選挙関連の報道のために圧迫されているが、下記のニュースが報じられている。

ユニクロの敗訴が確定 -「過酷労働本」訴訟-

要旨は以下のとおり

1.文藝春秋が「ユニクロの店長らは過酷な労働環境にある」とする本を出版した。

2.ユニクロは出版差し止めや損害賠償をもとめ訴訟を起こした。

3.裁判では一審、二審でともにユニクロ側の訴えは退けられてが、ユニクロは最高裁に上告していた。

4.最高裁は「(本の)重要部分は真実と認められる」と判断した。

5.最高裁は上記判断から、上告を受理しなかった。これにより判決が確定した。

これだけでは事件の背景がさっぱりわからないので、ネットにあたってみた。

1.本の内容

週刊文春「ユニクロ中国『秘密工場』に潜入した!」(2010年4月)と単行本「ユニクロ帝国の光と影」(11年3月出版)

執筆者はいずれもジャーナリストの横田増生氏。出版されたのはユニクロが「ブラック企業ではないか」と世間から疑いをかけられる以前の話である。

国内店舗や中国工場で、店長や従業員が過酷な労働をさせられている。長時間労働が常態化している

現役店長らの話では、月300時間を超えるサービス残業をさせられている。タイムカードを押していったん退社したように装い、その後サービス残業をしている。それを会社側が黙認している

2.訴訟の内容

ユニクロを展開するファーストリテイリングなどが、文芸春秋に書籍の発行差し止めと回収、謝罪広告及び約2億2000万円の損害賠償を求めた。

ユニクロは「真摯に時間外長時間労働の防止に努めている。中国の生産委託工場においても、労働条件を恒常的に監視してきた」と主張した。

3.下級審判決の要旨

東京地裁および高裁判決は「記者の取材内容や経緯からみて、記事は真実か、真実と信じた相当の理由がある」と判断した。そして賠償請求を棄却した。

「真実か、真実と信じた相当の理由」と紛らわしい書き方になっているが、これは国内については真実、国外については“真実相当”と書いてあるのを短縮したものだ。こういう短縮の仕方は良くない。

* 『月300時間以上、働いている』と本で証言した店長の話の信用性は高く、国内店に関する重要な部分は真実。

* 中国工場についても現地取材などから真実と判断した理由がある

というのが地裁の判決文。

最高裁はこの判決を支持した。

『週刊東洋経済』によるレビュー

この記事はさらに生々しい。

* 店長から顔面に頭突きされるなど暴行を受けた。本部の管理部長からも「ぶち殺そうか、おまえ」と言われた。(これは08年に名古屋高裁で争われ、1000万円近い損害額が認められた)

* 社内資料によれば、昨年2月と3月にも部下への「辞めれば、死ねば」「バカ、死ね、使えない奴」といった暴言による懲戒処分が複数下されている

* とにかく業務量が半端じゃないんです。すごいスピード感。仕事がどんどん降ってきて、どんどん動いて、改善を日々繰り返さないといけない。


まぁ上辺だけ見れば、一昔前のモーレツ社員ですね。しかし、むかしは愛社精神という精神的バックボーンがあって、それを基盤にした社員同士の助け合いがあったが、それなしで成果主義だけではキツイでしょう。助け合いの代わりに罵り合いじゃ身がもたない。

多分こけたら一発アウトでしょうね。堅気の商売じゃない。