連休の後の赤旗をまとめ読みする。
日曜日の読書欄には、食指をそそる言葉がいくつか登場する。
ひとつは「スノーデン・ファイル」という本の紹介。
NSAは世界中のデジタル通信のサーバーや光ファイバーに直接アクセスしてその大半を入手している。
これには米国の秘密裁判所FISAの許可まである。
技術の進歩で、アクセスの履歴から個人の性向を探り出し、大量の通信記録からマッピングという手法で、人的コネクションをあぶり出すことが可能になっている。
と書いてある。秘密裁判所FISAとは何だ。初めて聞く名だ。

次が、集英社新書「資本主義の終焉と歴史の危機」という肩のこりそうな題名の本。水野和夫さんという人が書いているそうだ。
ゼロ金利は、16世紀イタリアのジュノバにおける超低金利=利子率革命が、封建制から資本主義への転換のサインだったように、「資本主義の死」の兆候ではないか。
超低金利は、新しい投資先がないこと、成長のフロンティアがもはやないことをしめす。
電子・金融という空間に成長の新天地がもとめられたが、すでに破綻した。新興国の成長も遠からず終わるだろう。
人類は「成長」を不可欠とする資本主義から卒業しようとしているのではないか。
それでも無理に「成長」や「利潤」を追求すると、そのしわ寄せが格差や貧困という形をとって弱者に集中し、中間層が没落することになるだろう。
これからは「脱成長」戦略に切り替えなければならない。国際的な法人税増税と金融取引税、正社員を原則とする雇用システム、ゼロ成長でも維持可能な財政制度の設計がもとめられる。
まことに面白い提起だ。未来社会=社会主義の経済的基盤は、一面では「脱成長」にあるのかと思わせるものがある。ジュノバの利子率革命というのがよく分からない。利子率の歴史は資本論第三部にも述べられているが、そこにはなかったような気がするが。

次が積山洋さんという人の「東アジアに開かれた古代王宮 難波宮」という本。
とくに孝徳天皇により造営された最初期の難波宮の画期性が強調されている。
内裏の南に広大な朝堂院が配されていた。ここには14堂にもおよぶ多くの朝堂が建てられ、画期的な構造だった。
石井光太さんの「浮浪児1945-戦争が生んだ子どもたち」(新潮社)という本。本がどうこうというより、西村滋さんという人の書評がすごい。この書評は原書より西村さんの本の方を読みたい気にさせる、ルール違反の書評だ。