とりあえず日本語のニュースだけをさらってみました。いつものことですが、これだけでは背景が読めません。

原油安と経済制裁が挙げられており、それだけでも十分説明可能なのですが、やはりウクライナ問題でロシア政府の軍事支出が膨大になっていると思われ、それが経済を圧迫しているのではないかと思います。しかしそのへんの資料はありません。

原油安の元になっている、サウジの減産拒否についても解説が必要ですが、これはまた別の、それ自体重大な問題なので、稿を改めたほうが良さそうです。

そして一番の関心は、それが世界の経済金融危機に発展する可能性はないか?ということですが、この点について触れたものはほとんど見当たりません。


クリミア編入でプーチンの支持率は85%に達する。

7月 マレーシア機撃墜事件。制裁に消極的だったEU諸国が一気に硬化。

ウクライナ関連の経済制裁。返済期限が1カ月以上の債券の取引が禁止される。黒海海底を経由して欧州中心部につなげる天然ガスのパイプライン「サウスストリーム」の敷設中止。さらに北極海大陸棚の共同探査計画やシェールオイルの共同開発も停止される。

8月 ルーブルの下落が始まる。最初は35ルーブル前後からゆるやかに降下。

10月末 外貨準備高は4286億ドルに減少。経常収支は大幅黒字を維持し、政府債務はGDP日13%にとどまる。

10月末 1ドル40ルーブルまで低下。中銀は10月だけで300億ドルの市場介入を実施。

10月 ロシア石油大手代表、投資が不十分ならロシアの石油生産量は日量100万バレル程度減少するだろうと述べる。

11.05 中銀、市場介入額の上限を1日当たり3億5000万ドルに設定。これまでは無制限だった。

11.10 中銀、為替介入を取りやめると発表。為替レートの自由化を前倒し実施して変動相場制に移行。

11.07 ルーブルの安値が更新。1ドル=48ルーブル。年初から見て50%の低下。食料品禁輸の影響でインフレ率は10%近くに上昇。

11月 OPEC会合、サウジの主導により減産見送りを決定。サウジはアメリカのシェールガスとの安値合戦を念頭に置いているとされるが、背景にロシアやベネズエラの弱体化を狙う米国の圧力があったともされる。

12.02 1ドル52ルーブルとなる。

12.04 プーチンが年次教書演説。投機資本の動きを厳しく批判する。(のみ)

12.15 中銀、原油価格が1バレル60ドル前後で推移すれば、GDPは4.5%縮小するおそれがあると発表。

12.16 中銀、政策金利を10.5%から17%に引き上げ。2ヶ月間に3度めの引き上げ。

12.16 ルーブル相場、市場明けから売りが殺到。10%以上の下落で1ドル80ルーブル台に突入。年初来では50%以上も下落。中銀の外貨準備高は年初頭の5090億ドルから4160億ドルに減少。

12.16 債券・株式相場も急落し、株価指標は2008年以来最大の下げを記録する。

ロシア外貨準備

12.16 ロシア国債のCDS保証料率は550%に上昇。

12.16 ナビウリナ中銀総裁、「しっかりしたレートに戻るには時間が必要だ」と説明し、主要政策金利引き上げの効果を待つ考えを示す。いっぽうシベツォフ第1副総裁は、より厳しい見方を示す。

ルーブル暴落は危機的な状況だ。6.5%引き上げは、「極めて悪い」か「極めて、極めて悪い」かという2つの選択肢の中間の選択だった。1年前でさえ、最悪の悪夢の状況を想像できなかった。近日中に2008年金融危機に匹敵する状況が訪れると思う。

12.16 この日の時点では、ロシア国内に換金、買いだめなどのパニック行動は見られず。

ruble vs dollar

12.16 米経済諮問委員会(CEA)、ロシアの経済政策は深刻だが、米国のエクスポージャーは限定的と述べる。

12.16 欧州株式市場、ルーブルが対ドルで下げ幅を圧縮し、原油価格もやや持ち直したとし反発。ただしロシアとの取引が多い企業は大きく値を下げる。

12.17 ロシアの社債・国債比率が高いPIMCOの新興市場債券ファンド、1カ月のリターンがマイナス7.9%にまで落ち込む。

12.17 アップル、ロシア国内でのオンライン販売を停止。

12.17 モスクワで買いだめの動きが始まる。肉類、鶏卵、牛乳、野菜などは一週間で約20%値上がりした。

東京新聞(大森準記者)による解説(18日)

東京新聞

これは裏話的なことだが、ロシア人は過去の経験から自国通貨を信用しておらず、事実上ユーロとの二重通貨になっている。このため影響は見かけより小さい、との情報もある。