(51)古道具屋 (Cambalache)
HP: 石川さんから引用します。「この世の中は豚小屋さ。20世紀は悪がのさばる時代。誰も彼もが泥棒なのさ」という出だしで、怪しげな骨董品を売りつけようとする古道具屋のせりふが続きます。フリオ・ソーサの演奏もありますが、私としてはスサーナ・リナルディが好みです。
Cambalache Nacha Guevara
「ここまでやるか?」とまでに、どぎつく歌っている。これはこれでよい、“エル・ロコ”の大仰さとは違う。胃もたれはしない。Eugenia León canta "Cambalache" Enrique S. Discépolo
この曲を“歌”として歌っているという点で好感が持てる。伴奏も熱演である。ただあまりにも熱演である。el cambalache
こちらがフリオ・ソーサの歌。絵はガルデルだが歌っているのはフリオ・ソーサ。フリオ・ソーサにはもうひとつ音源があるが、映画からの採録で音は悪い。
Cambalache Carlos Gardel
「なつかしのメロディ」から選ぶなら、フリオ・ソーサよりはこっちのほうが良いかもしれない。Cambalache - Adriana Varela
アドリアナ・バレラという歌手は知らないが、間違いなく男だと思う。これは一級の演奏だろう。CAMBALACHE - ENRIQUE SANTOS DISCÉPOLO
Jorge Saldañaという歌手が歌っているらしい。一種アナーキーな陽気さがとりえである。el cambalache
フアン・マヌエル・セラートも歌っている。正統とはいえないが、説得力はある。当然ながら音は一番良い。この曲には「20世紀」という副題があるが、そちらに重きを置いて、文明論的に語るとこういう演奏になる。Ismael Serrano-Cambalache
盗み撮りライブだが、音さえ気にしなければ最高の演奏だ。Raul Seixas: Clipe - Cambalache
ロック版のカンバラーチェだが、意外と良い。この曲は本来はロックなのかもしれない。ただ、どうせロックならもう少しハードにやってほしい。"Cambalache" Enrique Santos Discépolo
ピアソラは自作自演以外はペケである。これはゴジェネチェとの共演だが、それは同じだ。Domingo Cambalache
関係ない曲だが、度肝を抜かれるサウンドだ。このバンド(Emir Kusturica & The No Smoking Orchestra)は絶対ヒットすると思う。
(52)思いの届く日 (El Dia Que Me Quieras)
HP: タニア(リベルター)で何が悪いか、ということです、ハイ。でも、仕方ないことですが、タニアを初めて聞いた20年前と比べれば、高い声は出なくなって、透明感はなくなって、歌に贅肉がついて来た感じは否めません。この歌にはもう少し寂しさと懐かしさが必要ですかねぇ。
Carlos Gardel - El dia que me quieras - Tango
これで決して悪いというわけではありません。むしろこれで決まりといってもいいくらいです。なにせ本家です。El dia que me quieras - Roberto Carlos
ミーハー的に言わせてもらえば、あのロベカルがこの歌を歌ってるなんて、という感じ。恥ずかしながらロベカル・フアンなんです。これは絶品です。どうも彼にとってもこれは“持ち歌”のようです。ATILIO STAMPONE "El Dia Que Me Quieras"
歌抜き演奏もある。これは弦の美しさで際立っている。スタンポーネは「まだ生きてたの?」という感じ。Luis Miguel - El Dia Que Me Quieras
とにかくうまい。説得力もある。「この歌はこんな歌なのだ」と思わせてしまう。この人はメキシコのボレロうたいの中でも出色だと思う。
El día que me quieras (Tete Montoliu & Mayte Martin)
うっとりするような美声だ。伴奏はジャズのトリオ。バルセロナでのライブ録音というが相当近接マイクで鼻息まで聞こえるのがときにわずらわしい。しかし秀逸な一品だ。Bandoneon Tango "El dia que me quieras" Sarita Montiel
サリタ・モンティエルの下品の一歩手前というか、半歩手前の間合いが良い。この曲のベストとはとてもいえないが…El día que me quieras - Andrés Calamaro
決して美声でもないし、相当崩した歌い方だが、変に味があって捨てがたい。伴奏が秀逸だし録音も素晴らしい。一度聞く価値はある。何度も聞きたいとは思わないが…
この手の音源は掃いて捨てるほどある。みんなこの歌を歌いたくてたまらないようだ。