鈴木頌の発言 国際政治・歴史・思想・医療・音楽

中身が雑多なので、右側の「カテゴリー」から入ることをお勧めします。 http://www10.plala.or.jp/shosuzki/ 「ラテンアメリカの政治」がH.Pで、「評論」が倉庫です。「なんでも年表」に過去の全年表の一覧を載せました。

ハイパーインフレの原因についてはベネズエラ大使館は下記のように説明している。正確には下記のように説明した論文を紹介している。

日本語訳がややわかりにくいが、英語を読むよりはまだ良いかと思って読み始める。

1.おおっぴらなダフ行為

ベネズエラは為替相場は固定されている。昔の日本のように1ドルが360円なのだ。ところが公定レートあるところかならず闇レートが存在する。

闇レートは、行列に横入りするようなもので、そもそも犯罪であるが、強烈な需要がある場合は必要悪ともなる。

闇レートはその成り立ちからして、それほど大きな規模ではない。したがって乱高下はするがだからといって表経済にはさほどの影響はないはずである。

たぶん、そういう常識はもはや通じなくなっているのであろう。

文章は最初から意味がわからないが、

政府はGDPの35%を年間輸入可能量とし、これに相当する外貨を輸入業者に割り当ててきたらしい。ところが輸入業者が輸入した商品をいくらで売るかは輸入業者に委ねられている。

そこで輸入業者はこういうことをする。

輸入に必要なドルを確保するときは、公定レートで政府から受け取る。しかしそれを販売するときは闇レートに換算して値付けして、販売するということである。

ごく普通に聞けば、これは犯罪である。どのような価格設定をしようと売れなければ仕方ないので、そのへんは普通には(ルイビトンを百ドルで売ろうが千ドルで売ろうが)市場の論理であるが、ドルの割当というのは誰でも獲得できるわけではないので、そこには競争原理は働いていない。

これだと、許認可をめぐる関係の不透明性が強く疑われ、元売りから小売に至る流通のいたるところに恣意的契機が存在するであろう。

ついで論文は、状況をわかりやすくするために例を上げているが、そこにはありえない話が展開されている。

自動車のスペアを輸入する会社が、国から公定ルート、つまり1ドル=10ボリバルで外貨を受け取って製品を購入したとする。(文章では公定ルートではなく「優先的な為替レート」と書かれている)これを国内で販売するときには、闇ルートである1ドル=1,000ボリバルを使用する。

もうこれだけで唖然とする話だ。

しかし話はこれで終わらない。話はさらに進む。


2.ヤミ社会が金融を仕切る

これは以前より続く状況である。しかし2006年以降、事情は変わった。

ブラックマーケットでの推定為替レートが一般社会に拡散されるようになった。3つから4つのウェブ・サイトが毎日、ヤミ為替レートを公表するようになったのだ。

このレートは、実体経済の動向にも、外貨準備の水準にも、通貨ボリバルの供給量にも応じていない。それは恣意的で、操作された、不均衡なレートである。

論者はこう言って嘆く

2006年以降、為替レートの変動理由とされてきたのは、変わりやすい政治である。ベネズエラで何らかの選挙プロセスの日程が示されただけで、この種の為替レートは急騰し始める。選挙が終わると、変動はまだ収まりはしないものの緩やかとなる。同様の動きが、政治情勢に合わせて観測される。

3.ちょっと私の意見

私はここまでの論者の為替相場論には賛成できない。気持ちとしては分かるが、為替相場というのはそういうものだからである。方程式の解ではなく生き物として扱わなければならない。それがどう動くのかをよく研究して対応していくしかないものだ。

固定レートなど一時の杭にしか過ぎないので、それを永久的なものと捉えるのは許せない間違いである。

ただし、投機資本の介入による売り浴びせなどに対しては、国際協調のもとで一定期間の為替レートの凍結も必要となる。ただしそれは97年のマハティールのごとく、国家主権をかけた大勝負となる。

ベネズエラにはそのような選択肢はないから、いずれデノミと変動相場への移行が必要になるだろう。

4.為替レートとインフレ

為替レートの変動を経時的に見たグラフがある。以下の説明がある。

次のグラフを見ると、「違法な対ドル闇レート」の政治的なサイクルがわかる。2012年から変動が激しくなっており、さらに2015年12月の国会議員選挙直前にはさらに大きく動いている。

これらの影響とダメージがインフレ率に及んでおり、2012年8月から現在までで14,640%と犯罪的に上昇している。

 161205_01

この為替操作は、物価上昇を引き起こすだけではない。生産水準、したがって雇用水準にも影響する。

5.べつに「供給ショック」でも何でもない

著者はこのあと、次のような議論を展開していく。

この為替操作が経済を歪めるメカニズムは、供給ショックとして知られており、次のように起こる。

1.違法なマーケットで為替レートを不均衡に操作する。

2.輸入を行う大規模な独占企業や寡占企業が、操作され違法にウェブ公開された為替レートを参照して国内価格を決定する。

3.経済の中で生産・輸入されるあらゆる財やサービスのコストが上昇する。

4.コスト上昇に伴い物価が上昇する。つまり誘導されたコスト増による、誘導されたインフレである。

5.労働者の実質的な給与が減少する。つまり、家庭の購買力が低下する。

6.家庭は家計の見直しを余儀なくされ、優先順位がさほど高くないもの(娯楽、衣服、靴等)から順に、多くの財やサービスの需要を縮小させる。インフレの程度と場合によっては、生活必需品の必要量まで縮小する。

7.需要の縮小により中小規模の事業者、特に生活で優先順位があまり高くない財・サービスを提供する事業者が影響を受ける。

8.これら事業者は従業員者数を減らす必要に迫られ、雇用水準に影響が出る。

9.家庭の購買力はさらに低下する。これはインフレ率の誘導された上昇だけでなく、失業にも起因するものである。

10.経済に多大な影響を与える悪循環が始まる。違法な為替レートの犯罪的操作により、物価が急騰し、生産が減少し、中小規模事業者の損失、ひいては失業に繋がるサイクルである。

わかったようなわからないような話である。

たぶん、こんな「風が吹けば桶屋が儲かる」式の話は意味がない。

要するに新手の犯罪なのだ。経済学的事象ではないのだ。主犯は大手輸入業者であり、闇レートの作成者ではない。
大手輸入業者は、金融官僚のおろかさにつけ入り、固定レート制度の弱点を利用し、闇レートの作成者に値を吊り上げさせ、その値段で商品を売りまくっているのだ。にも関わらず財務警察も独禁制の運用者も知らぬふりしているのだ。こんなにひどい犯罪はないのだ。
6.犯罪は罰せられなくてはならない

基本的に相互の善意に基づいて成立している商契約を、一方が明らかに悪意を持って裏切っているのだから、契約は破棄されるべきだ。他に代替業者がいないのなら、仕方がないので条件をつけて再契約するしか無いだろうが、その際にはいったん預けたドルをドルのまま返却させるべきだ。あるいは闇レートの現在の時価(ボリーバル)で返納させるべきだ。

わからないのだが、生活必需品の海外での購買と国内での販売を業者に託す時点で、入札は行われているのだろうか。契約内容は公開されているのだろうか。

論者も最後にこう書いている。

国、つまり政府だけでなく国が、外貨割り当てを受けている大規模な輸入業の独占企業に対してより大きな統制と管理を敷くことが急務である。国民が外貨割り当てに関する情報について、どの企業が割り当てを受け、どのような製品を輸入するのにどれだけ費やしたのか、どのレートで外貨を受け取ったのか、知ることが重要である。輸入事業者に対して、国からどのレートで外貨を受け取ったのかを包装に明記することを課した公正価格法第6条を守らせる必要がある。緊急に独占禁止命令を適用しなければならない。

この記載は十分正しい。だから以下の結論は逆に納得がいかないのである。

ベネズエラ国民に対する大規模かつ犯罪となる違法為替レートの操作と戦うことは、今日では単なる経済課題ではない。平和と民主主義の安定を確保する手段であり、平等と社会的正義のモデルに向けて歩み続けられるという希望である。

私にいわせれば、「違法為替レートの操作と戦うこと」は、実はどうでも良いことなのだ。むしろ大規模輸入業者の不正を取り除いたあとでは、「必要な悪」だとさえ言える。このような不正の土壌を形成したのが、不自然・不必要かつ長期にわたる固定為替制度なのだから、経済担当者はそのことを肝に銘じるべきである。

「ベネズエラ: 隠された動機」というビデオがある。
大使館ご推薦のものだ。
全部で37分、政府側の言い分を一通り網羅している。
ただし全部を見ろというのは一般の方にはしんどいだろう。
とりあえず、紙上ダイジェストみたいな形で紹介しておく。画像はビデオの静止画像を読み込んだものなのできわめて低クオリティーであることをお断りしておく。

最初がベネズエラの石油専門家のインタビュー。ここでは1980年までベネズエラが世界一の産油国だったことが語られる。彼はベネズエラが今なお世界の埋蔵量の17%をしめると言うが、それはどうでも良い。
ついで歴史学者が歴史から語り始めるが、ここは省略。
いろいろ語られたあと、チャベスによるクーデター未遂事件が語られる。
ついでロック歌手が登場し、なぜチャベスが嫌われるのかを語る。ここからが見どころだ。

チャベスは貧者(国民の8割)の英雄
チャベスは影の人々に光を当てました。8割の人が貧しく、4割は極貧でした。
チャベスは彼らに発言権や投票権を与えました。
それが彼らには我慢ならなかったのです。
チャベス漫画
これがベネズエラ政治を考える上での一番の基本だ。そこを分かっていない人は討論の場からは外れてほしい。(これは私の独り言)

反政府デモと暴力
ついで、反政府派のデモの実態を告発する。
野党は直接暴力に訴え、軍隊にクーデターを呼びかけています。それが祖国への愛だと若者を洗脳しています。
反対派のデモは憎しみや叫び、侮辱・破壊行為、焼き討ちばかりです。以前はこんな狂気の沙汰はありませんでした。
クリニック襲撃

反政府派は犯罪者の武装集団にお金を払って混乱状態を作り出しています。
若者や仲間までもが自家製の武器で殺されています。
バス焼き討ち
地下鉄や学校が攻撃され、大学が破壊されました。

メディアとでっち上げ
画面は代わって、国内外のメディアに対する批判に移る。メディア関係者の女性の発言。
すべての情報源の中に偽のベネズエラ像があります。多くの「ベネズエラ専門家」が誕生しました。
メディア批判
新聞記者たちはこう指示されます。「ベネズエラに行って、飢餓や食料品をもとめる人々の列、医薬品の不足を記事しなさい。
メディア批判2
外国人特派員は命じられた記事を書くために来るのです。高速道路やカラカスの幹線道路で、反対派が行っているデモ行進の映像もそうです。メディア批判4

国際メディアの報道しないこと
でも国際メディアの報道しない多くのことが起きています。報道されない理由は特派員たちの能力不足ではありません。彼らは別の指示を受けてベネズエラに来ているからです。
でもこの国で唯一のことを見逃しています。それは底辺に生きる人々のエンパワーメントです。
だからこそ、マドゥーロ政権やチャベス前政権は転覆されなかったのです。
今の政治になってからの変化で、もっとも重要な点は、人々が政治について理解するようになったことです。
ベネズエラ周辺の他の国で、人々が政治について議論することはありません。
国際メディアがそのことについて報じないのは、明確な意図があるからです。
この国への攻撃あるいは介入の次の段階のための世論を構築するためです。
それはもう始まっています。

モノ不足と人道問題
ついで別の人物とのインタビューで人道問題について語られる。
反対派が人道危機のテーマに固執する理由は、人道国際法には人道的介入という概念があるからです。
つまり深刻な飢餓やテロ災害に苦しんでいる国には、「人道介入」という名の介入が許されるからです。
モノ不足
ボリーバル大学の経済学者は語る
ただしいくつかの基礎食糧についてはその生産の8割が2~3社の手に委ねられています。とうもろこしの粉、米,コーヒー、砂糖などです。
1980年代や90年代に比べてベネズエラの生産レベルは向上しました。
食料品をもとめる列や価格高騰の原因は生産量が減ったからではありません。
もし生産量が問題ならなぜ闇市場では手に入るのでしょう。誰かがそれを生産したか、輸入したかでしょう。
国は外貨の95%を石油の輸出から得ています。
そして民間部門の輸入用に外貨を優遇レートで提供しています。
しかし民間部門は輸入価格を国内通貨に変える際に、優遇レートではなく、一番高い闇市場のレートを使用します。
闇市場の相場は不正に操作され、選挙など重要な政治日程に連動して動きます。
医薬品の話をしよう
国は2014年に医薬品業界に対して医薬品の輸入費用として25億ドルを提供しました。その前の年から医薬品が不足していたからです。
その10年前、2004年の提供額は9億ドルでした。医療予算は3倍近くに膨張しましたが、10年間で病人がそれだけ増えたわけではありません。これは外貨の割当の問題でも外貨不足の問題でもありません。
2012年以降、石油価格の下落により外貨は減っていますが、民間への外貨割当はずっと高いレベルに維持されています。つまりモノ不足の原因は別なのです。
モノ不足2
こうした経済攻撃は国民に向けられたものです。経済にではありません。政治的意図が込められています。
薬が入手できないと人々を不安にさせ、社会を不安定化するのです。

モノ不足3
まず「事実」を作り上げる
この経済戦争は心理的な戦争と情報による戦争を伴っています。まず「事実」をつくりあげ、次にその責任を転嫁します。
社会主義モデルが失敗したからだと心理的に訴える情報を流すのです。その際、市場を操作したことは隠したままです。
おなじことがアジェンデ政権下のチリでも、1970~73年に起きました。生活必需品をもとめる長蛇の列。
しかし生産も輸入も滞ってはいませんでした。アジェンデ政権が倒されるとモノ不足は解消されたのです。
ニクソン大統領自身がこう語っていました。「政権を弱体化するために経済を破壊する」と。
資本主義とは異なる体制の政府が強化され、成果を上げることを拒むためでした。

次のインタビューはスペイン人で欧州議会議員の人。
反チャベス勢力は「失敗した国家」というイメージだけでなく、暴力的な反対勢力を支援しました。経済戦争も仕掛けました。
わたしたちの主張は「陰謀妄想論」ではありません。彼らはアジェンデ政権に行ったのと同じ経済戦争を仕掛けています。
ベネズエラはキチンと代価を払ってきています。しかし製薬業界や大企業は国民に医薬品を供給していません。
高血圧症など国民が必要な薬がなくなっています。
それは「失敗した国家」だと烙印を推して介入するための準備です。地域統合という、ベネズエラの政治計画を拒むためです。

このあと反米宣伝が続くが、ここは省略する。

ゴールはチャベス政治の破壊
そして、謎の人物が出てきて政権打倒の計画を明かす。
政権を内部から倒せなければ、「人道的な危機」を作るのです。
これ以上の流血や隣国への拡大を防ぐため、善良な人々はこういうでしょう。「広域の安全に関わる問題だ。すぐに行動しなくては!」

最後はチャベスの演説の一説。
「もうたくさんだ。我々はいかなる犠牲を払っても自由になると決めたのだ」

ベネズエラ関連のレポートを2本並行して書いていたのだが、お釈迦になった。
どうも実態がよくわからない。とくに突如起こったハイパーインフレが解明できない。実体経済のパフォーマンスとあまりにもかけ離れている。

そこから振り返ってみると、そもそもベネズエラ危機の理由がうまく説明できていない。
何ごとも原因があって結果があるものだが、ベネズエラ危機にはどうもはっきりした原因が見当たらない。
原因というのは普通経済的なもので、景気が悪くなったり生活が苦しくなったりすると国民が苛立ってきて何かと諍いが起きて、それが政情不安へと結びついていくわけだ。
ベネズエラの場合、とんでもないインフレが起きてこれが国民の不満に結びついているのは良く分かる。
しかし、そこから先がよくわからない。
一番わからないのは、どうしてこんなインフレが起きたのだろうということだ。インフレが起きる最大の理由は物不足だ。
たしかに物不足はある。原油価格が下がって外貨が手に入らなくなったからだ。しかしそれだけなら、やがて需要が縮小してそれなりに均衡が取れるようになる。どうしてベネズエラが南スーダンに次ぐ世界第2位のインフレ国になったかの理由にはならない。
政府が通貨を乱発すれば、供給過多になりインフレを起こす。これはかなりインフレを起こす理由になったようだ。ひょっとして債務危機を通貨乱発でしのごうとしたのであろうか。

もう一つは時相のズレだ。
はっきりしたハイパーインフレは2017年になってからのものだ。経済・政治危機はそれより1,2年早く発生している。
どうも、このハイパーインフレには人為的な匂いがする。誰が、なぜ、どうやって引き起こしたのだろうか。このことがわからないとそもそも記事が書けないことになる。
日本語で、この辺に触れた記事があるだろうか。まずはそこから探してみよう。
あとは、ベネズエラ政府側の言い分がほとんど報道されていないのが気になる。ひょっとするとハイパーインフレにはベネズエラ政府側の意図が隠されているかもしれない。
例えばキューバのような「二重通貨制」への移行だ。



ベネズエラのカトリック教会は恐ろしく下品だ。
2016.12.6 の「Crux」紙の紙面に、バチカン特派員の記事としてこんな記事がある。
「大量虐殺を終わらせて!」ベネズエラの人々、バチカンで和平実現訴え
以下、要点を転載する。
ベネズエラでは毎12分から18分に一人が殺されている。何年も続く独裁政治と経済失政から、絶望的な人道危機が起きている。
レオポルド・ロペスを含む政治家、活動家、学生たち107人は、政府に対する平和的な抗議デモを指導したあと、2014年2月に収監された。国連人権高等弁務官事務所やアムネスティー・インターナショナル、ヒューマン・ライツ・ウオッチなど国際的な人権保護機関、団体が彼らの釈放を求めている。
「彼らは餓死寸前です。病院には資材がなにもない。がん患者は、政府が薬の輸入を港で止めているために、救われるはずの命を落としている。そうしている間に、12分か18分おきに、1人の命が失われているのです」と、レオポルド・ロペスの母親は窮状を説明した。
ベネズエラのカトリック司教団の「正義と平和委員会」は、12人の若者がマドゥロ大統領が作った人民解放軍によって殺害されたことを明らかにした。
12人は人民解放軍の手で拉致されていたが、11月28日に遺体となって発見された。

(バチカンは複雑なようだ。アルゼンチン出身の教皇フランシスコはチャベスたちと結びつきがあった。いっぽう、ベネズエラの最高位にあるカルドーゾ枢機卿は徹底した反チャベスで知られている。もちろんフランシスコは国内問題には口を出せない)

「12分から18分に一人が殺されている」とか、「マドゥロ大統領が作った人民解放軍」が大量虐殺しているなどという途方もない情報が、根拠もなしに世界中に発信されているのだ。
まずはこの事実を認識しなくてはならない。世界のメディアは2002年4月に世紀の大デマの中で実行されたクーデターについて、いまだ何の反省もしていないのだということを、心に留めなければならない。

ニューズウィークというアメリカの雑誌があって、タイムスよりは多少マシだが、決して親ベネズエラでも進歩的でもない雑誌だ。

しかし、日本の某進歩紙よりははるかに筋の通った議論を展開している。ちょっと紹介しておこう。
8月6日の記事で、某進歩紙がこう表現した時期に書かれている。
マドゥロ大統領が8月に発足させた制憲議会は、野党主導の国会の立法権を剥奪。大統領は事実上、全権掌握を宣言し、野党リーダーの迫害や与党内の政敵の排除を続けています。
この文章を念頭に置いて読んで下さい。

現在の経済危機の原因は?
単純な答えを言うなら、チャベスとマドゥロ両政権の浪費だ。行政に抑制と均衡の仕組みが存在しない。
しかしこうした問題点は、全て、民主主義時代(1960~2000年)のベネズエラにも存在していた。
チャベス以前にも存在したこうした問題点が、経済危機の結果とあいまって、二大政党制を崩壊させた。
それはなぜ起きたか。私に言わせれば、二大政党が貧困層のために何もしなかったからだ。二大政党制は非常に腐敗していた。予算もないのにカネを使い、多くの問題を引き起こした。
インフレの原因は?
今の政府が紙幣を乱発したからだ。それでインフレが発生した。今年のインフレ率は720%に達すると予測されている。
チャベスは正当な選挙で勝利するというプロセスなしに行動したことはない。新憲法を制定した際には、国民投票で圧倒的な支持を取り付けた。そして憲法を拠り所として政治を進めてきた。
今の政府はそういうプロセスを軽視している。それは確かだ。
しかしチャベス以前の政府はそんなプロセスなど無視した。軽視ではなく無視だ。
内戦の危険は?
ベネズエラに内戦の恐れがあるのは銃所有率が高いからでもある。しかし問題はそういうレベルではない。そこには全く異なる主張がぶつかり合っているからだ。
反対派には二つある。
ひとつは「二大政党制」の古き良き時代の復活、市場経済制度の完全な再現をめざし、政府への徹底抗戦を唱える人々だ。彼らとチャベス派のあいだに妥協の余地はない。だから彼らは強硬派を形成する。
もうひとつは、憲法や制度の枠組みの中で解決策を探ろうと主張する穏健派の人々だ。
問題は、強硬派がアメリカとより強く結び付き、そのことによって強い影響力を保持していることだ。
彼らは「社会主義vs資本主義」という構図ですべてを割り切ろうとしている。彼らは古いイデオロギーにしがみついている。
アメリカがとるべき態度
まずアメリカは一方的な行動を避けるべきだ。アメリカが政府を倒すために介入したと、ベネズエラ国民に思われてはならない。
ベネズエラ産の石油の輸入を制限することは非常に危険だ。石油以外に外貨を獲得する手段がない国に対して、その蛇口を締めてしまえば大変なことになる。食糧も医薬品もないベネズエラで、人道危機が大幅に悪化することになりかねない。
デフォールトを避けなければならない
ベネズエラの最大のリスクはドル建て債務だ。このまま行くとデフォルト(債務不履行)に陥る可能性が高い。これは非常に懸念すべき事態だ。デフォルトは他国にも連鎖するし中南米全体にとって好ましい事態ではない。
「つなぎ」が可能であれば、原油価格の安定にともない債務の返済は可能となる。長期的に為替体系の安定化に向けて努力が必要だ。

問題の歴史的評価、解決の基本的道筋など、評論としての最低の構成は踏まえている。進歩的な新聞であれば、せめてこのくらいの格式は踏まえてほしい。

ある進歩的な新聞が、またも反ベネズエラのキャンペーンを行っている。ますますエスカレートしている。

要約を紹介する。

今年の中南米はベネズエラの政治、経済危機に焦点が当てられた年でした。

この危機は、控えめに見てもその半分は「作られた危機」であろうと私は感じているのであるが、この記者はそうは考えていないようだ。

用語の使いかたが非常に荒っぽいのが気になるのだが、

まずは「経済危機」の評価。

① 国民はますます困窮している。それは「人道支援」が必要なレベルに達している。

② 直接の原因は「物不足とインフレ」によるものである。
この書き方は曖昧だが、物不足によりインフレになっていると読むことにする。

③ インフレをもたらしたモノ不足の原因は「巨額の対外債務と石油価格低迷」による。
この書き方も曖昧だが、石油価格低迷により対外債務が巨額となり、購買力が低下したと読むことにする。

④ 月50%を超えるインフレをハイパーインフレと言う。ベネズエラはこの水準を突破した。インフレ率は「すでに1000%を超えたと言われます」と書かれているのは、おそらく2017年度の予測インフレ率が1000%を超えるだろう」という意味だろう。

いずれにせよ、激しい言葉遣いのわりに定義は曖昧である。

私のこれまでの研究からみて、明らかに不正確な記述がいくつかある。

①,③については不正確だ。④については吟味が必要だ。②については基本的に正しい。これは産油国のほとんどが直面する危機である。産油国の多くは基礎生活物資の多くを輸入に頼っており、石油価格の低下は即、輸入可能額の低下をもたらし、物不足と物価の上昇をもたらす。

問題は、どこを切り詰め、どこを頑張って保障するかである。かつての政府は貧困者や大衆の苦しみなど全く顧みなかった。だから人々は貧困者のための政府を立ち上げたのである。

対外債務については石油価格低下のみが原因ではなく、この国の為替政策が結果的に悪影響を及ぼしている。長期的には通貨切り下げは必至であり、それは即、対外債務の膨大化を意味する。

しかし通貨を変動相場制のもとに放置することは、投機資本の思うままに翻弄されることである。それは97年のアジア通貨危機の際に痛感したことである。

いずれにせよ、ベネズエラにおけるインフレは購買量低下→物不足による物価騰貴ではない。際限なく続く性格のものではない。記事では悪性インフレが今なお止まることなく、進行しつつある。もはやそれは人道レベルでの支援が必要なほどに悪化していると書かれているが、根拠を示すべきであろう。

ついで「政治危機」の評価

① 反政府デモで120人が死んだが、これは治安当局の弾圧によるものだ。なぜなら国連人権高等弁務官事務所がそう指摘しているからだ。

② ベネズエラの「民主主義は瀕死状態」にある。なぜなら国連人権高等弁務官事務所がそう断じているからだ。

③ 大統領は全権掌握を宣言した。これについては根拠は示されず、「事実上」という記者の判断に基づいている。

④ 大統領は野党リーダーの迫害や与党内の政敵の排除を続けている。「迫害」や「排除」という用語についても、「事実上」という記者の判断に基づいている。

⑤ ブラジル、コロンビアなど周辺諸国は数十万規模のベネズエラ難民の流入に直面している。
これについては具体的な情報が必要だ。一般的にはありえない人の流れである。長年在留した特派員であれば「デマではないか?」と疑うのが当然だろうと思う。
なお、国連人権委員会については 2017年11月19日  を参照のこと。

「ベネズエラは北朝鮮だ」というのだろうか
某進歩紙記事の一番困るのは、主体的な態度表明がまったくないことである。
わたしたちとしては、2002年のクーデター未遂事件以来チャベスをずっと支持し続けてきた。それはキューバ・ニカラグア支援の延長線上にあったし、非同盟運動や中南米の進歩運動の流れにあったからだ。
しかし某進歩紙の論調から言えば、わたしたちがこのような「事実上の独裁者」や、「迫害者」への連帯活動を展開すること自体、民主主義の自殺行為になってしまうことになる。
とってつけたように「軍事力で問題は解決しない」という中南米諸国の声を強調しているが、これは「北朝鮮はひどい国だけど、軍事的解決はいけない」というのと同じ論理である。
ベネズエラが北朝鮮だという議論にはとうていついていけるものではない。最低でも、「ここまでは正しかったが、そこから先は間違っている」とか、言ってもらわないと話にならない。

取材に当たっての3つのタブー
中南米の取材に当たって進歩性を担保するためにやってはいけない3つのタブーがある。
金持ちと付き合うな。大手通信社と付き合うな。日本人駐在員と付き合うな。
もちろん例外もあるし、取材のためにはあえて踏み込まなくてはならない場合もあるだろう。が、それは事情がある程度わかり、敵と味方がある程度分かってからにしたほうが良い。昔はこちらの肩書を言っただけで相手にされなかったから、こんなタブーは不要だったのだが…

Violin Summit with Baiba Skride, Alina Pogostkina and Lisa Batiashvili

というTV番組があって、バイオリン3人娘として売り出そうという狙いらしい。

かなり酷な番組で、否が応でも三人を比較せざるを得ないことになる。

腕前から言ってもキャリア・知名度から言ってもバティアシュビリが抜きん出ているのは分かる。彼女から見れば、こんな三人組で売り出されるのはいささか心外ではなかろうか。

アリナ・ポゴストキナは器量が良くて愛想が良いから人気はある。腕は三人の中ではちょっと落ちる(と思う)。
2

バイバ・スクリーデはラトビア人。日本ではまったく無名だが、ドイツではそれなりの人気のようだ。田村俊彦と近藤真彦と、もう一人誰だっけ、の人である。

腕はしっかりしている。顔はそれほどでもない。「美人ヴァイオリニスト ☆ バイバ・スクリデ」という日本語のファイル(衛星放送のエアチェック)があるが、どちらかと言えば肉体美と言うべきか。

やっぱりそうだった。

2001年のエリザベート・コンクールで、第1位がバイバ・スクリーデ(ラトビア)、第4位がアリーナ・ポゴストキーナ(ロシア)となっている。
営業とは言え、腕と顔でヒト様と比べられるのは辛いところがありますね。

ーツァルトのディヴェルティメント

すみません。まったく自分の心おぼえだけのために、このファイルをアップします。

しかも、中味は森下未知世さんのサイト「Mozart con grazia」の抜粋にすぎません。

このサイトはとても親切で、ダウンロードした曲を整理するのにとても役に立ちます。「個人的な好みを語ることは野暮である」と考える方らしく、要点をきちっと教えてくれるのがありがたいところです。

こういう方の個人的な好みを」お聞かせ願えればとも考えますが…


ディヴェルティメントは「喜遊曲」と訳されている。ヴァラエティに富んだジャンルで、楽器編成も様々だった。

セレナードは編成がかなり大きく、8楽章が典型である。ディヴェルティメントの方は室内楽的で、6楽章が多い。

「新モーツァルト全集」ではディヴェルティメントを3つのグループに分類している。

  1. オーケストラのためのディヴェルティメント、カッサシオン
  2. 管楽器のためのディヴェルティメント
  3. 弦楽器と管楽器のためのディヴェルティメント

しかしモーツァルトがそのような区分を意識していたとは思えず、そのときどきの事情に応じて考えていただけではないか、と思われる。

 1. ディヴェルティメント 第1番 変ホ長調 K.113

    1771年11月 ミラノ [A] クラリネットが使われた最初の管弦楽作品

 2. ディヴェルティメント 第2番 ニ長調 K.131

    1772年6月 ザルツブルク [A] 作曲の動機や目的は不明

 3. ディヴェルティメント ニ長調 K.136 (125a)

    1772年1?3月 ザルツブルク [A] 旧全集では弦楽四重奏曲第24番

 4. ディヴェルティメント 変ロ長調 K.137 (125b)

    1772年1?3月 ザルツブルク [A] 旧全集では弦楽四重奏曲第25番

 5. ディヴェルティメント ヘ長調 K.138 (125c)

    1772年1?3月 ザルツブルク [A] 旧全集では弦楽四重奏曲第26番

 6. ディヴェルティメント 第3番 変ホ長調 K.166 (159d)

    1773年3月24日 ザルツブルク [B]

 7. ディヴェルティメント 第4番 変ロ長調 K.186 (159b)

    1773年3月 ミラノ [B] 作曲の目的は不明。

 8. ディヴェルティメント 第5番 変ロ長調 K.187 (Anh.C17.12)

  モーツァルト本人の作品ではない。

 9. ディヴェルティメント 第6番 ハ長調 K.188      1773年夏 ザルツブルク [B]

10. ディヴェルティメント 第7番 ニ長調 K.205 (167A)    1773年7月 ザルツブルク [C] 

11. ディヴェルティメント 第8番 ヘ長調 K.213      1775年7月 ザルツブルク [B]

12. ディヴェルティメント 第9番 変ロ長調 K.240

    1776年1月 ザルツブルク [B] 大司教のための食卓音楽

13. ディヴェルティメント 第10番 ヘ長調 「ロドロン・セレナード第1」     K.247

14. ディヴェルティメント 第11番 ニ長調 K.251     1776年7月 ザルツブルク [C] 

15. ディヴェルティメント 第12番 変ホ長調 K.252 (240a)

    1776年1?8月 ザルツブルク [B] 舞曲風4楽章。大司教の食卓音楽。

16. ディヴェルティメント 第13番 ヘ長調 K.253

    1776年8月 ザルツブルク [B] ディヴェルティメントの中で唯一の3楽章作品。 

17. ディヴェルティメント 第14番 変ロ長調 K.270

    1777年1月 ザルツブルク [B] 大司教の食卓音楽として

18. ディヴェルティメント 第15番 変ロ長調 「ロドロン・セレナード第2」 

    K.287 (271H)    1777年6月? ザルツブルク [C] 

19. ディヴェルティメント ヘ長調 未完 K.288 (246c)    76年6月 ザルツブルク [A]

20. ディヴェルティメント 第17番 ニ長調 「ロビニッヒ」 K.334 (320b)

    1779年?80年 ザルツブルク [C] モーツァルトのディヴェルティメントの中で最も有名な作品。 第3楽章のメヌエットはよく単独で演奏されるほどポピュラー。

このページには他にも12曲の断片が収録されているが、とりあえず省略する。

ということで、ディベルティメント…番とよんでも良いのだが、K136~138が抜けてしまうのが以下のも癪なので、ケッヘルで呼ぶのが一番いいのでしょう。
ということで、管楽合奏を除いたラインアップは以下の通り。
divertiment
弦楽合奏を主体とするものはK131の第2番が最初。You Tubeではセルの凛とした演奏と、マリナーのしっとりとした演奏が聞ける

K136~K138の三曲は元の「旧分類」では弦楽四重奏曲に分類されていたため、ディヴェルティメントとしての番号がついていないのだそうだ。
You Tubeではニューヨーク・クラシカル・プレーヤーズというグループの颯爽とした演奏が聞ける。
K136はモーツァルトの曲の中でももっともポピュラーなものの一つだ。
小沢と水戸室内管弦楽団の演奏が抜群だ。水戸は指揮者なしの演奏もアップされているが、聴き比べるといかに指揮者が必要かがわかる。
K247、K251、K287、K334 の4曲は立派な管弦楽曲で、4楽章にまとめればそのまま交響曲となるほどである。You Tubeではカラヤンの名演奏が聞ける。胃もたれするという向きの方にはマリナーの演奏がスッキリするかもしれない。
K563 は異質のディヴェルティメントだ。昔からグリュミオー・トリオが定番だが、Veronika Eberle, Sol Gabettaらの演奏が素晴らしい音質で迫る。
veronikasol
  Veronika Eberle
       Sol Gabetta


あまりYou Tubeの特定のサイトを宣伝して良いことはないだろうし、ひょっとして迷惑かもしれないが、素敵なサイトを見つけると一言感謝したくなる。

それがDeucalion Projectというサイトだ。日本人のサイトらしくファイル名が日本語で入っている。2016/12/30 日に登録となっているのでまだ1年未満だ。

にも関わらず膨大なリストを抱えているのは、誰かのサイトをそっくりそのまま譲り受けたかららしい。
デュカリオンというのはプロメテウスの息子だから、世のために「悪事」を引き継いだということなのか。ありがたい話だ。

再生リストにはクラシック曲が作曲家別に多数並んでいる。特徴的なのはかなり地味目の曲が拾われていること、古めの音源が多いこと、音質がブラッシュアップされていること、だ。特に最後のポイントはだいじで、かつての新潮文庫的な匂いがする。岩波でも角川でもなくてクリーム色の新潮ですよ。わかります?

これから少し潜り込んで、よさ気なものをピックアップします。
まずはモーツァルトで、196本のファイルが並ぶ。

出て来る順に紹介するとセルのクラ協。ついでカサドシュとセルのP協が21~27と続く。つぎがチッコリーニの初期ソナタで15番まで。V協はオークレールで揃える。これは泣ける。音質もみごとに磨きあげられている。

後期交響曲は誰で揃えるというわけではないが、イッセルシュテットのプラハ(59年)とジュピター(61年)は聞きものだ。Fl協はモイーズのSPだが、さすがに辛いところがある。ハスキルのP協20盤はご存知の名盤。音質は最高だ。カザルスがいくつかあるが好みの分かれるところ。

弦楽五重奏をバリリで揃えた。いまあえてという感もあるが、音は素晴らしい。フルベンがP協20の伴奏をしているが54年5月のものらしい。ひどいものだ。グリュミオーとコリン・デイビスのV協は定番。音質も素晴らしい。

ユーディナとペルルミュテールのピアノは趣味の世界。タックウェルのHr協はステレオというのが強みだが、私はブレインでよい。

25番以降の交響曲がワルターでまとめてアプロードされている。おなじみで、音質も良いのでCD持っていない人はダウンロードしておいたほうが良い。

以降は特記するものはないので端折らせてもらう。


朝日新聞11月19日付記事は、貴重な情報だが読み込みが必要だと思う。

要旨を紹介しておくと、

1.9月26日深夜 帝国ホテルで前原=小池の秘密会談が行われた。同席者は神津連合会長、ジャーナリストの上杉隆であった。

2.憲法改正と安保は小池の方針で合意する。

3.「三権の長」経験者を排除する。

出席者が4人であるとすれば、記事は小池氏のエージェントである上杉氏のリークによるものであろう。相当バイアスがかかっているので、どこまでが事実化を同定するのはむずかしいが

まず、経過のつきあわせから。

下記は2017年10月02日 に掲載したものである。

25日 「希望の党」の結党。小池知事がみずから代表に就任。

26日夜 前原・小池会談

27日午後 日テレ系が「合流」の報道を開始。

27日 連合の神津会長が記者会見。希望の党一本化を歓迎。

28日両院議員総会への常任幹事会の提案。

1.今回の総選挙における民進党の後任内定は取り消す。

2.民進党の立候補予定者は「希望の党」に公認を申請する。

3.民進党は「希望の党」を全力で支援する。

討論の中で、「合流ではない。それぞれの候補者に公認を与えるかどうかは、希望の党側が判断する」(NHK)ということで、合流ではなく解党が正しい。

28日の前原代表の記者会見。

 1.どうすれば小選挙区の一対一の構図に持ち込めるか。これが第一の選択肢だ。

 2.4党での協力ということも選択肢だが、政策理念、方向性で一致しない。

 3.解党ではなく、アウフヘーベンだ。

 質疑応答の中で、「私は民進党代表をやめるつもりはない。党籍を残したまま、『希望の党』の公認候補になることは法律上問題はない」と発言。

29日 小池が記者会見。リベラル派を「排除する」と明言する。枝野派30人強が対象とみられる。さらに維新と提携する大阪では候補を出さないとする。

30日 民進党の全国幹事会。地方組織や連合が「話が違う」と不満を爆発させる。北海道連は民進党公認の道を開くよう求めたが拒否される。

30日 希望の党若狭議員、50人以上の1次公認者を選定したと語る。多くが自派メンバーで、民進党現職とぶつかることになる。

30日 赤松広隆議員、「新しい政党も選択肢の一つ」と語る。

30日 連合の神津里季生会長が党本部で前原と会談。「排除はおかしい。要望が受け入れられなければ希望の党の候補に推薦は出さない」と語る。

9月30日 前原・小池会談。前原が希望者全員を受け入れるよう求めたが、小池氏は安全保障政策などの一致が必要だと譲らなかった。

10月1日朝 枝野と前原が電話会談。枝野は「あの時の話と違うではないか。自分は希望の党には行かない等の声も上がってきている」と追及。(時事ドットコム)

10月1日午前 枝野代行が記者会見。希望の党に合流しない民進党前衆院議員らを集めて、新党を結成する考えを明らかにする。新党を作るには国会議員5人以上が必要で、参院議員5人の賛同を狙う。

10月1日午後 民進党の玄葉選挙本部長代行と希望の党の若狭が候補者調整を行う。玄葉は100人の民進党出身者の公認を要請。

10月1日夕 枝野と前原が党本部で会談。希望の党の若狭勝前衆院議員と玄葉光一郎総合選対本部長代行も同席。枝野は希望の党に参加できるメンバーのリストを明示するよう要求。玄葉代行は「立候補予定者のうち60人ほどが公認を得られない」と説明。

10月1日 民進党北海道連、逢坂氏を含む道内候補全員について「希望」に公認を求めない方針を確認。

10月2日午前 枝野氏、連合本部で神津里季生会長と会談。「現状を説明し、私の考えている方向性を話した」と語る。公認漏れの救済を前面に振りかざすと、連合も断りにくいと見たのだろう。


26日の会談は秘密でもなんでもない。10月2日の時点でしっかり記録されている。神津会長が同席していたことも別に秘密ではなかったかもしれない。

合意内容もほぼ予想通りだが、2点ほどだいじなことがある。大量虐殺の話はなかったこと、誓約書の話はなかったことだ。

いずれも微妙なところだ。どちらかと言えば小池側に瑕疵があるようだが、「本当のことは言わなかったが、嘘はついていない」というレベルの話だ。

上杉氏の言葉を信じるとすれば、上杉氏の「排除対象は「三権の長」経験者」ということで合意した。少なくとも小池氏以外は合意したと信じた。もしこれに小池氏が異を唱えなかったとしたら、小池氏の誠意が疑われる。

しかし、そのような雰囲気にまでに詰まっていたのかどうかは分からない。小池氏は前日も「排除する」発言を行っているし、10月1日には誓約書を一斉配布している。

「だから小池氏は合意していなかった、合意したというのは民進側の勝手読みだった」と見るほうが自然なのかもしれない。


こうなると、だいぶ話は見えてくる。

小池氏は民進党との合併を迫られた。これは連合の背後にいる勢力を考えれば問答無用だ。

しかし小池氏には個人的な関係にとどまるにせよ、連合・経団連とはことなる独自の人脈やルートが有るはずだ。

「そうなんでも連合の言うことばかり聞いてもいられないよ」ということになれば、それだけのフリーハンドは与えられている。

そこで、ちょっとばかし突っ張ってみたら、あれよあれよという間に楼閣が崩れてしまった。

これで小池の側は説明できた。

では前原はどうして引き返さなかったのだろうか。結局、引き返せなかった、もう時間がなかったというのが真相であろう。インパールの牟田口司令官みたいなものだ。面の皮の厚さも似たようなものだ。


屠殺の責任者は連合の神津会長ではないか
1.小池氏に「罪」はない

そもそも小池百合子の側には民進党と合同しなければならない必然性はなかった。地盤とカネは魅力だが、負のイメージまで背負い込むことになる。

下記の記事があって、小池没落の瞬間を捉えた描写はそれなりに面白い。
2017.10.24 横田一

「排除」発言を引き出した記者が見た「小池百合子の400日」 なぜジャンヌ・ダルクは墜ちたのか 副題は

希望の星、改革の旗手が一転、リベラル派の「大量虐殺」に手を下す「詐欺師」に豹変した

とかなりどぎついものになっている。

以下が記事の要約

9月29日午後2時の都知事会見で横田さんはこのように質問した。(横田さんは小池氏の「天敵」とされるフリー記者)

前原代表が昨日、「希望の党に公認申請をすれば、排除されない」という説明をした。

一方で(小池)知事、(希望)代表は「安保、改憲を考慮して一致しない人は公認しない」と(報道機関に話している)。

(前原代表と)言っていることが違うと思うのですが、前原代表を騙したのでしょうか。それとも(それともリベラル派排除のために、前原氏と)共謀して、そういうことを言ったのでしょうか。

横田さんは質問の真意を明らかにするためにかなり()で発言を補足している。したがって質問の真意が小池さんに十分伝わったかどうかはいささか疑問がある。

このとき小池さんはいったん答えを保留し、しばらく時間が経ってから横田さんが再質問をしている。

まぁ相当どぎつい表現も使い、質問という形で意図的に挑発している、と取れないこともない。

前原代表が昨日(28日)「(希望の党に)公認申請をすれば、排除されない」と発言した。

そのことについて、小池知事・代表は、安保・改憲で一致する人のみを公認すると発言している。

前原代表を騙したのでしょうか。

それとも共謀して「リベラル派大量虐殺、公認拒否」(を企てた)のですか。

それに対する答えが、以下の通り。

前原代表がどういう発言をしたのか、承知をいたしていません。

『排除されない』ということはございませんで、排除いたします。取捨(選択)というか、絞らせていただきます。

(なぜなら次のように考えているからだ)

安全保障、そして憲法観といった根幹の部分で一致していることが政党としての、政党を構成する構成員としての必要最低限のことではないかと思っております。

この記者会見に同席した週刊朝日の小泉記者は、以下のごとく振り返っている。

油断から思わず出たホンネだったのか。結果的には〝笑いごと〟では済まない発言となったのである。…

メディア戦術に長けた勝負師が見せた、一瞬の油断だった。

たしかに希望の党をめちゃくちゃにしたのは、「排除します」と言い放った小池氏の責任だろうと思う。

それはそれでいい。むしろありがたい話だと思う。
2.前原氏を動かしたものの責任は問われなくても良いのか

しかしこの一言が民進党を崩壊に追い込んだのではない。時間経過を見れば、武装解除して白旗を掲げて屠殺されたのは、民進党上官の責任だ。

9月27日、希望の党の結党を宣言した小池氏は、BSフジの番組に出演した。そこで質問に答えて次のように語っている。

民進党からの合流希望者については、自動的に受け入れることはない。一人一人、こちらが仲間として戦えるかということで決めます。

そして判断材料として、憲法改正と安全保障政策を挙げ「本当にリアルな対応ができる安保政策を共有したい」と語っているのである。

つまり、小池氏の側は最初から「排除する」といっているのであり、何らぶれていないのである。

なのに、翌日になって前原氏は議員を集め白紙委任を取り付けているのである。

前原氏は「小池氏はそうは言っているが、最後は全員受け入れの方向で動く」という強い感触を持ったから動いたに違いない。

その感触をどこから得たか、神津会長以外に考えられない。小沢一郎氏ではないかという噂もあるが、ありえない。今や彼にそれほどの力はない。

では神津会長はその感触をどこから得たか。それは経団連に違いないとは思うが、それらしい徴候はまったく示されていない。
3.小池氏の真意は「排除する」ことにあったわけではない

小池氏の発言は決して軽はずみなものではなかった。むしろ、ひょっとすると、舞台効果も狙って小池氏が仕組んだ可能性も否定できない。それはそれで一つの話だ。

彼女はその後に民進党議員一人ひとりに誓約書への署名を突きつけた。公にはならなくても、むしろそちらのほうがはるかに重大な内容をふくんでいる。それは「政策協定書」という名の踏み絵であった。

主な内容は以下のとおりだ。

1、希望の党の綱領を支持し、「寛容な改革保守政党」を目指すこと。

2、現下の厳しい国際情勢に鑑み、現行の安全保障法制については、憲法にのっとり適切に運用する。

その上で不断の見直しを行い、現実的な安全保障政策を支持する。

3、憲法改正を支持し、憲法改正論議を幅広く進めること。

4、選挙協力の協定を交わしている政党への批判は一切行わない(最終段階で付加)

一言で言えば、民進党の国会議員であればとうてい飲めない中身だ。
ジャーナリストの田中稔さんはこう語っている。

国会前で市民と共に戦争法反対を訴えた多くの民進党の前議員がこの踏み絵を踏み、サインをしたという裏切りを絶対に許せない。

まさに議員たちは神(民主主義への信仰)を裏切り、国民を裏切り、自分を裏切ったのである。

4.まだ死んでいない神津会長
毎日新聞にこんな記事が載った。

連合の神津里季生会長は5日、東京都内で開いた中央委員会で、立憲民主、希望、民進、自由、社民の野党5党の国会議員が参加して政策を議論する「連合フォーラム」を来年早々にも設立する意向を表明した。2019年の参院選や統一地方選をにらんで野党連携を促す狙いがある。

とにかくこの男、民進党をバラバラにし国会議員を虐殺に追い込んだのに、そのことにまったく責任を感じていないのである。本来なら「東京裁判」で絞首刑のはずだが、このヌケヌケぶり尋常ではない。

今後もまた、「旧民進三派」を中心にさまざまな形で「野党再編」の動きが出てくると思う。そのときにそれらをどう捉え、どう対応すべきだろうか。

そのことを考えると、この「大惨事」がいかに仕掛けられ、いかに失敗したかを明らかにするのはメディアにとって大きな責任となるのではないだろうか。


赤旗でイブラヒム・アブ・スラヤ氏の葬儀を伝えている。短いがかなり中身の濃い記事(カイロ駐在の小玉記者発)なので、そのままコピーして転載する。
スラヤ記事
この事件については、インターネットでも多くの記事と写真が掲載されている。
下の写真は赤旗記事のおそらく元写真であろうと思う。
ibraheem-abu-thuraya
緊迫した様子が伝わってくる。
次の写真は、残酷ではあるが、スラヤ氏の思いを考えると掲載すべきかと考えた。
RIP-Ibrahim-Abu-Thuraya2
「主な扇動者を選んで発砲」したことが適切だったかどうか、よく考えてほしいと思う。

The Israeli Military First Took His Legs, Then His Life

Ibrahim Abu Thuraya: Disabled Palestinian activist shot dead by Israeli ...


Ibrahim Abu Thuraya: A symbol of Gaza's resilience

要旨
根本的なミスは…「安倍一強体制」に対する有権者の批判が…「一強体制」そのものに向けられているという認識に欠け…ていたことである。
「友達優遇」や「忖度」を小池代表は「しがらみ」と称して批判を加えたが、それらは「一強体制」の結果として生み出され…たにすぎない。
「安倍一強体制」から「小池一強体制」に「一強」の主役を変えるかのような訴えは…有権者は望んでいない。
「小池一強体制」が、「安倍一強体制」よりも強い印象を与え、「一強体制」に疑問を感じている有権者…に敬遠された。

いっぽうで「小池劇場」は、具体的には次の2つの貢献をもたらした。
1つは、「保守」「リベラル」の分類を明確にしたことである。
2つ目は、バッジを付け続けるために自分を売る可能性がある議員の仕分けをしてくれたことである。

この2点目は辛辣この上なく、これだけでこのレポートに二重丸をつけたいくらいだ。
1点目は、保守二党論の可能性へと話が進むが、これについては不同意である。保守の側にそれほどの余裕はない。
また保守とリベラルという区分けも賛成できない。リベラル保守というスペクトラムも存在しうると思う。うまい言い方が見当たらないが、きつい言葉になるが、「反近代」ないし「反動」と言うべきであろう。

「私の選ぶ今年の十大ニュース」と言いつつそれは一番最後。まず世間の選んだ十大ニュースから紹介する。

what's @DIME

1000人が選んだ「2017年の重大ニュース」ランキング(2017.12.12)

【1】スポーツ編ランキング

2位 横綱・日馬富士が弟子力士に暴行 傷害容疑で捜査(40.3%)

5位 プロ野球 大谷翔平が日本ラスト登板、来年からメジャーへ(22.6%)

7位 プロ野球ドラフト会議 清宮幸太郎内野手との交渉権を日本ハムが獲得(21.7%)

【2】芸能編ランキング

3位 元SMAP 香取、草なぎ、稲垣がジャニーズ退社(47.8%)

4位 松居一代と船越英一郎の泥沼離婚騒動(31.0%)

【3】政治編ランキング

1位 豊田真由子議員による騒動。「このハゲーーーー!!!」(64.4%)

2位 北朝鮮が弾道ミサイル発射、日本上空を通過、Jアラート発令(44.8%)

3位 森友学園、加計学園問題(44.4%)

7位 第48回衆院選、自民党が圧勝(22.5%)

8位 小池都知事が「都民ファーストの会」代表に就任(20.2%)

【4】海外編ランキング

1位 トランプ大統領就任(67.5%)

2位 金正男氏殺害事件(64.9%)

5位 ラスベガスで史上最悪規模の銃乱射事件、死傷者500人以上(31.0%)

6位 朴前大統領を逮捕(24.7%)

9位 カタルーニャ独立騒動(9.8%)

10位 トランプ大統領がメキシコ国境への壁建造の大統領令(8.8%)

【5】明るいニュース編ランキング

1位 将棋 藤井4段が29連勝、最多連勝記録を30年ぶりに更新(56.1%)

5位 「インスタ映え」が流行(19.3%)

【6】悲しいニュース編ランキング

1位 フリーアナウンサー 小林麻央さん 死去(55.3%)

2位 座間市9人バラバラ遺体事件で、白石容疑者逮捕(46.8%)

5位 横綱・日馬富士が弟子力士に暴行 傷害容疑で捜査(24.4%)

7位 九州北部豪雨(23.2%)

【7】怒りのニュース編ランキング

1位 座間市9人バラバラ遺体事件で、白石容疑者逮捕(51.1%)

5位 森友学園、加計学園問題(29.5%)

10位 神戸製鋼でデータ偽装(17.6%)
全部書くと大変なことになるので、私でも知ってそうなニュースだけ選んだ。全文はwhat's @DIMEへ

Yomiuri Online

こちらは読売新聞の「読者が選ぶ10大ニュース」投票のための資料情報なので使いやすい。しかし記事の選択にはいかにも読売新聞的なバイアスがかかっている。(もちろん前川さんのマの字も触れていない)

国内編

【1月】

韓国・釜山の日本総領事館前に慰安婦を象徴する少女像が設置る。政府は長嶺安政・駐韓大使と森本康敬・釜山日本総領事を一時帰国させた。

【2月】

安倍首相は10日、トランプ米大統領とワシントンで初の首脳会談を行った。沖縄県の尖閣諸島が日米安全保障条約5条の適用対象であることなどを共同声明に明記し、同盟強化の方針を確認した。

東芝、連結決算が4999億円の赤字になったと発表。8月に17年3月期の連結決算を公表し、最終赤字が9656億円に達したことが分かった。

【4月】

名護市辺野古沿岸部で埋め立て区域を囲む護岸の建設に着手した。県は7月、移設工事の差し止めを求め、国を相手取って提訴した。

宅配便最大手のヤマト運輸、個人向け宅配便の基本運賃を荷物一つあたり140~180円(税抜き)値上げすると発表。

【5月】

安倍首相、読売新聞紙上のインタビューで、自民党総裁として憲法改正を実現し、2020年の施行を目指す方針を表明した。

【6月】

テロ等準備罪創設を柱とした改正組織犯罪処罰法が15日、参院本会議で可決、成立した。

安倍内閣の支持率が前月比12ポイント減の49%に急落した。学校法人「森友学園」や「加計かけ学園」を巡る問題が響いた。

【7月】

東京都議選、「都民ファーストの会」が55議席を獲得し、都議会第1党となった。自民党は過去最低の23議席となり、歴史的惨敗を喫した。

稲田朋美防衛相、南スーダンPKOに派遣された陸上自衛隊部隊の日報を巡る問題の監督責任を取り、辞任した。

森友学園前理事長と妻を逮捕。補助金詐取容疑

【9月】

日産で無資格社員が検査。その後、スバル、神戸製鋼所、三菱マテリアルの子会社、東レの子会社で検査データの改ざんも次々と明らかになった。

【10月】

原子力規制委員会、柏崎原子力発電所6、7号機が新規制基準に適合していると判断し、事実上の合格証となる「審査書案」を了承した。

衆院選が22日投開票され、自民党が圧勝した。自民、公明の与党では計313議席となり、憲法改正の国会発議に必要な3分の2以上の議席を維持した。解散直前、小池百合子・東京都知事が希望の党を結成し、民進党は希望への合流を決定。小池氏が「排除」しようとした民進党内のリベラル系を中心に立憲民主党が結成され、民進党は分裂した。衆院選で立憲民主が野党第1党となり、小池氏は11月に希望の党代表を辞任した。

神奈川・座間のアパートで切断9遺体

【11月】

トランプ米大統領が初めて来日した。トランプ氏は安倍首相との会談で、北朝鮮への圧力を最大限まで高めることで一致。対日貿易赤字の是正に強い意欲を示した。

内閣府が9月の景気動向指数を発表。2012年12月に始まった景気の拡大期間が58か月になる。これは戦後2番目の「いざなぎ景気」(1965年11月~70年7月)の57か月を抜くもの。

みずほフィナンシャルグループ、26年度末までに従業員数を約1万9000人減らすなどの構造改革案を発表した。三菱東京UFJ銀行や三井住友FGも業務量を減らす方針。



国際編

【1月】

ドナルド・トランプ氏が第45代米大統領に就任した。環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱、イスラム圏7か国からの入国制限の大統領令に署名。2月にフリン大統領補佐官が辞任するなど政権幹部の辞任も相次いた。

ニューヨーク株式市場でダウ平均株価(30種)の終値が、史上初めて2万ドルを突破した。

【2月】

北朝鮮の金正恩委員長の異母兄、キムジョンナム氏がクアラルンプール国際空港で、神経剤VXで殺害された。

【3月】

韓国憲法裁判所、朴槿恵大統領の罷免を決定。韓国検察は31日、朴容疑者を収賄などの容疑で逮捕した。朴容疑者側への贈賄容疑などでサムスン電子のイジェヨン副会長が逮捕された。

英政府は欧州連合(EU)離脱を正式通知した。離脱日時は「2019年3月29日午後11時」と発表した。

【5月】

仏大統領選で、中道のエマニュエル・マクロン前経済相が、極右・国民戦線のマリーヌ・ルペン氏を破り当選。6月の国民議会(下院)選もマクロン新党が圧勝した。

韓国大統領選で左派の最大野党「共に民主党」のムンジェインが勝利した。9年ぶりに保守から左派に政権交代した。

トランプがFBIのコミー長官を解任。コミー氏はトランプからロシア疑惑の捜査中止を指示されたと述べる。米司法省はモラー元連邦捜査局(FBI)長官を特別検察官に任命した。

英中部マンチェスターのコンサート会場で「イスラム国」による自爆テロ。ロンドン中心部では車が歩行者に突っ込むテロが相次ぎ、3月には英議会議事堂付近で5人が死亡、6月にはロンドン橋で8人が犠牲となった。

【6月】

トランプ米大統領は1日、中国などに有利な内容で「不公平」だとして、地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」から離脱すると表明した。

英国の下院選が8日、投開票され、メイ首相率いる与党・保守党が過半数割れし、事実上の敗北となった。

ロンドン西部の24階建て高層公営住宅で火災が発生し、死者は71人に達した。

【7月】

核兵器の使用や開発などを初めて法的に禁じた「核兵器禁止条約」が採択された。122か国が賛成、米英仏中露の核保有国や日本などは採決に不参加。採択に貢献した「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」は10月、ノーベル平和賞の受賞が決まった。

【8月】

ベネズエラでマドゥロ政権が新憲法制定に向けて立法機関の制憲議会を発足させた。7月末の制憲議会選は野党勢力が棄権し、マドゥロ氏派が全議席を独占。国会から立法権を奪った

ミャンマー西部ラカイン州で、バングラから流入したロヒンギャ人問題、難民60万人超に達する。ロヒンギャの過激派集団が警察拠点を襲撃したことが発端となる。

【9月】

北朝鮮が6回目の核実験。弾道ミサイル発射も相次ぎ強行

【10月】

米ラスベガスで銃乱射、58人死亡

米がユネスコ脱退方針通知。ユネスコの「反イスラエル的な姿勢」などを理由とする。

米軍が支援するシリアの民兵組織「シリア民主軍」が、「イスラム国」が「首都」とするラッカを完全制圧した。7月10日にはイラク政府軍がモスルの奪還を宣言した。

【11月】

ジンバブエで事実上のクーデター。37年「独裁」を続けたムガペ大統領が辞任
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それで私の選ぶ十大ニュース(というよりトレンド)は

1.トランプの大統領就任 イギリスのEU離脱などポピュリズムの伸長

2.サンダース・コービン・メランション現象

3.耐え抜いた野党共闘路線 連合の策動の失敗

4.東京都議選での怒り 政治劣化の進行 

5.「好景気」の下、相対的貧困化と絶対的貧困化の同時進行

6.神戸製鋼などものづくり産業のモラル低下

7.内部留保の際限のない積み上げと租税回避への怒り

8.資源価格の低下と途上国の苦境

9.原子力規制委員会の堕落

10.核兵器禁止条約の採択






1.1年間の政局
今年の政局は、結局「値戻し」に終わった。
6月から片やモリカケ、片や築地で政局は大いに揺れた。都議会選挙で針は大きくリベラルに動いた。
直後の仙台市長選はその象徴で、「野党は共闘」が前面に飛び出した。
野党共闘の一番の弱点は民進党にあり、これをどうするかが政局の焦点になった。共産党との切り離しを狙う連合は、希望への吸収合併という奇策に打って出た。これが成功したかに見えたその瞬間、「排除はします」発言が飛び出した。
この突然の発言に連合はうろたえた。自民党は喜んだ。
しかし一番の受益者は「市民連合」だった。市民連合は息を吹き返し強烈な逆ねじを食らわせた。
「野党は連合」がふたたび息を吹き返した。「希望」は月足らずのままで死んでしまった。
肝心なことは、「野党は共闘」というときの「野党」の中身が問われ、「中身がなければ野党じゃない」というのが国民の共通認識になったことだ。
残念だったのは「野党は共闘」のあとに続くはずだった「比例は共産」までは風が届かなかったことだが、これは次の楽しみにしよう。
もう一つ、これまでずっと語られずに来てしまっているのだが、「労働戦線の統一」がそろそろ正面から取り上げられなければならないのではないか。とにかく労働センターの共闘が、課題別、地域別、産業別に語られ、積み上げられるべきであろう。

2.「排除する」発言がいかにだいじか
「排除する」発言の重要性は、さまざまなスペクトラムを持つ政治諸潮流をどこで裁断すべきかを鮮やかに示したところにある。
それは戦後政治の流れの中でもっとも右側に引かれた境界線であった。
それは今後の政治の基本線を反リベラリズム、反立憲主義に置くという宣言であった。
ここで、リベラリズム、立憲主義という政治的ポジションがいかなるものであるのかが真剣に問われることになった。
これまで「野党は共闘」をスローガンに掲げてきた市民連合や無党派の活動家にとって、そのスローガンの意味が真剣に問われることになった。
果たして「野党は共闘」の先に「希望の党」はあるのか。その際にリベラリズム、立憲主義の旗は捨ててもよいのか。
そういう議論が不意打ち的に投げかけられたし、その答えは寸時の暇もなくもとめられた。
今回の政党再編劇の仕掛け人は言うまでもなく「連合」であった。
だから「排除します」発言から「どうぞ」という決意に移行するまでの議論は、各地での連合幹部と市民活動家の議論の結果であった。
その結果は両者の力関係によって決まった。しかし連合そのものも、「リベラリズムを捨てよ」という上級からの指示には抵抗を感じたに違いない。
その辺のせめぎあいが、投票行動となって現れているのだろうと思う。

たぶん、選挙結果は日本における戦後70年、リベラリズムの定着度が表現されていると思う。
政治学者を名乗る人であれば、ぜひそういう観点から今回の総選挙を分析してほしい。

すみません。このところあまり勉強していないものだから。認知症の新しい治療が出てきたなんてことは知らなかった。

それで、新しい治療というのが抗血小板薬とインスリンのスプレー。

抗血小板薬は、実際にはかなりの人が併用しているので、ある意味では統計処理の問題。

脳動脈硬化と脳虚血の進展は予防できるので、一般には認知症の進行予防には有効であると思われる。また認知症の患者には多くの脳血管性痴呆のケースが混入しており、そういうひとには効くと思われる。

これだけでも十分に有効なのだから、それにどの程度上乗せできるかという推計だから、えらくむずかしい判断だ。

現に私も、結果的に多くの認知症患者にアスピリン、パナルジン、プレタールを使ってきたが効いたという手応えはほとんどない。

もう一つはもし効くとして、それは抗血小板(抗プロスタグランジン)作用のためなのか、もともとの売り文句であるサイクリックAMP絡みか、シロスタゾールにほかに未知の作用があるのかということになる。

多分ないだろうと思うが…。ただ抗血小板薬に、アミロイド蓄積を妨げる働きがあるとされており、その抗アミロイド効果が抗血小板薬の種類によって強弱はあるかもしれない。

もう一つのインスリン噴霧の方はかなり怪しい話だ。大体、糖尿病やインシュリン感受性の低下が認知症に悪さをするというはっきりしたエビデンスがない。
インシュリンがニオイとして認識される?

むしろ面白いのは噴霧によって、神経線維を通して脳内に化学物質を送り込んでやるという発想である。インスリンは脈管を一切介さずに、ニオイ物質として認知され、その情報が神経線維を介して送られ、何らかの情報転換を介して生理活性を発揮することになる。


嗅覚の先にあるのは嗅脳であり、ここはほぼ海馬と同じ場所と考えられる。したがって海馬を標的として短期記憶の刺激を与えようとするときかなり有効なルートとなるかもしれない。

ということで、まず少し論文を読んでから考えることにしたい、

宮沢りえの『湯を沸かすほどの熱い愛』がテレビで放映されるようです。 20日水曜日の昼にテレビ東京系でやるそうですから、ぜひ録画をしてはいかがでしょうか。大してたくさん見ているわけじゃありませんが、ワタシ的には今年最高の映画です。 注意! 一人で見ること、首にタオルを巻いておくとよい。 宮沢りえというのは本当に映画俳優ですね。普通の人ではないんです。原節子みたいですね。 多分テレビで見てもそれほど感激しないと思います。暗闇の中で銀幕に浮かび上がると最高のキャパを発揮する人です。 「必見」と言いながら変な話になってしまいましたが、映画というのは「盗み撮り防止」の動画とセットで見るものだということです。

毎年末にNHK教育テレビで「クラシック音楽今年の回顧」みたいな番組をやっていて、毎年それを見るのが楽しみだった。
何か8ミリ映画にとった映像を流すみたいで、絵柄も音質も「良くもこんな絵を流すな」と感動するほどのものだった。
今でも覚えているのがヴィンシャーマンとバッハ・ゾリステンのリサイタルでバイオリンとオーボエの協奏曲の第3楽章を流した場面だった。多分大阪万博ころだったと思うが、まさに鳥肌モノだった。
それからだいぶ経っていたと思うが、クリーブランドがマゼールと一緒にやってきたときの演奏会の触りをやっていた。何かロシアの管弦楽曲ではなかったかと思うが、文字通り光彩陸離たるもので、クリーブランドからこんな音が出るんだ、と感心した覚えがある。
しかしどうもこの組み合わせは長続きしなかったようで、その後いろんな人が指揮者になって、そのたびにどんどんクリーブランドの音も落ちていった。だいたい街そのものが落ち目なのだからしょうがない。ということで、音的にはマゼールの時代がクリーブランドのピークだったのではないかと思う。
そんなことがあったことも忘れていたが、本日たまたまYou Tubeでこの組み合わせのベートーベンの第1交響曲を聞いて、あまりの腕前に腰を抜かしてしまった。
もともとマゼールはこの世代でピカイチの指揮者だと思っていたが、このオケからこれだけの音を引き出すのはやはりこの人しかいなかったのではないか。ただしもう少し禁欲的でも良かったか、という気もする。極彩色だが薄っぺらい。
すこしこの組み合わせの音源を探してみて、また報告する。

1.名誉革命とロック

ロックは17世紀のイギリス思想を集大成しただけではなく、それに自然法と社会契約という骨組みを与えた。

一言で言えば、人間には資産(Property)がある。資産を持つのは自然に与えられた権利である。これを社会の中で守るためには相互の契約が必要である。この契約を安定したものとするためには社会による保全が必要であり、このために国家(という社会形態)が設立されている。

これは国家形成の歴史から見れば、ほとんど空論であるが、出来上がった国家を主体的かつ合理的に運営するためには有効な議論である。

ただこれだけであったら、「そういうふうにも言えるね」程度の話であるが、こういう「契約社会国家」を壊すことは、契約で成り立つ社会そのものを壊すことになるのだから許せない、というところに話を持っていくのだから、俄然説得力を帯びてくるのである。

いずれにせよ、これは富裕層の論理であり、契約を旨とするリバタニアン・ビジネスマンの論理である。「必要なときはこちらから頼むから、お願いだから放っといてくれ。あまり目障りなら潰しちゃうよ」という上から目線の話だ。
2.ルソーによるロックの改作と「一般意思」

このままでは貧民が権利を要求する際の論理建てとしては使えない。そこでルソーが頭をひねった。

ルソーも人間は自然権を持つとし、それを守るために社会契約を結んだとする。ただ自然権というのは資産ではなく、「自由と平等」という抽象である。ここにはすり替えがある。

次に社会契約を結ぶのは人間同士ではなく、人間と社会とされる。社会というのは「全人民の団体たる国家」である。その社会には「一般意思」が形成され法律として体系化される。これが自然法であり、人はこの自然法に従わなくてはならない。つまり、政府・国家は一般意志に従わなくてはならないということだ。

ということで、ロックの自然法思想は換骨奪胎され、詭弁もどきの論理展開により、ほとんどその反対物に転化する。

そこには「一般意思」に名を借りた政府乗っ取りの狙いをはらんでおり、ロックの用心棒国家的思想とは様相を異にする「危険な思想」と化している。

本日は外で飲んで帰ってきて、テレビを見ながらそろそろ寝ようかと思っていたところだった。
とつぜんNHKニュースでとんでもないことを喋り始めた。
ネパールで選挙が行われ、いづれも中国派であるネパール共産党統一派と、ネパール共産党の毛沢東派が連合して政権を担当することになった。
正義の代表である国民会議派は過半数を取れずに政権から離れることになった。

ちょっと待てよ、どこからの情報なんだ。NHKにはカトマンズにもカルカッタにも特派員はいないのか、2000年からの20年間NHKはネパールをフォローしていなかったのか。
とにかくあまりにもひどい報道に唖然とし、ついで憤然とし、受信料支払い義務を認めた昨日の最高裁大法廷の判決は何だったのかと叫んでしまった。
私は、苦汁を飲みこむ気分で最高裁判決を支持する。崩れかけたNHKに対する呼びかけとして、叱咤として、それを支持する。
記者さんよ! とにかくあなたはそういう“受信料”で飯を食っているはずだ。そのためにインドまで派遣されているはずだ。
だから、この私でさえ唖然とするようなおとぎ話は流さないでほしい。人間(知識人)として情けないではないか。
社会としては通用するかもしれないが、こんなニュースを配信したあなたを、私は許せない。

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