11月のOPEC総会は、やや古いせいかもはやニュースの項目からは消えている。

いろいろな思惑が乱れ飛んでの結論だっただけに、事情通の解説がほしいところだが、それもあまりない。

キャッシュで拾えそうなものもふくめて、少し情報を物色した。

とりあえず、ロイターの報道(11月28日付)から。

ウィーンでOPEC総会が開かれた。生産枠をめぐる議論は5時間に及び、相当紛糾した。

最終的に現行の生産枠を維持することで合意した。過剰な生産についてのコメントもなかった。再検討の可能性についても触れられなかった。要するに結論には何のふくみも与えられなかった。

というのが主文。

ついで、会議の具体的な進行経過。

まずベネズエラとアルジェリアが、最大で日量200万バレルの減産をもとめた。これにイランも同調した。

これに対しサウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相が「減産の必要なし」と主張した。これに湾岸諸国が同調した。

最終的にはベネズエラなど生産調整を主張したグループも、これを受け入れた。


以下は各派幹部の意見表明。ただし会議終了後のインタビューによるもの。

「減産」派

ベネズエラのラミレス外相: 今回の決定を加盟国の総意として受け入れる。原油価格が低水準にとどまることで、コスト高の米国産シェールオイルの市場シェアが低下することを望む。

「維持」派

クウェートのオメール石油相: 原油価格がいかなる水準になっても受け入れなければならない。

石油メジャーのOPEC決定への評価

PIRAエネルギー・グループのギャリー・ロスCEO: サウジアラビアがイランやロシアのほか、米国のシェールガス生産者を支援することになる減産を望む理由はない。

市場に原油価格を決定させ、市場で新たな均衡点が見出されれば、価格は上昇に向かうだろう。

ただし、OPECはもはや市場を操ることはできなくなり、今後は原油価格は市場で決定され、価格は明らかに下落するだろう。

ペトロマトリックス・コンサルタンシーのオリビエ・ジェイコブ: 数年後に80ドル以上の水準まで回復させるには、短期的に下値を60ドルとして価格が一段安となる必要がある。

米国のシェールガス開発プロジェクトに歯止めをかけるには、しばらくの間は低価格に甘んじることがOPECの利益にかなう。


ということで、サウジの論旨はきわめて単純にして明快、だから生産調整を主張する国をも説得し得たのだろう。

ロシアがどうであろうと、イランがどうであろうと関係ない、要するにOPEC全体が丸っこくなって頑張ろうということだ。

つまり、これは資源ナショナリズムを下敷きにした「闘争宣言」なのだ。だからベネズエラやアルジェリア、イランも同調したのだ。

それにはOPECの地位低下、市場弱者への転落という事態を冷徹に直視し、アウトサイダーとは市場で闘うという路線の転換がある。

そういう意味では画期的な決定なのだろうと思う。

ただ、そうやって価格競争を展開した末に、アメリカのシェールオイルが苦境に立ったとき、アメリカはどうするだろうか、という時限爆弾が、そこにはある。