鈴木頌の発言 国際政治・歴史・思想・医療・音楽

中身が雑多なので、右側の「カテゴリー」から入ることをお勧めします。 http://www10.plala.or.jp/shosuzki/ 「ラテンアメリカの政治」がH.Pで、「評論」が倉庫です。「なんでも年表」に過去の全年表の一覧を載せました。

2011年06月

これも5月6日記事の分割

共産党の穀田議員が国会の代表質問で「計画は住民合意で、実施は市町村が主体に、財源は国が責任を持つ」という原則として定式化しているのが注目されます。
石巻商工会議所の副会頭の談話は、前向きに検討すべき内容をふくんでいる。「銀行には企業を助けて地域を豊かにする使命があります。しかし金融機関はむやみにリスクのある貸し出しをしませ ん。…国が信用を補完するべきです」。さらに多くの企業は運用債務が残ったままなので、旧債務を再編成し多重債務化を救済するシステムを創出すべきだと提唱している。
これについても穀田議員が「マイナスではなくゼロからのスタートを」とスローガン化しています。そして被災農地の国家買い上げと再生、漁船の建造・再建に対する全面補助、地域金融機関の焦付き 債権の買取などを提唱しています。

5月6日のブログを分割掲載します。
岩手県宮古市の田老町漁協組合長の談話がなかなか良い。「組合員で編成する"養殖班"で共同経営を行う。漁協が施設の整備、種苗の無償提供、水揚げ予定額を前払いを行う。津波ですべてを 失った今は所得を分配して、何年か後には個人経営を目指します」
復興のカギは「共同経営を通じて個人経営へ」という路線です。共同経営の基礎は①貧しさを分かち合う連帯、②協同組合のイニシアチブと債務責任、③資金の計画的集中的運用にあります。そし てまず単位漁協が自立した上で、政府・地方行政がそれを財政的・金融的にバックアップするという方式です。  組合長を動かしているのは、消費者とのつながりと信頼、ご先祖様への申し訳です。ご先祖様というのは面としての共同体でなく、時系列を積み上げた"敬うべきものとしての共同体"ということでしょ う。

ペルー大統領選挙で左派のオジャンタ・ウマラが当選したようです。
前回選挙のときに書いた「フー イズ オジャンタ・ウマラ」という文章があります。雑然とした文章ですが、かなり詳しく書き込んでいるので、一度目を通していただければ幸いです。
http://www10.plala.or.jp/shosuzki/edit/la/peru/ollanta.htm
ラテンアメリカの左翼化はとどまるところを知らないようです。ただペルーという国は昔から煮ても焼いても食えない国という印象があります。先住民の政治参加が爆発的に進んでいかないと、国家としての一体感が沸いてこないのではないでしょうか。
リマの空港には「Smoking Bar」があって、空気も濃くてビールもうまかった。もうこのご時勢ではなくなっているでしょうね。

NHK日曜討論で、共産党の市田書記局長は赤字国債の発行に反対すると発言した。金持ち優遇税制、TPP推進予算、在日米軍への思いやり予算、これらの削減で復興資金は十分と考えているようにも受け取れる。しかし正確に言うとそれらは国債の返済のための財源となるべきものだ。
経団連の米倉会長が被害はGDP換算で1%前後と述べているが、共産党の評価はそんな甘いものではないはずだ。
たしかに裏づけのない国債を乱発して日銀に買い取らせるという方向では、財政の不健全化はさらに進行するし、一歩間違えれば悪性インフレを惹起しかねない。
しかし復興資金は「ゼロからの出発」を前提とすれば20兆円程度の規模となる。すでに佐々木議員らが大企業の引き受けを前提とする復興債の発行を提案しているが、このことの説明がないと、共産党が国債の発行に全面反対しているかのような印象を持たれかねない。


「政争」の焦点は東電の賠償責任だと思う。きわめて論点が不明瞭で推移しているのは、反政府派が東電擁護の姿勢を隠しているからではないか。
菅内閣がつぶれて誰がなるにしても、東電の賠償責任をどう扱うかを明確にさせなければならない。ここだけはきっちりタガをはめておくべきである。
前にも書いたように資産の総処分、役員個人の賠償責任、株主や債権保有者の責任、東電のみならず原発にかかわった東芝、日立、大手ゼネコンまで含めての連帯責任を明らかにすれば10兆近い金が出てくるはずだ。
それがはっきりするまでは菅首相は退陣すべきではない。政党討論会でも、共産党をふくめて、この話題が持ち出されないのはなぜだろうか。

朝日新聞の切抜きを送ってもらった。5月5日付のインタビューで語るのは東電顧問の加納時男という人。この人は元は副社長で、利益代表として参議院に送り込まれた。
-東電の責任をどう考えますか。
東電をつぶせという意見があるが、株主の資産が減ってしまう。大混乱をもたらすような乱暴な議論があるのは残念だ。原子力損害賠償法には免責条項もある。全部免責しろとは言わないが、具体的な負担を考えてほしい。
低線量の放射線は「むしろ健康にいい」と主張する研究者もいる。私の同僚も低線量の放射線治療で病気が治った。むしろ低線量は体にいい、これだけでも申し上げたくて取材に応じた。
この人は冗談ではなく心から信じているようだ。彼なら避難した人たちの前でも胸を張って「放射能を浴びて良かったね!」と言えると思う。
その隣には自民党の河野太郎氏のインタビュー。こちらは歯切れがよい。
賠償金はいずれ電力料金に上乗せされる。国民が負担するのなら、東電の存続を前提にしてはだめだ。逆立ちしても鼻血が出ないぐらいまで賠償金を払わせるべきだ。


【インタビュー】東電は甘くはなかった=経団連の米倉会長

2011年 4月 6日

あまりテレビを見ないので、内閣不信任案の提出に驚いている。
いかにも唐突だが、民主党の右派まで巻き込んで、相当の規模まで広がっているようだ。
勝つつもりはないらしいが、だとすれば無責任だ。
まったく根拠のない観測だが、東電処理をめぐって、財界が揺さぶりをかけたのではないかと思わせる。「最近の政府閣僚の言動は左にシフトしている」と感じているのではないか。しかし当然ながら、震災対策を現場中心に一生懸命やればやるほど、財界とは遊離せざるを得ない。メディアも吹っ切れたように東電批判を展開している。村井知事も一時期の鼻息は感じられない。共産党も国対の一時のブレを修正した。
とにかくそれだけ国民の怒りは煮えたぎっているのだ。いまどき一体改革か、TPPか、道州制か、
経団連よ、目を覚ませ!

5月31日、各省庁がいっせいに4月度統計を発表した。
まずは生産面からみる。生産の落ち込みが相当深刻であることが分かる。2月にようやく2005年水準近くに回復した生産は3月に80%にまで落ち込んだ。それが1ヶ月たっても上がってこないというのが現状だ。


生産落ち込みの最大の要因は、言うまでもなく自動車。日本自動車工業会の発表では生産が前年同月比マイナス60%、輸出はマイナス68%と壊滅状態である。建設工事は震災復旧関連の大型工事がまだ出ていないためもあるが、4月の受注額としては85年以降の25年で二番目の低さにとどまっており、冷え切っていると見られる。
電子部品出荷額(JEITAによる)は世界向けがマイナス8.7%、国内向けは13%の減。ただしこれは3月分で在庫のなくなっている4月はまだ数字が出せないでいる。
次に販売の統計
サービス業界の月間売上高は過去最悪の10%減。ただしこれは3月分の数字で4万件からの抽出調査。被災4県はふくまれていない。従業員は2%減にとどまっているが、4月5月とどうなっていくか、恐ろしい数が予想される。
次が、雇用・賃金関連。


完全失業者は3月から増勢に転じ、ふたたび300万の大台を乗り越えた。しかし東北三県の11万5千人の休・失業者はこれにふくまれず、深刻化するのはこれからであろう。その指標となるのが雇用調整助成金の申請状況である。
これは経営に困難を抱える企業に休業手当を補填し、人員整理に走るのを防止する制度であり、その申請件数は、今後を見通すうえで間接的ではあるが鋭敏な指標となる。
その対象従業員数が前月比56%増と跳ね上がった。さらに、事業所数が12%増にとどまっていることから、規模の大きい企業に波及しつつあることが分かる。もうひとつの特徴が地域的偏りである。トヨタのお膝元である愛知が前月比2倍30万7千人となり最多勝を獲得した。もちろん被災3県は3~4倍となっている。
こうした中、日本を代表する大企業が真っ先切って首切りを開始しようとしている。パナソニックが1万4千人、リコーが1万人を削減する。トヨタは下請け切りと海外発注の動きを見せている。経団連というのはこういう連中の集まりなのである。
勤労統計調査では2ヶ月連続で前年比マイナスとなった。とくに残業代などの「所定外給与」が3.4%減となったのはこたえる。総務省の家計調査はさらに深刻で、勤労者世帯の実収入はマイナス4.8%まで落ち込んでいる。
これに応じて家計もさらに引き締められた。3月の消費支出は過去最大の8.5%の落ち込みを記録した。4月もマイナス3.0%で冷え込みはさらに厳しくなっている。
要するに、停滞・縮小傾向だった経済が震災を機に、一気にブラックホール的な悪循環に入ろうとする、まさに危機的な状況が目の前に現れているということだ。
政争などしている暇はない。一刻も早く第二次補正予算を成立させよ。復興債の発行を急げ。自民・公明に抗議を集中せよ。





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