フランクの交響変奏曲なんてつまらない曲だ、と思っていた。

ところが何気なくアリシア・デ・ラローチャの演奏を聞いて、俄然感想が変わった。

強情に最後まで遅めのテンポと弱音で通す。そして一つひとつの音にゆたかなニュアンスと陰影を施す。「なんじゃぁ?」と一瞬のけぞる感じだ。

もともとピアノ独奏と伴奏がまるで合わない音楽だが、この演奏ではそれがさらに際立つ。ほとんど管弦楽はいらない感じだ。

だいたいが変なCDで、ラフマニノフの3番の埋め合わせに使われている。ラフマニノフがプレヴィン指揮LSOなのに、こちらはフリューベク・デ・ブルゴス指揮ロンドンフィルで一段格下だ。とくにこの時期のロンドン・フィルならやる気ないし…


調べたら、この演奏は元々1972年の録音で、ハチャトリアンのピアノ協奏曲とセットになっている。

たしかにこの組み合わせでレコードを買おうという人はそういないだろう。渋いといえば渋いのだろうが、売れ線ではない。「誰の趣味でこういうレコードが出来たのだろう?」と思う。しかし、このハチャトリアンも存外良いのである。

私の読みとしては、アリシアのプッシュでレコード化されたのではないか。