プラン「ハワイ部屋」
実は小生、現在風邪のまっただ中である。
まさしく「患者の立場に立って」いる。
一番感じるのは温度感覚の違いである。
25度でも寒い。
多分正常時と3~5度位、至適温度が上がっているのではないかと思う。
本日は早退して、家でストーブをつけっぱなしでロキソニンを飲んで寝ていた。
3時間ほど寝て、眼が覚めたら汗ぐっしょりだった。
ストーブが真っ赤になっている。室温はなんと35度になっていた。
暑いが気分は爽快である。のどはカラカラだが、のどのイガイガは消えている。
ふつうは気温35度といえば熱中症になるほどの暑さだが、さほどの不快感はない。

そこで考えてみた。
蛋白が熱によって変性・凝固するのは40度を越えた時である。
しかし、その80%程度の温度というのは、本来生物にとって至適温度ではないだろうか。
それが高過ぎるのは、人間が恒温動物になっているからではないだろうか。
地球上で年中30~35度の高温が期待できるのは熱帯の限られた場所だけだ。人間は寒い所に適応することによって生存世界を広げてきた。
だとすると、人間が死ぬ最大の理由は寒いところへの適応の手段が破綻するからではないか。
発生学的には動物は変温動物だった。それが恒温動物に進化することによって住む世界を広げてきた。恒温性が破綻した時、人間は変温動物に里帰りする。
だったら、とりあえずは病気のあいだでも変温度物になりきればいいのではないか。

いいかい、車の暖房が壊れたからといって車が壊れたわけじゃないんだ。暖房が壊れたら、シベリアでは使えないかもしれないが、タイやインドネシアなら十分使えるんだ。
またシベリアに戻って活躍したいんなら、その間に暖房治せばいいだけの話じゃないか。

ということで、風邪の人を“プチ熱帯”に送り込んだらどうだろうと考えた。名づけてプラン「ハワイ部屋」だ。
いまは、風邪の人をアコーディオンカーテンで仕切って作った空間に隔離している。それは浮浪児の収容と同じで、ただの“隔離”だ。これはたんなる警察的対応であり、患者の人権は二の次だ。
しかし隔離部屋が隔離ではなく、治療部屋であればそれは一石二鳥となる。

むかし「トリスを飲んでハワイに行こう」という歌が流行った。風邪になったらハワイに行けるとなれば、まんざらではない。

ハワイに行ったら、みんな砂浜でワニになる。体温は人任せ、気持ちいい温度が至適温度だ。インターネットでハワイの気候を調べると、1月が24度、8月が29度というところ(ただし最高温度)。これは恒温動物にとっては至適かもしれないが、変温動物にはもう少し高いほうが良い。28~30度位でどうだろうか。
ここに24時間から48時間もいれば、ウィルスも駆逐され、大抵の人は生き返るのではないかと思う。

しかし、今の私にはハワイではちょっと物足りない。天井から露が滴り落ちるようなアマゾンの「マナウス部屋」のほうが良いかもしれない。気温が30度から32度。1ヶ月の降雨日数が9日~21日。ここでは人間以外のあらゆる生き物が元気そのものだ。