう進んだかの理解につながる」としている。

これで冷却水を継続注していることが分かった。そしてそれが事実上ざる状態であることも分かった。後は注入量と実際にたまっている量との関係である。そうすれば失われた水のどのくらいが蒸発によるものなのか、どのくらいが漏水によるものなのかが推定できる。

最近は東大教授=うそつきという評価が固まったようで、北大教授を引っ張り出してきたが、このコメントにも疑問がある。

配管からの漏水もそれはそれで深刻な問題ではあるが、問題はそういうことではないだろう。
明らかに冷却水は高温となり蒸発している。そのために冷却水がたまらない可能性がある。確率は低いにしてもより危険な意味を持つ可能性だ。どうしてそこを無視するのか。
水位が低くても冷却には問題ないというが、それでは容器内の45度という温度はどう説明するのか。暖房でも入れてあるというのか。

「格納容器内で燃焼が起きていた可能性」というが、そういう悠長な話なのか。今現在、「起きている可能性」はないのか。
「核物質は燃焼はしなくても発熱はする」ということを前提にしての議論だが、たしかに臨界以上と以下の核分裂のありようは分けて考えなければならないにしても、発熱の原因は核分裂であり、「安心せぇ」というのは無責任だと思うが。

水位が低くても冷却には問題がないというのも変な話で、現に45度にまで冷えているから、必要な水位は確保されているのだろうという推測に過ぎない。水位がゼロになればふたたび臨界に達するのは明らかで、4メートル以下が1メートルなのか50センチなのかも分からずに「問題ない」と断言するのは科学者のとるべき態度ではない。



朝日新聞 2012.1.19 によると、

東電の記者会見での発言は、この北大教授のコメントとも真っ向から対立している。

東電は「推定に用いた圧力値が正しくないのが原因だろう。予想より(格納容器から外への)水漏れが激しいということではない」としている。

さぁ分からない。先ほどの記事では窒素を注入し約1.1気圧になるように設定していたと書かれていた。これはウソか?

注水した冷却水がまったく漏れていないとすると、そのほとんどは気化しているはずだ。恥ずかしながら忘れたが、10の何乗かの容積になるはずだ。ということはとんでもない高圧だ。格納容器が水蒸気爆発してもおかしくない。
もし圧力のみで水位を説明するのなら、そんなところに穴を開けたのか?

そもそも推定に用いた圧力はなんぼだったのか? 水位を推定した方程式を提示してもらわないととても納得は出来ない。


こちらは日経新聞の記事

日本経済新聞

1月24日(火曜日)


2号機では溶け落ちた燃料が格納容器の底に達しているとみられる。燃料の過熱を防ぐため冷却水を入れている。従来、水位は格納容器の底から4.5メートルとみられていたが、内視鏡の写真から東電は「4メートル以下ではないか」としている。

奈良林直・北海道大学教授は「(撮影箇所より)もっと下部にある配管のつなぎ目などの弱い部分が破損し、水がたまらなくなっている」とみる。ただ、水位が低くても冷却には問題がないと考えられるという。
奈良林教授は「格納容器内で燃焼が起きていた可能性もあり、痕跡が見えれば事故がどう進んだかの理解につながる」としている。

これで冷却水を継続注していることが分かった。そしてそれが事実上ざる状態であることも分かった。後は注入量と実際にたまっている量との関係である。そうすれば失われた水のどのくらいが蒸発によるものなのか、どのくらいが漏水によるものなのかが推定できる。

最近は東大教授=うそつきという評価が固まったようで、北大教授を引っ張り出してきたが、このコメントにも疑問がある。

配管からの漏水もそれはそれで深刻な問題ではあるが、問題はそういうことではないだろう。
明らかに冷却水は高温となり蒸発している。そのために冷却水がたまらない可能性がある。確率は低いにしてもより危険な意味を持つ可能性だ。どうしてそこを無視するのか。
水位が低くても冷却には問題ないというが、それでは容器内の45度という温度はどう説明するのか。暖房でも入れてあるというのか。

「格納容器内で燃焼が起きていた可能性」というが、そういう悠長な話なのか。今現在、「起きている可能性」はないのか。
「核物質は燃焼はしなくても発熱はする」ということを前提にしての議論だが、たしかに臨界以上と以下の核分裂のありようは分けて考えなければならないにしても、発熱の原因は核分裂であり、「安心せぇ」というのは無責任だと思うが。

水位が低くても冷却には問題がないというのも変な話で、現に45度にまで冷えているから、必要な水位は確保されているのだろうという推測に過ぎない。水位がゼロになればふたたび臨界に達するのは明らかで、4メートル以下が1メートルなのか50センチなのかも分からずに「問題ない」と断言するのは科学者のとるべき態度ではない。



朝日新聞 2012.1.19 によると、

東電の記者会見での発言は、この北大教授のコメントとも真っ向から対立している。

東電は「推定に用いた圧力値が正しくないのが原因だろう。予想より(格納容器から外への)水漏れが激しいということではない」としている。

さぁ分からない。先ほどの記事では窒素を注入し約1.1気圧になるように設定していたと書かれていた。これはウソか?

注水した冷却水がまったく漏れていないとすると、そのほとんどは気化しているはずだ。恥ずかしながら忘れたが、10の何乗かの容積になるはずだ。ということはとんでもない高圧だ。格納容器が水蒸気爆発してもおかしくない。
もし圧力のみで水位を説明するのなら、そんなところに穴を開けたのか?

そもそも推定に用いた圧力はなんぼだったのか? 水位を推定した方程式を提示してもらわないととても納得は出来ない。


消えた水の行方
なんぼの水を入れれば容器の水面の高さがどのくらいになるかは、中学の数学でも解ける。それが予想外れということは、数学の問題ではないということだ。

少しネットであたったら、下記の記事があった。
騙されてはいけない143―今起こっている福島原発事故・原子炉格納容器圧力について(2012.01.24)

(炉内圧は)若干高めです。内部で水素が発生した場合にそなえて窒素を封入していて、「高め」でないといろいろな隙間から酸素が流入すると爆発する可能性があるからです。

ただ、困るのは「高め」と言うことは内部の放射性物質(特に揮発性のもの)が外に出てくる可能性があり、防ぐことが困難になります。


このサイトの別の記事では、内視鏡を入れるために逆流防止弁をつけたドリルで穴を開けたそうだ。

これで出口論の疑問は少し明らかになった。多少窒素で加圧してあるとはいえ、容器内はほぼ大気圧だ。ということは放射能をふくむ水蒸気は事実上垂れ流しになっているということになる。ただ量が比較的少ないために拡散されているということだろう。

入 り口論を語るにはまだ材料がそろわない。どこからどのくらい水が注入されているのかという数字が分からない。関係者は水がもう少したまっているのではない かと期待していたようだから、その根拠として何がしかの水が継続的に注入されているはずだ。そして注入量と蒸発量がほぼバランスの状態にあるということのはずだ。



消えた水の行方
なんぼの水を入れれば容器の水面の高さがどのくらいになるかは、中学の数学でも解ける。それが予想外れということは、数学の問題ではないということだ。

少しネットであたったら、下記の記事があった。
騙されてはいけない143―今起こっている福島原発事故・原子炉格納容器圧力について(2012.01.24)

(炉内圧は)若干高めです。内部で水素が発生した場合にそなえて窒素を封入していて、「高め」でないといろいろな隙間から酸素が流入すると爆発する可能性があるからです。

ただ、困るのは「高め」と言うことは内部の放射性物質(特に揮発性のもの)が外に出てくる可能性があり、防ぐことが困難になります。


このサイトの別の記事では、内視鏡を入れるために逆流防止弁をつけたドリルで穴を開けたそうだ。

これで出口論の疑問は少し明らかになった。多少窒素で加圧してあるとはいえ、容器内はほぼ大気圧だ。ということは放射能をふくむ水蒸気は事実上垂れ流しになっているということになる。ただ量が比較的少ないために拡散されているということだろう。

入 り口論を語るにはまだ材料がそろわない。どこからどのくらい水が注入されているのかという数字が分からない。関係者は水がもう少したまっているのではない かと期待していたようだから、その根拠として何がしかの水が継続的に注入されているはずだ。そして注入量と蒸発量がほぼバランスの状態にあるということのはずだ。



さんさ時雨という歌がある。
えらく難しい割にはぱっとしない歌で、どこが良いのか分からないが、仙台では絶大な人気だそうだ。

時雨といえば晩秋の雨だが、この歌では霧のような小ぬか雨という設定である。さびしく冷たくまとわりつく雨が、さんさ時雨ということになるが、そこにはひそやかな恋が溶かし込まれている。

「音もせで来て濡れかかる」と続く歌詞は、濡れたうなじの後れ毛を掻きあげる女の反った指に、おのが顔(かんばせ)を寄せなんとする危ない風情である。
その刹那が見事に切り取られている。

伊達正宗公お気に入りの曲と伝えられているが、元は花街で芸者が歌う小唄であろう。さんさは“さのさ”ではないかという説もあるようだ。ただし二番以降はしょうもないインスピレーションゼロの歌詞である。

しかし私には歌というより踊りが気になっている。
むかしNHKの「現代の映像」シリーズで、東北からの出稼ぎ労働者を取り上げた番組があった。高度成長のはしりの頃だろうと思う。番組の最後、東京の工場街のアパートで、出稼ぎ労働者が物干場かどこかで、作業衣のままで、一人踊る。それを望遠カメラで延々と長撮りしている。それがえらく格調が高い踊りで、仕舞のようにも見える。
カメラは徐々に引いて、とりつくしまのない工場街の全景を映し出し、あのテーマ音楽がかぶさってくるというエンディングだった。

それがさんさ時雨だった。
日本経済はこういう文化や伝統を踏みつけにしながら成長しているのだな、としみじみと実感させられた覚えがある。
それが、東北大震災の記録映像を見ながら、ふと思い出された。

武士が舞をひとさしという景色、もう見れないでしょうね。

赤旗に市田書記局長のテレビ・インタビューが載っていた。
内容がすばらしいので紹介する。
①消費税が10%になると、被災三県で5300億円の税がとられることになる。現在の住民税は4050億円だから2倍以上だ。
②消費税上げても財政は改善しないことは実証されている。97年の9兆円負担増のとき消費が落ち込み、景気も引きずられて落ち込んだ。歳入減少により国と地方の借金は449兆円(対GDP比88%)から645兆円(128%)に膨らんだ。
③財政改善策としては、企業優遇税特例の廃止により1.7兆円、証券取引税を10%から30~40%に、
④法人税“実効”税率はウソで、実際に払っているのはソニー13%、京セラ16.7%、住友化学17.2%しかない。少なくともこれからさらに1.7兆円減税するのは止めよ。

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