時節柄あまり良い例えではないので気が引けるが、「歴史を偽造するものは誰か」を読んだ感想。
可愛い女の子がいて、近所に変質者がいたとする。
この子をとっ捕まえて、嫌がるのを無理やり車に押し込んで連れ去る。これは立派な誘拐だ。
しかしキャンデーをあげて、「もっと欲しかったらついておいで」と騙して連れ去ったら、これは誘拐ではないのか?
確かに誘拐という行為は、強制を伴うわけで、連れ去る行為において誘拐行為であったか否かも問題にはなる。しかしそれは事の本質ではない。誘拐の本質は監禁にある。もっと言えば監禁して慰みものにしようという邪悪な意志にある。
もし少女誘拐事件で裁判になったらこういうことになるだろう。
暴力的に連れ去ったのではなく、自発的についてきたのだとしたら、それは情状酌量の余地を残すだろう。しかし誘拐罪という罪名はそれによって消え去ることはないだろう。

それでは下記のような事例はどのように判断されるだろうか。
「帰宅する途中、釜山駅近くの路地で日本人と朝鮮人の男性二人に呼び止められ、『倉敷の軍服工場にお金を稼ぎに行かないか。』と言われ、承諾もしないうちに、船に押し乗せられてラバウルに連行された」
「『日本人の紹介するいい働き口がある』と聞いて行ったところ、日本人と朝鮮人に、芙江から京城、天津を経て〈中国各地の慰安所に〉連れて行かれた」
「日本人と朝鮮人が来て、『日本の工場に働きに行けば、1年もすれば嫁入り支度もできる。』と持ちかけられ、断ったものの、強制的にラングーンに連れて行かれ、慰安所に入れられ〈た〉」
「日本人と朝鮮人の青年から『金儲(もう)けができる仕事があるからついてこないか。』と誘われて、これに応じたところ、釜山から船と汽車で上海まで連れ て行かれ、窓のない三〇ぐらいの小さな部屋に区切られた『陸軍部隊慰安所』という看板が掲げられた長屋の一室に入れられた」
これらはすべて強制連行と認定されている。  広島高裁判決(2001年3月29日)

ついでに下品な話。むかし学生時代、こういうヒソヒソ話があった。「強姦するとき、ハンカチ1枚下に敷いてあれば和姦で、強姦にはならない」
「まさか?」と言わせるための「都市伝説」だが、もし、まじめに考えている人がいるとすれば、それはほとんどキ印である。それが世間の常識ではないだろうか。