なかで圧倒的によかったのが「プラヤ・ヒロン号を知っていますか」という歌だ。http://www.youtube.com/watch?v=pqkd9aIubY0 には歌詞もギターコードも全部載っているので、腕に自身のある方はお試しいただきたい。
この曲を93年の秋、サンチアゴ・デクーバで聞いた。今でもあると思うが、プラサの一角に外人観光客相手の民謡酒場がある。専属バンドはマタモロスの歌を中心にやるのだが、「何かリクエストはないか」と聞くのでこの曲をたのんでみた。とたんにリーダーは渋い顔をした。そのときバンドの一員で後ろでギター伴奏をしていた若者が、「何とか弾ける」といってくれた。
リーダーに遠慮してのセリフだったのだろう、演奏し始めたらべらぼうにうまい。開け放たれた窓の外には子供や若者が群がってきた。
当時は物資欠乏の時期、酒場と広場の街頭以外は停電で真っ暗だ。そんな暗闇に向かってこの歌が流れて行ったらどんな感じか、想像してほしい。私にとっては一生の思い出のひとつだ。
ついでにパブロ・ミラネスのEl Breve Espacio の元歌も紹介しておく。なおパブロの最高の歌は Yo pisare las calles nuevamente というチリのクーに抗議する歌。このサイトでは英語の訳詩がついている。
メルセデス・ソーサの「開かれた血管」でバック・コーラスを勤めるクアルテート・スーパイは、フォルクローレに留まらない高い水準のグループだ。5年ほど前にアマゾンでCDを注文したが品切れだった。しかたがないのでyoutubeで音源を集めている。Te Queiro El Viejo Matias などがよい。
まったく無思想だがOjos de brujo の Todos Mortalesは気持ちよい。シャキーラ以来だ。ホアキン・サビナのCORRE DIJO LA TORTUGA も良い。