早いもので、もう老健施設長となって4度目の冬を迎える。

この時分、一番神経を使うのが風邪の流行である。

一年目は大したことはなかったが、二年目がひどかった。おそらくRSVの大流行の煽りを食らってパンデミックと化した。

50%を超える入所者が風邪を引いて、二桁を超える人が肺炎となり医療機関に入院をお願いする羽目となった。

この流行は施設の経営にも甚大な被害をもたらした。直接の医療費増加もあるが、入所者数の減少がその後1年にわたり続いたのである。

私は経験的に施設の温度こそが流行の最大の原因と考え、スタッフに口を酸っぱくして訴えているのだが、悲しいかな雇われ施設長の指示はなかなか聞いてもらえない。

これは管理部の責任も大きいので、実は現場のスタッフには温度感覚がないのである。現場の仕事はほとんど肉体労働だから、多少の低温は気にならない。温度管理を現場感覚に任せておいてはダメなので、温度が下がった場合のマニュアルを決めて置かなければならない。

毎日いくつかのポイントで温度を測定し、何度以下になったらボイラーを入れ、部屋のスチームのメモリをMAXに変更し、特異的に低いところにはスポット暖房を投入する必要がある。

室温が高すぎれば下げる方法はいくらでもある。しかし低すぎる温度を上げる方法はないのだ

これを実施し始めて、去年はかなり改善できた。しかし喉元過ぎればということもある。

また一度ねじ巻きをしなければなるまい。