赤旗で日本エネルギー経済研究所の保坂さんという理事の方にインタビューしている。
ある意味で、小泉大介記者を差し置いての記事だけに、相当の覚悟で載せたものと思われる。
この記事で一番注目されるのは以下の段落。
(これまでアルカイダが国際テロ作戦を展開してきたのに対し、「イスラム国」はイラクやシリアの非シーア派政権をジハードの対象としてきた。しかし8月初旬に有志連合が空爆を開始して以降、「イスラム国」自らが国際テロを加え二本柱の戦略をとるようになった)
空爆で「イスラム国」を根絶させることは不可能ですが、彼らの勢力範囲が今後も拡大していくことは考えづらく、戦線が膠着する可能性が高いと思われます。
要するに長期戦の覚悟をせよということだ。
その際に問題となるのは、「人、モノ、金」だろう。この三方から兵糧攻めする戦略が明確化されなければならない。モノ=兵器は、ひとつは旧フセイン政権の置き土産であり、もうひとつはシリア内戦においてスンニ派諸国からシリア反政府派に渡った武器であろう。これはいずれは尽きると思われる。
ヒトは基本的にはそれほど主要な問題ではないが、イラク(サマラ・ファルージャあたり)のスンニ派から相当数がリクルートされている可能性があるだろう。
カネは、湾岸諸国からそれほど回ったとは思えない。モスルの油田からの上がりが大きなウエイトを占めていると言われるが、どうも実証性に欠ける。
以上から考えられるのは、「イスラム国」にさしたる実体はないということだ。イラク国内に積もった“恨み”を解消し、政治戦線を整理することがもっとも重要だということだ。
イラク国内のスンニ派がシーア派主導の現イラク政権に対して反感を持つのは当然だし、ある意味で正当でもある。ここで挙国一致政権がどれだけ実績を挙げ、スンニ派国民の支持をかちとるか、最低でも中立化させられるかどうかが勝負の分かれ目だと思う。
イラクのスンニ派の人々は元々決して原理主義ではない。むしろイスラム国やアルカイダに対しては反感を持っていると考えられる。彼らを「イスラム国」の側に追いやったのはアメリカとシーア派だ。
クルド人も両派の対立を利用して抜け駆けを計ったから、反感を持たれても仕方ない。クルド民族の高度な自治の要求はそれとして、「イラクは一つ」の線でまとまるべきだ。
ただしそれだけではシリアの問題は解決しない。それはそれで別の面から作戦を立てるべきだ。
それにしてもブッシュのアメリカがいかにイラクを蹂躙したか、いかに国民同士の反目をもたらしたかが、いまさらながらに実感される。「ファルージャの恨み」はどこかで晴らされなければならないのである。