道東地方の酪農経営について、赤旗によくまとまった記事がある。独断で編集して紹介する。

1.酪農家の離農が加速している。
「JA道東あさひ」という大規模農協があり、根室管内の別海町を中心に583戸の酪農家を組織している。この農協で昨年だけで22戸が離農した。
最近の特徴は、後継者の候補がいる農家、働き盛りの農家の脱落だ。「あさひ」の組合長は、「団塊の世代が高齢化する、これからの10年がヤマだ。109戸が離農する可能性がある」と語る。

2.牛乳生産が減少に向かいはじめた
離農者はこれまでもたくさんいた。それを周辺農家が吸収し大規模化することで生産は維持されてきた。つまりそれは酪農業の集積過程でもあった。しかし最近では離農者の生産を吸収できなくなっている。
「JA道東あさひ」の牛乳生産量は前年に比べ3.7%減少した。搾乳頭数は年間1千頭のペースで減少している。

3.離農を加速する3つの理由
ひとつはエサ代の高騰や燃油価格の上昇に伴う経営悪化、ひとつは過重労働、そしてもう一つが将来不安の深刻化だ。
*道東の酪農は巨額のインフラ整備を始め、いわば国策として展開してきた。酪農家には多額の補助金が投入されてきた。「借金も実力のうち」というが、さすがに、それは酪農家に重い負担としてのしかかっている。
*酪農家の長時間・重労働は以前から知られているが、かなり機械化により改善はされてきた。しかしそれを上回るテンポで大規模化が進んだということか。「朝夕の搾乳に10時間、家族3人で年間8千時間という長時間労働になっている」というのが組合長の話。
*酪農の施設整備には1億から1億5千万が必要だという。つまり酪農経営は拡大しなければアウト という世界だ。しかしTPPや日豪EPAなどの外圧は、新規投資をためらわせる に十分なものだ。