Abarca arrest highlights reform risks in Mexico
The Oxford Analytica Daily Brief ® - Wednesday, November 5 2014
昨日、アバルカ市長夫妻が逮捕された。9月26日の学生失踪事件に関連してものである。経済成長予想は11月初めで2.7%を維持しているが、メキシコ銀行は「最近の社会的イベント」が経済にもネガティブな影響をあたえうると認めた。
政府はこの事件により、国内的にも国際的にも信用を失いかねない。暴力問題を軽視したことで、メキシコへの国際的関心は薄れる可能性がある。
Analysis
今回の事件は慢性的には貧困と不平等、短期的には社会・政治と暴力犯罪の問題を浮かび上がらせた。ゲレロ州はオアハカ州に次ぐ貧困、17%に達する高い文盲率、もっとも戦闘的な教員組合を持っている。
Epidemic of violence
もともとゲレロ州で暴力は当たり前の話だが、この5年間、さらにそれが助長されている。
公務員を狙った政治的暗殺が後を絶たない。去年10月には、チルパンシンゴの連邦警察が襲われ、二人の警官が殺された。福祉や医療従事者も標的とされるようになった。
昔から麻薬業者と州警察とは抗争を繰り返してきたが、最近になって暴力犯罪のチェックは見逃されるようになった。それには二つの要因がある。
麻薬カルテルの戦術が小規模になったこと。これは取り締まりが厳しくなったためだ。そしてもう一つがミチョアカンへの集中取り締まり作戦により、構成員がゲレロに逃げ込んだためだ。
公式統計によれば、ゲレロ州は人口あたりの殺人事件がもっとも多い。63件 per 100,000人だ。 誘拐事件では6位、強盗は10位、つまり取締りによって食えなくなったカルテルが、麻薬取引から誘拐と強盗にシフトしているということだ。
ゲレロ州では教師、人権活動家、環境活動家の暗殺が多いのが特徴だ。これは70年代にこの州で起きたゲリラ闘争を弾圧したことが伝統になっている。
暗殺者が罰せられないのもこの州の特徴だ。2011年にはアヨツィナパの学生二人が殺された。これを機に学生や教師は行動を急進化した。
この2年で少なくとも3人の環境活動家が殺されている。去年は3人の社会運動家とすくなくとも3人の人権活動家が失踪している。これらのケースのいずれもが捜査もされず、解決もされていない。
資料によれば、全国で1,243の秘密の墓地が発見され、多数の遺体が回収されている。
Criminal organisations
ゲレロでは少なくとも4つの地元犯罪組織が地方警察と争っている。すなわちGU、ロス・ロホス、ラ・バレドーラ、アカプルコ独立カルテルである。
これらの組織はあるいは競争の結果として生まれ、あるいは大手カルテルの崩壊により生まれた。時にはミチョアカンのような他州の組織によってもたらされた。
彼らは警察部内に浸透し、あるいは選挙を通じて自治体のコントロールを獲得するようになった。
アバルカがGUの支援を得て市長に選ばれたのは、まさにそのような仕掛けによるものだった。
Political-criminal protection
今の主な懸念は、そうした政治と絡みついた暴力がどこまで成長するかということだ。
ミチョアカン州で示されたのは警察への侵入だけでなく、州政府への侵食を含めたものであった。
ある大学の調査では、300以上の自治体当局への脅迫、暗殺が行われている。メキシコ市長会は来年の中間選挙で暴力的な自治体ポストの簒奪が行われるだろうと警告している。
2012年5月、前回の市長選挙でアバルカと争ったPRDの候補Oscar Diaz Belloは、PRDの有力政治家オブラドールが犯罪組織と関わりを持っていると警告している。
2013年10月 PRDのなかの「民主左翼」は連邦政府に証言した。彼らはアバルカの手で活動家が複数暗殺されていると主張した。
2014年3月、ゲレロ州の裁判弁護オフィスは、連邦検察局に、市長の政治的殺害への関与と責任に関する詳細な事前調査を手渡した。
Resisting responsibility
現在の危機にいたるまでの間、国家と連邦当局は、犯罪についての司法権を認め責任をとることに抵抗してきた。
10月7日までに、連邦政府は責任をもって解決に当たり始めた。しかし州知事を解任し、無所属のRogelio Ortegaを知事代行に任命するまでにはさらに10日を要した。
2015年の選挙についての計算が、PRD指導部を躊躇させている。それが連邦政府の煮え切らない応答を説明している。しかし双方とも間違っているだろう。
そのような対応は高い代償をもたらすだろう。
Pena Nieto政府は危機が国家機関とメキシコの社会に対する大きな試練であることを公然と認めた。
両親との大統領の5時間の会談、その結果としての10項目合意危機を解決するのには十分である。しかし国家の信頼を取り戻すために十分とはいえない。
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