鈴木頌の発言 国際政治・歴史・思想・医療・音楽

中身が雑多なので、右側の「カテゴリー」から入ることをお勧めします。 http://www10.plala.or.jp/shosuzki/ 「ラテンアメリカの政治」がH.Pで、「評論」が倉庫です。「なんでも年表」に過去の全年表の一覧を載せました。

2020年5月28日 ニューヨーク 発

ユニセフなどがによれば、新型コロナの影響により、今年末までに「貧困な子ども」が15%増加する。
「貧困な子ども」の総数は、年末までに6億7,200万人に達するだろう。そしてその約3分の2がサハラ以南のアフリカと南アジア(インド)に集中するだろう。

それとは別に、コロナを受けての「貧困な子ども」の増加率は、欧州が最大で44パーセント、ラテンアメリカでは22パーセントに達するだろう。

* 4月はじめにオックスファムが公表した報告書では、新型コロナ感染拡大により、絶対的貧困層が約5億人増えると報告されている。

世界的な経済危機により、2つの事柄が子どもたちに悪影響を及ぼす。
一つは各家庭の収入が減ることだ。これにより食料が得られなくなり、医療や教育の機会が減る。
もう一つは財政の縮小により会的サービスが低下し、ウイルス封じ込めが困難になることである。

ユニセフ事務局長のヘンリエッタ・フォアの談話
パンデミックは、世界中の家庭を前例のない社会経済危機に巻き込んだ。
家庭への経済的影響は、子どもたちから不可欠なサービスを奪っている。
今連携して行動しなければ、貧困世帯は何十年も前の生活に直面することになる。
*ユニセフの発表は散漫で、その数字は根拠が曖昧で、素直には信じがたい。しかしその旺盛な現地活動がもたらす深刻な危機感は共有すべきものである。

の再読をお願いします。上演時のポスター写真が見つかりました。
ゼロの記録

相変わらず帯状疱疹は痛い。ズキズキ痛いのとヒリヒリ痛いのが別個に攻めてくる。空襲と艦砲射撃が交替に(ときに重なって)やってくるようなものだ。ただ悶絶するような灼熱痛発作は起きなくなった。「魔の三角地帯」は燃え尽きつつあるようだ。

それで、勉強はとてもする気にはならず、残り少ない人生を家でグダグダとしている。目下はFLACデータベースというサイトで音楽を楽しんでいる。高音質が売りでYou Tubeの低音質に泣いていた私にはうれしい限りだ。

そこで本題にはいるが、このサイトでサヴァリッシュ指揮ドレスデン・シュターツカペレの演奏でシューベルトの交響曲全集が聞ける。1967年の東独現地録音。別にデジタルでもなく新しい録音でもなく普通なのだろうが、大変素晴らしい音が出ている。

未完成交響曲を聞いてそのあまりの美音にびっくりした。残響をたっぷりとっているが、ホールが最後まで鳴っている。この間ペテルブルクで聞いたマリインスキー劇場のようだ。

未完成というのはむかしワルターのレコードで「運命」と抱合せになっていた。その後高校に入って小遣いを貯めて買ったのがジョージ・セルの未完成だった。あまり感激した覚えはない。友達が貸してくれたミュンヒンガーの未完成は、私のセットが安物だから、どうやっても最初の低弦の音が聞こえなかった。

大学に入ってもレコードを買うようなカネはなかったから、フォンタナの安売りレコードにすがるしかなかった。その頃買ったのがサヴァリッシュとウィーン交響楽団のハ長調交響曲だった。これも音は最悪で、スピーカーの前に座布団で蓋をしているような情けない音だった。まぁ1時間を超えるような曲をLP1枚に詰め込んでいたのだから仕方ないのだろうが。

それがトラウマになったのか、サヴァリッシュというとなにか敬遠するようになっていた。

そのむかしはNHKの番組に登場して、さっそうたる指揮ぶりを披露してくれて、私なりにフアンだったのだ。一言でいうと「明晰」というのが一番ピッタリしている。しかしレコードではそのような雰囲気はさらさらなかった。

初出の時から廉価版扱いだったようです。PHILIPSにとって、サヴァリッシュはその程度の指揮者だったわけです。サヴァリッシュは、このときのPHILIPSとの専属契約は『私の長い経歴のうちでも、ひどく後悔することとなったもの』と振り返っているそうです。mitch_haganeさん


今回サヴァリッシュの演奏は、日本デビューの頃と同じく颯爽としていて、ケレン味がない。音は磨かれてつやつやとしている。とくに内声部の音がスーッと浮かび上がってくるさまは、なんとも気分が良いものだ。

おそらくギリギリまでレガートをかけて、弓を弾き切っているのだろう。ホールの特質を飲み込んだサヴァリッシュが独特の音を作り出したのだろう。そして生来のリズム感の良さが、それを崩さずに持ちこたえさせているのだろう。

ヴァントと北ドイツ放送SOの未完成に度肝を抜かれてもう20年も経つが、これもまた一つのシューベルト像であろう。それでは少しサヴァリッシュを漁ってみようか。

サヴァリッシュ+シュターツカペレ・ドレスデンのシューマンは、シューベルト交響曲全集のあと、70年代に入ってからで、残念ながらまだ著作権切れにはなっていない。

You Tubeで聞いているが、これはシューベルト以上にすごい。ひょっとするとサヴァリッシュがこのオケを世界最高のオケにまで育てたのではないかと思われてきた。よく聞いてみるとたしかに、サヴァリッシュ好みの彩り濃く切れの良い音を出すオケだ。あの頃欧州公演を果たしたN響は、たしかにこんな音を出していたように思える。

追加: シューベルトのハ長調交響曲を聴いた。私は何でもセルの演奏を基準にしているが、どちらかというとセルはシューベルトが苦手だ。
この演奏はセルよりすごいと思う。サヴァリッシュのすごいのは対旋律を必ず浮き出すことだ。ほとんど偏執的だが、それが煩わしくならないのは人徳なのだろう。
少なくともサヴァリッシュはこれでフォンタナ盤の恨みを果たしたと言える。



Dさん、コメントありがとうございます


  • 1. D 
  • 2020年05月25日 15:02
      • webに記事がありますね

        ベネズエラ 衝撃の“クーデター未遂事件” | 国際報道2020 [特集] | NHK BS1
        https://www.nhk.or.jp/kokusaihoudou/archive/2020/05/0521.html
    1. ニュース原稿と写真がすべて載っていました。

      いずれ消えるでしょうからお早めに。

    氷河時代とはなにか

    不勉強で、いまだに氷河時代とはなんぞやということが分かっていない。

    なぜかと言うと、
    ①氷河時代の時代区分と地質学的時代区分がかぶっているからである。
    ②おまけに若いとき習った洪積世・沖積世の言葉が使われなくなり、
    ③それに代わる言葉が更新世・完新世とえらく難しい言葉になっているからだ。
    ④さらにこれらを総括する「第四紀」という言葉の定義が、およそ場当たり的なのだ。
    知識を整理するには、以上の点を頭においておいたほうが良い。

    1.氷河時代(ice age)

    地球が誕生して以来、いくつもの氷河時代があった。代表的なものが次の5つである。

    ヒューロニアン氷河時代: 約22億年前
    クライオジェニアン: 8億5000万年前
    アンデス-サハラ氷河時代: 4億6000万年前
    カルー氷河時代: 3億6000万年前
    第四紀氷河時代: 約258万年前

    我々が生きているのは、第四紀氷河時代の間氷期の一つである。

    第四紀氷河時代というのは、“第四紀のあいだに起きた氷河時代”の意味である。

    それは約260万年前に始まった。ホモ・エレクトゥスがアフリカで誕生した頃である。*

    * 第四紀は「人類の時代」と定義されている。より古い原人が発見されると、第四紀の始まる年代もさかのぼる。かつては181万年前以降を第四紀としていたが、現在は258.8万年前からとされるようになった。

    2.氷期(glacial period)

    氷河時代はいつも寒いわけではない。寒い寒い氷河期とそれほどでもない間氷期に分かれる。

    それはミランコビッチ・サイクルと呼ばれる。4万~10万年の周期で交代し、地球の公転軌道の周期的変化と合致する。

    第4紀氷河時代は6回の氷期と6回の間氷期からなる。

    約7万年前に地球は最終氷期(ヴュルム氷期)に入った。

    この時期は出アフリカを果たしたホモ・サピエンスがユーラシア各地に拡散していく時期と一致するため、非常に重要である。


    3.最終氷期

    約4万年前に、温暖・湿潤期があり現在よりも湿潤であったとされる。

    2万数千年前に最寒冷期が襲来し、2千年ほど続いた。
    世界で氷床化と乾燥化・砂漠化が進んだ。海水が蒸発して降雪し陸上の氷となったため、海面が約120メートルも低下した。

    北海道と樺太、ユーラシア大陸は陸続きとなり、東シナ海の大部分も陸地となった。
    北海道では永久凍土や氷河が発達し、針葉樹林は西日本まで南下した。


    4.後氷期・完新世

    最終氷期(ヴュルム氷期)は約11,700年前に終了した。

    地球は最後(最新)の間氷期に入った。それは特別に後氷期と呼ばれ、地質学的には完新世と一致する。完新世はかつては沖積世と呼ばれた。


    5.これをホモ属に近づけてみると

    ① 260万年前、第四紀氷河時代が始まった。第4紀は地質学的な更新世と一致する。
    このころホモ属からエレクトゥスが分離した。

    ② 160年前、何回目かの間氷期にエレクトゥスは出アフリカを果たした。彼らがジャワ原人や北京原人という地域集団を形成した。*1

    ③ 60万年前頃、エレクトゥス同様の経過でハイデルベルク人が発生し主としてヨーロッパに拡散した。

    ④ 15万年前、ネアンデルタール人がハイデルベルク人の居住区に一致して出現している。*2

    ⑤ 同じ頃、アフリカにホモサピエンスが登場した。

    ⑥ 8万年前、最終氷期の開始に前後してホモ・サピエンスは出アフリカを果たした。

    *1 ドマニシ原人はエレクトゥスに先行した種という説もある。

    *2 ネアンデルタール人は、ハイデルベルク人の子孫とする説もある。

    地質学者はきわめて扱いに困る人種である。
    一つの事物にいくつもの名称をつけ、いくつもの分類を並立することに痛痒を感じていない。
    氷河時代の特徴をいくつも羅列するが、それが本質的なものか、偶発的なものなのかの区別をしない。
    地質学の分類の決定的な境目は第四紀だが、第三紀があるわけではない。第四紀は正式名称だが、第三紀・第三系は非公式な用語である。

    第四紀とそれ以前を分ける基準は「人類の時代」と定義されているそうだ(日本第四紀学会)。こんないい加減な区分は聞いたことがない。



    志位さんのポストコロナ論

    このところ赤旗に立て続けにポストコロナ論が掲載された。

    日本AALAとしてもコロナと国際連帯の課題は緊急かつ重要となっている。

    そのためにも、まず筋となる総論が必要だが、これらの論文が非常に参考になるだろうと思う。


    まずは5月18日の志井委員長発言から。

    1.新自由主義システムの破綻が明らかに

    ① 医療費削減などの緊縮政策を押し付けられた国ぐにが大きな犠牲を強いられた。

    ② 労働法制の規制緩和が、派遣やパートで働く人々に皺寄せされ、そのためにコロナの犠牲が下層労働者に集中している。

    ③ 外需依存と産業空洞化が、サプライチェーンの寸断化、医療崩壊の危機をもたらした。


    2.資本主義体制が本質を問われている

    資本主義という体制は、格差拡大と環境破壊という2つの点に矛盾が集中している。

    ① 格差拡大とコロナ

    ウイルス自体は富めるものと貧しいものを区別しない。しかし感染症による犠牲は、貧困のもとに置かれている人々に集中する。

    格差が世界的な規模で、異常なレベルまで拡大している。その矛盾がパンデミックのもとで顕在化し、激化している。

    アメリカでは、パンデミックのもとで格差があらためて大問題になっている。

    また多くの途上国では、医療体制などが弱いために多くの犠牲が出ている。

    ② 環境破壊とコロナ

    今回のパンデミックには、地球規模での環境破壊が深く関わっている。

    この半世紀くらい、新しい感染症がつぎつぎと出現している。原因となっているのが、人間による無秩序な生態系への侵入である。

    資本主義の利潤第一主義という本性を変えなければ、新型コロナを収束させても、次のより危険なパンデミックに襲われる可能性がある。今回のパンデミックは、資本主義という体制を続けていいのかを問うものともなっている。*1

    *1 我々は「原理主義者」ではないから、コロナ問題が「聖書」や「コーラン」や「資本論」や「綱領」に書かれていたとしても、あまり慰めにはならない。


    3.民衆の連帯で危機の克服を

    深刻なパンデミックにもかかわらず、国際社会が協調しているとはいえない。
    国際協調の主要な障害となっているのは米国と中国である。

    ① アメリカの「自国第一主義」

    世界最大の資本主義大国であるアメリカは、パンデミックに対する国際的な取り組みに背を向けている。

    WHOに対する拠出金の停止は、アメリカへの信頼をいよいよ低下させている。愚かというほかない。

    ② 中国の体制的な問題点

    中国の初動は遅れた。それは人権の欠如という体制の問題点と結びついていた。*2

    中国指導部はパンデミックのもとでも東シナ海、南シナ海などでの覇権主義的行動をやめようとしていない。これは国際協調にとって障害となっている。

    こうして、危機のもと米中双方が対立し覇権争いをするという状況に至っている。*3


    *2 率直に言って、この問題は検証が必要。どこまでが「人権の欠如」に起因するか、どこまでが「前近代性」という歴史的制約に起因するか。
    ただし、その後の武漢でのコロナ制圧作戦は果断かつ圧倒的で、都民の忍苦もふくめ称賛に値する。

    *3 「米中双方の覇権争い」の図式はコロナには適用されない。一連の経過を見れば、トランプ政権が一方的に攻撃を仕掛けているのは明らかだ。

    ③ 国際機関が機能していない

    WHOの新型コロナへの対応に対しては、今後検証が必要になる問題点がある。*4 

    国連安全保障理事会はこの問題に関して機能していない。

    私(志位)は米中に対して、この問題については協調すべきだと言いたい。


    *4  WHOの対処に反省すべき点があったとしても、トランプが煽ぎ立てるような「検証すべき点」はない。少なくともアメリカがWHOを脱退するほどの根拠はない。メルケルとマクロンはそう主張している。

    ④ 民衆の連帯

    何よりも、世界の多くの国ぐにと民衆が連帯して、このパンデミックを乗り越えることが強く求められている。

    コロナ収束の先は、前の社会に戻るのでなく、日本でも世界でも、よりよい社会をつくっていく。*5 

    それによって、次の世界のあり方も決まってくる。

    改定綱領を力に、そういう展望をもって頑張りたい。*6 


    *5 コロナ問題は収束するのではない。これからが本番だ。そのためには「コロナ問題とは何なのか」をもっと根底的に把握しなければならないと思う。さらに国際協調運動の礎として「世界人権宣言」の精神に立つことがもとめられる。

    *6  ここでは「世界の国と民衆の連帯」は具体的には何も語られていない。我々が肉付けをしていくべき課題として提起されたのだろうと思う。



    帯状疱疹と「やる気」の減少

    とにかく、この病気になってからやる気が出ない。知らず識らずにため息がついて出る。

    始めても根気が続かない。検察庁法についての文章を書きたいのだが、途中で思考の結び目がほどけてしまう。

    以前書いたコロナショックの意味についての文章を少し手直しし、体系立ててみようと思うのだが、到底その気にならず、キーボードを前に佇んでいる。

    多分帯状疱疹というのは、これまで考えていたよりはるかに広範かつ多彩な病気で、経過も長いらしい。

    ヘルペス・ツォスター・ウィルス(HZV)感染症と言うべきであろう。私にとっては「やる気ホルモン減少症」が一番の問題だ。


    「やる気ホルモン」とは?

    ところで医者のくせに「やる気ホルモン」の本体がよくわからない。

    私の「三脳セオリー」によれば、脳全体、とくに大脳を動かすには電源(エネルギー)が必要で、それを作り出すのが前脳ということになっている。

    前脳というのは脳の先端の膨大部だが、ここには視床下部という液性ホメオスターシスの中枢があって、そこからホルモンが分泌されて身体各所に指令を発する。

    その一方で前脳(視床)を駆動し、視床からいろいろな脳内アミンを分泌させて脳全体を動かしていく。

    これが私の考える脳の駆動モデルだ。

    それで、いろんな教科書をよく見るのだがあまりにもたくさんのホルモンや化学物質があって、実はよくわからないのである。


    通俗ページを通覧する

    通俗と書いたが馬鹿にしているわけではない。現在の物の考え方を端的に知りたいということである。最初のページにはこう書いてある。

    「やる気ホルモン」は甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)。集中力をサポートすると言われています。
    脳内ではドーパミンと呼ばれる神経伝達物質が活発に分泌されていると言われています。

    この文章ではTRHとドパミンの関係が曖昧にされているが、私の「三脳セオリー」とはうまく合う。

    「脳内三大神経伝達物質」について

    で、TRHとドパミンの関係は後の話にして、脳内アミン(神経伝達物質)に御三家というのがあるそうだ。

    やる気を起こさせるのがドーパミンと、ノルアドレナリン。これに足して安定や安らぎの要因となるセロトニンを加えたものを「三大神経伝導物質」と呼ぶらしい。

    これから先は、ちょっと分かりやすさが優先して、正確さにかけるかもしれないが、もう少し聞いておく。

    ① ドーパミン:脳を覚醒させる。
    側頭葉を刺激すると、喜びや快楽が生じる。
    前頭連合野を刺激すると、精神機能が活性化する。
    不足すると無気力になり、過剰になると総合失調症になる。

    ② ノルアドレナリン:ノルアドレナリンはドーパミンから合成される。
    脳内で強い覚醒作用をもち、気分を高揚させる。不足するとうつ病の原因となり、過剰になると躁状態を引き起こす。

    ③ セロトニン:ドーパミンやノルアドレナリンの分泌をコントロールしている。
    体温維持や睡眠を司る。

    実際にはもっと色々書いてあるが、占いの本を読んでいるようで、「本当かいな」と一歩引いてしまう。
    多分なんかの「くすり」の宣伝につながっていくのだろう。

    なお「三大神経伝達物質」だが、Wikipediaと脳科学辞典には記載されていない。

    Wikipediaでは
    ①アミノ酸 ②ペプチド類 ③モノアミン類
    二分類されていて、そのうち③のモノアミン類の中にノルアドレナリン、ドパミン、セロトニン、アセチルコリンが記載されている。

    脳科学辞典では
    ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン、セロトニン、ヒスタミンなどの神経伝達物質の総称として、「モノアミン」の名称が用いられている。

    あまり「三大神経伝達物質」というのは、公の場では用いないほうがいいようだ。恥をかくかもしれない。


    ドパミンの謎

    ドパミンが「やる気物質」のメインのようだ。研究もこれを中心に展開されてきている。

    二つの謎 その一:なぜドパミンなのか

    ここからさき、大脳生理学の先端は行き詰まる。一つはドパミン、ノルアド、アドレナリンという3つのカテコールアミンのうち、なぜドパミンが主役なのかが説明できていない。

    二つの謎 その二:セロトニン由来の「やる気」との違いはどこにあるのか

    もう一つは、「やる気物質」のうち、ドパミンなどのカテコールアミンと、セロトニンは明らかに違う物質であるから作用部位も作用機序も違うはずだ。

    さらに「やる気」と言ってもドパミンによって賦活される「やる気」とセロトニンによって賦活される「やる気」とは中身が異なるはずだ。

    その違いを系統発生学的な見地から説明しなければならないと思う。

    これらの問題を解決しないまま、次々に新たな神経作動物質を列挙していくのが、現在の学問水準である。それが「脳科学」を怪しい学問にとどめている最大の理由である。

    発生学的トレーシングの結果に待つほかないが、私はカテコールアミン系の作動物質がプライマリーで、それを修飾=部分的抑制する形でセロトニン・GABA系が付加されたのだろうと予想している。


    真の脳神経学が「脳科学者」とは独立してやらなければならないこと

    もともとは「やる気」を獲得するというプラグマチックな興味から始まった学習だったが、やっているうちに科学の目(つまり「脳科学」への反感)がむくむくともたげてきた。

    視床下部から視床へと影響を与えるのは、TRHホルモンにとどまるものではあるまい。

    むしろ視床から全身の臓器へと影響を与える多くののホルモンが、後ろ向きにも視床=前脳へとフィードバックしているのであろう。

    そして、その多彩さがホルモン作用を神経へと翻訳し伝達する神経伝達物質の多彩さを生んでいるのであろう。

    しかしその多彩さは最終的には電気信号としてのオン・オフ系まで単純化されなければならないのであり、その変容過程が突き詰められなければならないのではないか。

    NHK・BS1で「えっ、こんな番組やっていいの?」と思われるほどのニュースが報道された。
    見逃した人は是非、オンデマンドへ
    私も録画したが、残念ながらファイル変換の知識はなく皆さんにお見せできない。
    もっとも、そんなことをすれば手が後ろに回るかもしれない。

    番組紹介文から
    6日にベネズエラで大統領殺害を狙ったアメリカ人とベネズエラ人の傭兵グループが捕らえられ、グアイド国会議長の関与が疑われている。捕らえられたアメリカの元海兵隊員は、マイアミにある軍事顧問会社に所属。その会社の社長はグアイド国会議長の関与を明かした。これまで反マドゥーロの立場だったメディアもグアイド氏の関与を次々と報じている。20世紀にアメリカが中南米各国で仕掛けていた謀略を想起させる。


    報道の内容はいちいち書き出せないが、
    【世界を見渡すニュース・ペリスコープ】 に、ほぼ同様のソースと思われる記事がある。

    その要旨を掲載しておく。(記事そのものは見られなくなっているがキャッシュでの閲覧が可能)

    英紙「インディペンデント」によれば、ベネズエラに潜入しようとした13人の「テロリスト」を拘束が逮捕された。その中にはアメリカ人の元軍人2人も含まれていた。

    米TV「CBSニュース」はこのニュースをフォローしている。
    マドゥーロ大統領が記者会見し次のように語った。
    「これはクーデター計画であり、”もうひとりの大統領“フアン・グアイドが、資金援助をしている。米国人2人はルーク・デンマン(34)とエイラン・ベリー(41)。ともに米治安部隊のメンバーだった」
    これに先立ちサーブ司法長官が語ったところでは、
    「傭兵たちはグアイドと2億1200万ドルの契約を結んだ。グアイドはその資金を国営石油会社PDVSAから持ち出した」

    NHKの報道によれば、グアイドのこの行動は「彼ならいかにもやりそうなこと」として受けとめられてえおり、反チャベス・反マドゥーロの野党勢力もふくめ、国内での支持はほとんど失われている。
    アメリカのクーデター策動への共感もない。

    仏TV「フランス24」は、事件の黒幕について次のように報じている。

    「フロリダに拠点を置く元グリーンベレーのジョーダン・ゴードローが、マドゥロを拘束する計画を立てた。彼はベネズエラを「解放」するために、2人を送り込んだ」

    事件の背景

    米政府はマドゥロを失脚させるべく、2018年の大統領選挙を「不正選挙だった」とし、反マドゥロ勢力の野党リーダーであるグアイドを大統領として公式に承認した。

    世界60ヵ国ほどがグアイドを大統領として認めており、ベネズエラでは現在、大統領が2人存在するという異様な状況

    英紙「デイリー・メール」によれば、「アメリカはマドゥロの逮捕、または有罪に繋がるような情報には1500万ドルの報償金を出している」とされ、これがゴードローの行動の動機になっているかもしれない。

    真相はまだわからないが、少なくとも、マドゥロを失脚させようとする動きが相変わらず続いていることは確かだろう。


    その後、追いかけ情報が次々に流されている。これまでの“マドゥーロ憎し”の氾濫はどこに行ったのだろう。赤旗は変わるのだろうか。もう少し情報を集めてみる。

    「素顔  長渕剛」


    youtube で何かを探していて、たまたまこの曲にあった。
    すごくいい。とくに1番の歌詞が男のくせに良い。男だから良いのかもしれない。
    2番の歌詞と合わせ鏡になっているのだけど、2番はなくてもいいような気がする。
    そちらの方に膨らませてしまうと、何か違うのではないかという気がする。
    長渕剛という作り手が気になって、You Tubeで聞ける曲を片っ端からあたってみたが、
    ひたすら「何か違うのではないか」という感じが膨らんできて、
    最後には、「ちょっと違う人になってしまったね」ということで、
    とりあえずお仕舞。
    これは井上陽水のときにも同じように感じたこと。
    クリップボード一時ファイル01素顔

    おまけだが、この曲をアップしてくれた人がつけてくれた写真がとても良い。
    ひょっとしてこの写真に欺されたかもしれない。

    1.病状経過

    その後も線香花火のようにあちこちでパチパチする筋のような痛みは取れない。それどころか範囲は拡大傾向だ。

    左大腿内側の灼熱痛フラッシュも治ってはいない。ただ柔道の投げをくらわないように、瞬間それを避ける技は身につけつつあるようだ。

    それでも2日に1回は起きる。最近はなぜか1回起こすと爽快にさえなる。なぜかというと1回起こすと、おおむね24時間は次の発作はないからだ。

    やはり、集中力は格段に落ちる。気分は限りなくダークグレーに近いブルーだ。

    2.整形受診の結果

    実は金曜日に整形外科も受診した。椎間板由来のものではないかと考えてのことだ。6方向のXP撮って、たしかに左L4-5の椎間板に軽度の変化は認めた。

    しかしそれは現在のマニフェステーションを説明するほどのものではない。

    複合性局所疼痛症候群(CRPS)の話をしたら笑われた。それは交通事故の裁判病名でしょうということだ。

    それで、結論としては椎間板症は否定、やはり帯状疱疹と考えるべきではないかとの意見だった。

    ただし発症後の経過としては、すでに抗ウィルス剤(バルトレックス)の有効期間は過ぎており、様子見るしかないでしょうということになった。

    3.リリカとNSAIDSが効かなくなってきた

    ということで、私の病気は行き場を失ってしまった。

    ただ実のところ、それほど深刻だったわけではない。こういう病気はたいていは時間が解決してくれるからだ。

    しかし事態はちょっと深刻になってきている。というのは、リリカとNSAIDSが効かなくなってきた。

    最初はロキソニンを1日2回くらい飲んでいれば、ほぼ症状はコントロールできていた。

    さらに皮膚の表面のひりひり感もリリカでかなり抑えられていた。後は伝家の宝刀、アルコールがある。

    しかしこの2,3日はまったく薬が効いている印象がない。リリカは眠気が来るので、1日数回も寝ている。寝ている時間以外はヒリヒリ痛との共存を迫られている。


    4.明日ヘルペス抗体価を見て考えよう

    12日に採血したウィルス抗体価が明日に判明する。「もう遅い」と言われても、臨床症状の進展も結構遅いのだ。まだ間に合う可能性はある。

    それより困るのは抗体価が陰性に出た場合だ。
    とりあえず打つ手はなくなってしまう。

    これから先はまた報告する。

    1.ベネズエラではコロナは抑え込まれている

    4月26日の東京新聞は、①ベネズエラが原油価格低落で危機的にあり、②医療保険制度が崩壊し、③コロナが蔓延していると書かれている。

    すごく善意で見ると、記者は筆の勢いでコロナ蔓延と書いてしまったのかもしれないが、少なくとも③については取り消したほうが良いのではないだろうか。

    彼らにとっては予想外で、かついくらか残念なことであろうが、ベネズエラではコロナは抑え込まれているのだ。

    数はばらつきがあるが、WHOの4月17日の発表ではベネズエラは感染者440人、回復者220人、死亡者10人となっている。4月27日のロイター報道では、感染者数が318名,死者が10名にとどまっている。

    この数字はラテンアメリカでは最低部に入る。理由についてはいろいろの見方ができるだろうが、数字だけで見ればほぼ抑え込まれていると見て良い。

    ブラジルの感染率は104人/100万人。これに対しベネズエラでは6人/100万人である。
    ②の「医療保険制度が崩壊」というのも、揚げ足を取るようだが不正確だ。もともとベネズエラの一般民衆(つまり非白人系)は見捨てられた存在だった。バリオ(スラム街)に住む人々にはそもそも医療保険などなかったし、医師は貧困者などに見向きもしなかった。

    この状況を劇的に変えたのがチャベスの革新政権だった。チャベスは医療と福祉の充実を目指し、バリオにキューバの医師団を送り込んだ。

    そしてここが大事なところだが、一部の人達には信じたくない情報だろうが、それはベネズエラの経済状況が悪化したあとも変わらない。

    いまもキューバから1500人の医師団が派遣されている。彼らはバリオに入り戸別訪問して定期的に健康状態をチェックしている。そして変化があれば隔離し検査を施行し、感染者であれば隔離する。


    2.ベネズエラの医療は国際的な支援を受けている

    もちろん無慈悲な経済封鎖のもとで、医薬品などあらゆる製品が不足している。これに対し量は少ないとはいえ、国際機関による支援が与えられている。

    経過を少し書いておく。

    3月25日、国連はコロナ支援を必要とする優先支援国の一つにベネズエラを指定した。感染者数や重症度ではなく、医療インフラが極度に逼迫しているためである。

    4月8日、最初の支援物資90トンが首都カラカスに到着した。対コロナ国連対応計画の枠組みにより、ユニセフを通じて送られたものである。

    支援物資には、11万人分の緊急キット110セット、酸素濃縮器、小児用ベッド、コロナ用のPPE検査キット約1,000個(3万人分)が含まれる。

    ユニセフはまた、毎日2万7,000人の子どもを対象とした給食活動を開始した。


    3.トランプのいじめはますますひどくなっている

    彼は国連がベネズエラを優先支援国に指定すると、翌日には早速、攻撃を開始した。米司法省がマドゥーロ大統領ら 14 名を「麻薬テロ」への関与で起訴。

    さらに4月に入ると、カリブ海域の「高まる脅威」に対処するため、軍事リソースを倍増すると発表。高まる脅威というのは、マドゥロ大統領など「麻薬・腐敗アクター」がコロナ大流行に乗じて麻薬密輸を強化しているという途方も無いフェイクだ。

    IMFも何度も頭を下げたベネズエラ政府を足蹴にして、50億ドルの緊急融資を拒絶した。さらに特別引き出し権(SDR)へのアクセスも拒否した。ベネズエラは、融資額を 10 億ドルに引き下げて、改めて緊急支援を要請したが、その要請も拒否された。

    みなさん、

    コロナとの闘いにおいて、各国政府の真面目さと人権に対する思いが試されています。
    決して、「うまかった、下手だった」という目で評価しないでください。
    そもそも「やれません、やりません、その気はありません」の政府がうまくできるわけはないのです。

    ベネズエラのように何にもない国、危機にさらされている国でも、コロナを抑え込むことはできるのだ、という事実を見ていただきたいと思います。


    ベネズエラにおけるコロナ制圧の状況 を参考にしました。さらに知りたい方はそちらへどうぞ。


    元検察幹部有志の意見書

    これは戦争法案のときの憲法学者の総意としての反対表明に続く衝撃だ。

    国家の有り様の根底に関する意見書であり、賛否以前に、まずは学ばなくてはなるまい。

    朝日新聞は全文をネット上に無料で公開してくれた。ありがとうございます。(その後1日遅れで赤旗も掲載した。これは赤旗のせいではなく、北海道は一日送れになら遅れざるを得ないためである)


    1 事実関係について

    A. 東京高検検事長の黒川弘務氏をめぐる事実経過

    彼は本年2月8日に定年の63歳に達し退官の予定であった。
    しかし、その定年は閣議決定により半年間延長された。彼は今なお現職に止まっている。

    B. 検察庁法は定年延長を許していない

    検事の定年を定めた検察庁法によれば、定年は検事総長が65歳、その他の検察官は63歳である。定年延長を可能とする規定はない。

    しかるに内閣は同法改正の手続きを経ずに閣議決定のみで黒川氏の定年延長=留任を決定した。

    この決定は検察庁法に基づかないものであり、黒川氏の留任に法的根拠はない。

    2 特別法は一般法に優先する

    A. 検察庁法は国家公務員法に優先する

    国家公務員法(81条の3)では一定の要件の下に定年延長が認められている。内閣はこれを根拠に黒川氏の定年延長を閣議決定した。

    しかし、検察庁法は国家公務員法に対して特別法の関係にある。

    したがって、「特別法は一般法に優先する」との法理に従い、国家公務員法の定年関係規定は検察官には適用されない。

    B. なぜ検察官は特別か

    検察官は公訴権を独占し捜査権も有する。捜査権の範囲は警察を超えて広い。

    時の政権の圧力によって公訴権が侵犯されれば、日本の刑事司法は適正公平という基本理念を失って崩壊する。

    その意味で検察官は準司法官とも言われ、“司法の前衛” たる役割を担っている。

    C. 特殊な公務員としての検察官

    こうした特殊性・重大性のゆえに、検察官は検察庁法という特別法で保護され統制されている。

    例えば「検察官は検察官適格審査会以外によっては罷免されない」などの身分保障規定もこのゆえである。


    3.いくつかの法理的問題

    A. 内閣による法律の解釈は「法の終わり」

    安倍首相は「従来の解釈を変更し、検察官も国家公務員法を適用することにした」と述べた。

    これは近代国家の基本理念である三権分立主義の否定にもつながる危険な考えである。

    ジョン・ロックは「法が終わるところ、暴政が始まる」と警告している。心すべき言葉である。

    B. 内閣解釈は国家公務員法にも違反

    仮に国家公務員法を適用しても、今回の事例は法の定める「定年延長の要件」に該当しない。

    その職員の…職務の遂行上の特別の事情からみて、退職により…著しい支障が生ずると認められる…とき…(同法81条の3)

    今回の事例がこの「要件」に該当しないことは明らかである。(このあと人事院規則も例示しているが省略)

    4 政府提案の「検察庁法改正案」について

    A. 上程自体が矛盾している

    今回の検察庁法改正案は、表向きは国家公務員の定年延長に合わせ、検察官の定年も63歳から65歳に引き上げることに目的がある。

    一方において黒川氏の定年延長の閣議決定は維持された。すなわち審議入りにあたり野党側は閣議決定の撤回を求めたが、内閣は拒否したのである。

    つまり二つの動きは一見無関係に見えるのである。

    B. 法案の本質は定年延長ではない

    次の段落は面白い。声明文の筆者が自ら「難解な条文」と悲鳴を上げているのだ。
    この改正案の問題点は、検事長を含む上級検察官の役職定年延長に関する条項にある。すなわち改正案には「…」と記載されている。
    と書いてあるうちの「…」は省略箇所である。

    最高クラスの法律家でも難解とされる箇所は我々にはわかるはずはない。

    そこで声明文の筆者の解釈を紹介しておく。
    要するに、次長検事および検事長は、定年に達しても内閣が必要と認めれば、定年延長ができるということである。
    というのが、声明文の筆者の解釈である。

    C. 検察官の人事をめぐる政府との慣行

    要するに、これは「定年延長一般」に関する法律ではなく、検察トップの人事を内閣がいじれるという法律である。

    これは「検察官の人事に政治は介入しないという確立した慣例」を破壊するものだ。

    検察庁法は、定年延長によらずに急変対応するために、臨時職務代行の制度(同法13条)を設けている。これまでなんの問題も起きていない。

    D. 法案に対する総括的評価

    今回の法改正は、検察の人事に政治権力が介入することを正当化している。
    政府は、政権の意に沿わない検察の動きを封じ込め、検察の力を殺ぐことを意図していると考えられる。


    5.ロッキード世代の確信

    A. ロッキード事件という共通体験

    ロッキード事件当時、特捜部にいた若手検事の間では、積極派や懐疑派、悲観派が入り乱れていた。

    しかし、東京高検検事長の神谷尚男氏は「いまこの事件の疑惑解明に着手しなければ、検察は今後20年間国民の信頼を失う」と発言した。ロッキード世代は歓喜した。

    検察上層部の不退転の姿勢、それに国民の熱い支持と、捜査への政治的介入に抑制的な政治家たちの存在がロッキード事件を全面解明へと導いた。

    B. 検察の弱点が付け入るすきを与えていないか

    一方、検察の歴史には大阪地検特捜部のように捜査幹部が押収資料を改ざんするという恥ずべき事件もあった。

    この事件がトラウマとなって弱体化し、きちんと育っていないのではないかという思いもある。

    検察は強い権力を持つ組織としてあくまで謙虚でなくてはならない。


    C. 今は瀬戸際の闘いだ

    検察が萎縮して人事権まで政権側に握られ、公訴権の行使に掣肘を受けるようでは、国民の信託に応えることは出来ない。

    黒川検事長の定年延長閣議決定、今回の検察庁法改正案提出と続く一連の動きは絶対に看過できない。

    なぜなら、それは、検察の組織を弱体化して、時の政権の意のままに動く組織に改変させようとする動きだからである。

    D. 我々は呼びかける

    我々は、内閣が潔く検察幹部の定年延長の規定を撤回することを期待する。

    あくまで法案成立に拘るのなら、我々は多くの国会議員と法曹人、そして心ある国民すべてに呼びかける。

    そして法案反対の声を上げて、これを阻止するよう期待する。

    2020年5月13日 AlJazeera


    ラテンアメリカの新型コロナの状況

    公式データによれば、ラテンアメリカの新規感染者は37万件を超えた。死亡数は20,000件を超えている。
    guayakiru
         写真: 薬局の前に行列を作るグアヤキル市民

    国連機関(ECLAC)は、20年度の経済指標がマイナス5.3%まで低下すると予想している。これは過去数十年で最悪である。

    女性と弱者を集中攻撃する新型コロナ

    国連機関は昨日の発表で、新型コロナはラテンアメリカで、女性、先住民族グループ、移民、アフリカ系の人々を集中的に襲っていると報告した。

    なぜなら飲料水、公衆衛生、医療、住宅の極悪さが彼らに死をもたらすからだ。

    とりわけ家事労働に従事する女性労働者は悲惨である。多くは移民か、先住民族かアフリカ系であり、もともと差別を受けている人々である。
    bogota
       写真: ボゴタで建物から解雇と立ち退きを迫られた先住民女性

    仕事の多くは非公式で保証も少なく、失業のリスクにさらされている。
    さらに学校の閉鎖に伴う家庭内の責任を負わされ、ストレスとDVの危険が高まっている。

    これらの結果、新型コロナによる死亡率は女性で高値を示している。




    妻が死んで1年が経ち、かつて一家4人で暮らした家に、齢いいくばくもない男やもめが一人で暮らしている。
    いつの日にか認知機能が落ち、足腰が弱り、尋ねるものさえいなくなる時代が来る。その日までの唯一の楽しみは飲むこと、それも誰かを相手に気炎を上げることである。
    今回の外出禁止令はかなり強力で、下手をすれば数日間は誰とも顔を合わさずに日が過ぎていく。実はこの間にかなり強力な末梢神経性のラディカルペインの発作に悩まされている。

    最低数秒、長ければ20秒ほどの下肢痛発作があり、その間は息もつけない。部位は決まっていて左大腿内側の手掌大の局面だ。突如焼かれるような灼熱痛が襲い、大転子外側に筋の強縮が起こる。そこから歯磨きのチューブを絞るように痛み物質が注入される。
    独居とあれば一人もがいているほかない。原因はどうもヒマに任せてやった無理なストレッチにありそうだ。

    昨日は一応採血して調べたがなにもない。むかし最後の苦し紛れ病名に使った“Painful Bruising Syndrome” ということになりそうだ。「ひょっとしてヒステリーかもしれない」と書いてある。アホか! 誰もいないところでそんな小芝居して何になろうか。

    類似病名を探してみたら随分たくさんある。整形関係では「複合性局所疼痛症候群」(CRPS:
     Complex Regional Pain Syndorome) というようだ。
    ビリっと電気が走るような激痛(電撃痛)や火で焼かれているような激痛(灼熱痛)が発生する。
    多くは、疼痛部位に浮腫や皮膚血流の変化を伴い、交感神経の関与が疼痛を引き起こす一因と考えられる。
    ということで、症状的にはほぼピッタリ適合する。「バーナー症候群」というニックネームもあるらしい。言い得て妙である。

    リリカを処方してもらったのでしばらくはそれで様子を見ようと思う。なにかいちご状血管腫のようにインデラールが利かないだろうか、という気もする。

    それにしても、仕事に行けば所構わずぶっ倒れるので、多くの方に心配をおかけしている。自分ではわからないが、呼吸が止まり、眼がうつろになり、顔面が蒼白になるようである。
    自分としては、まったく正気で、痛みのために息もつけないでいるだけなのだが…

    明日は整形受診してMR撮って貰う予定。結果はその時に。

    新興国にコロナがやってきた

    10日の日経新聞トップは「新興国にコロナがやってきた」という話。新興国に広がると最後は途上国にお鉢が回る。日本でも最後は老人ホームや介護施設だ。

    まずは図の説明から

    新興国感染1

    左側が発生数で、右が累積である。4月中旬で発生数は逆転した。右側は累計感染者でロシアとブラジルが群を抜いていることがわかる。

    これはまあこんなものでしょう。次の図はちょっと面倒くさい。

    新興国感染2

    最上列の先進国平均と最下列の新興国平均を比べてほしい。

    左側の財政収支のGDP比を見ると実はあまり変わらない。去年までの10年間はマイナス3%前後で、今年は一気に9~10%まで増加している。

    当然な話で、どんなに頑張っても最低限の財政バランスは守らなければならないのだ。

    そこで新興国はどうやってこの財政バランスを守っているのかを見たのが、右側の棒グラフだ。

    公的医療にいくら支出しているかをGDP比で見た図で、先進国平均が8%なのに対して、新興国は3%足らずにとどまっている。

    ここに新興国の財政バランスの秘密がある。新興国は人命保護を切り捨てることで産業振興に当ててきたのだ。

    ということで、図表の意味(かなり無理のある図だ)をまず飲み込んだ上で記事に入ることにする。


    新興・途上国は公的な医療体制が脆弱だ。だから経済再開を急がざるを得ない。

    困ったことに、財政赤字を警戒する海外マネーは、早すぎる経済再開にさらに危険を感じ流出の動きを早める。

    この結果IMFへの緊急融資を求める国は、すでに100カ国を超えている。

    医療・経済の両面でグローバルな支援体制の構築が求められる。

    新興国の資金流出が止まらない

    3日付の日経新聞によると、2020年に入ってからの100日で、新興国9カ国から1千億ドルが流出した。このスピードはリーマン・ショック時の4倍に相当する。

    新興国経済破綻のメカニズム

    メカニスムはこういうことだ。コロナで生産活動が低下し医療費が増大→財政収入の低下と財政支出の増加→通貨不安と為替急落→ドル債務の増加。

    IMFによれば新興国の財政赤字は前年比1.8倍、GDP比で8.9%になると予想している。

    ただし財政支出増の主因はコロナ対策にあるのだから、十分な手当てをすればその分は支出増になる。例えばマレーシアはGDPの18%相当をコロナ対策に出動すると政治決断した。

    十分な対策を取ればその後の立ち直りも早いはずなので、この財政状況判断は半年なり1年を経て評価する必要がある。

    それで9カ国の財政と債務を示したのが下図。

    新興国


    見てもわかるように各国がかなり異なる状況にあり、共通傾向を探るのは難しい。

    通貨下落を主要な特徴とするのがブラジル、南ア、メキシコの三カ国だ。ただこれはこの100日間でこれだけ下落するだけの「のりしろ」があったとも言える。

    トルコとチリは下落率は低いが対外債務はすでに十分積み上がっている。つまり本来は上位三カ国のさらに上位に位置すべき国なのだ。

    右側のアジア四カ国についても同様の傾向が見て取れる。

    目先の通貨下落率ではなく、債務残高で国力を判断しなくてはならないということがわかる。

    結論

    コロナショックによる経済収縮はすでに始まっている。

    問題は、最後に新興国や貧困国に皺寄せされる病気と貧困の二重苦が、先進国にどう跳ね返ってくるかである。



    この論文が私の抱えてきた疑問にかなり答えている。専門家委員会の一人として疫学派の旗振りをしていた押谷東北大教授が、メディアの前に登場しなくなった理由を知ろうと思ってグーグル検索したところ、上記の記事が飛び出したのである。

    押谷教授は、これまでPCR検査拡大に否定的であるクラスター対策の中心人物であった。彼は現職に就任する以前、1999〜2006年に「WHO 西太平洋地域事務局感染症対策アドバイザー」を務めており、尾見氏の子分だ。尾身氏は90年から同機関に勤務、99年に事務局長に就任している。

    3月22日のNHKスペシャル番組では、こう言い放っている。
    日本のPCR検査は、クラスターを見つけるためには十分な検査がなされていて、そのために日本では〝オーバーシュート〟が起きていない。
    PCR検査を抑えていることが日本が踏みとどまっている大きな理由なんだ。
    ところが4月13日、日本内科学会の「新型コロナ」緊急シンポジウムでは打って変わってこう語る。
    我々は、検査数を増やすなということは一度も言ったことがなくて、感染者数が増えている中でPCR検査が増えないということは、非常に大きな問題です。
    教授がPCR検査拡大にきわめて慎重ないし反対ともとれる論を唱えてきたという印象があっただけに、驚いた参加者も少なくなかった。

    さすがの提灯持ちNHKもいささか頭にきた。

    内科学会の前夜、デスクが「前回ご出演頂いた時は、むやみにPCR検査を広げるのは院内感染を起こして危険だという話もされていたと思うんですが」と尋ねた。

    押谷教授は「すべての感染者を見つけなくても、クラスターさえ起きなければ、感染は広がらず、多くの感染連鎖は自然に消滅していく」と、従来の自説を述べた。
    そしてその上で、「⼗分なスピード感と実効性のある形での『検査センター』の⽴ち上げが進んでいないということが、今の状況を⽣んでいる」との見解を示した。

    これって支離滅裂じゃない?  180度の方針転換だ。しかも方針転換したという認識すらない。二つの人格が平然と同居していて、なんの矛盾も感じない。そして専門家会議にはシレッと居残る。

    親分の方は5月に入っても、メディアに「PCRの実施率が低い」と喋っている。もはや完全に頬っかぶりモードだ。あんたなんぞに新生活などと説教されとうない。

    どうも見るところ、この先生、尾身氏の引きで専門家委員会に選ばれて舞い上がったんじゃないだろうか。そして尾身氏におだてられて疫学派の旗振り役を引き受けた。「友がみな、我より馬鹿に見える日よ」という心境だったのではないか。

    小此木さんは以下のように厳しい目を注ぐ。
    NHKのスタジオで手元のメモに目をやりながら慎重に言葉を選んでいるように見えた押谷教授の説明からうかがえるのは、感染者が急増してきたからPCR検査を増やす必要があると判断して、これまでの検査抑制論を転換したらしいということだ。
    この後は有料会員しか読めないが、ここまで読めれば十分だ。

    結局、山本五十六のようなものだ。緒戦でのクラスター作戦の勝利に酔いしれて、彼我の力関係を読み誤り、ミッドウェーの敗北の後も方針を変えられないまま、日本を焦土へと導いてしまう可能性がある。

    一つ、この記事へのコメントを紹介しておこう。
    事態が収束したら、誰がどのような意図でPCR数を抑制して来たのか(政府側も含めて)検証してほしい。
    もしそうなれば、この教授も間違いなくその片割れだろうね。

    専門委員会が「新しい生活様式」なるものを発表した。
    「面会は記録、横並びで食事を」と言っている。発想が国防婦人会だ。
    もうこんな委員会早く解散せぇ!
    何が専門委員会だ。馬鹿にすんな。
    何ということはないただの尾身委員会ではないか。
    誰が決めたか知らないが、俺達はお前らを日本を代表するほどの専門家と認めたことはないし
    今やますます、日本を仕切るような資格などないと確信するようになった。

    「新しい生活様式」というのは権力を傘に、金も出さずに、戸の開けたてから、ゴミの始末までいちいち指図する。
    欲しがりません、勝つまでは
    パーマネントはやめましょう
    贅沢品より代用品
    飲んでて何が非常時だ
    の滅私奉公、隣組の世界だ。
    こんな標語が政策ならば、頭丸めてとっとと消えちまいな。

    だいたいが、厚生労働省で普通に仕切っていれば(厚労省ならいいとは言わないが)、
    もうちっと風通しが良くなって、天一坊みたいな連中に世の中牛耳られることはない。

    岡田先生、懇願の理由

    本日のテレビ朝日の「モーニングショー」での一場面である。
    「PCR、なぜ早期にやれないのか」というテーマでのトーク。レギュラーの玉川さんときれいなお化粧の女性、ゲストとしておなじみコロナおばさんの岡田先生。出始めの頃とは打って変わり、むかしの「あんみつ姫」がそのまま育って、前髪ハラリが可愛くさえ見える。

    本日はイギリスの某大学在留中で、WHO事務局長の上級顧問という肩書きをもつ渋谷さんが登場し、PCR問題について話が進んだ。岡田さんが、ここで突如「渋谷さん、PCR問題についてもっと社会に発信して」と、詰め寄るかのように懇願した。
    だれの眼にも異様な光景であり、さすがの羽鳥アナも言葉が引き取れなくて沈黙。
    渋谷さんはこの質問をサラリと受け流した。そのまま議論は進んでいったが、終わり頃にふたたび岡田先生が同様の発言。

    これをどう読むか。

    まず岡田先生が「出る杭」としてバッシングを受け、かなり孤立感を深めているという背景がうかがえる。「だいじょうぶかな? ちょっと来ていないかな?」

    そして背景には、岡田さんら臨床派と疫学派とのあいだにかなり断裂があること、しかも疫学派が足を引っ張る傾向があること。岡田氏はような背景を暗示している。
    たしかに、当初はクラスター潰し、今は封鎖一本槍の疫学者に、私ら臨床医は現場性を感じない。現場を見ずして何を語るのだろうと懸念を抱いてしまう。

    いうまでもなく疫学派の代表は尾身氏である。彼は厚生官僚からWHO西太平洋地域事務局長に就任した。その経過はかなり強引でカネまみれであったと思われる。(自治医大ホームページを参照)

    そこから天下って、地域医療機能推進機構の理事長に就任した。これは社会保険病院、厚生年金病院、船員保険病院という3つの病院グループを統合し設立された巨大法人である。

    臨床の経験がほとんどない人が理事長に数人するのは、それなりの政治力の反映であろう。

    報道によれば、地域医療機能推進機構は、先日成立した補正予算で“特別枠”ともいえる65億円が付いたそうだ。誠にご同慶の限りである。

    いくら渋谷氏がWHOの幹部とはいえ、いま単身、尾身氏に盾突くような真似は到底できるものではない。風車に突っ込むドン・キホーテのようなものである。

    渋谷氏にとって尾身氏はWHOにおける先輩でもあり、なかなか容喙できる立場にはない。それに渋谷氏もふくめ疫学畑の人は、医師免許を持っているとはいえ政策官僚であり、臨床医のように自由に動ける身分ではない。

    WHOなど国連系諸機関で働き名を揚げている人は少なくない。尾身氏も渋谷氏もそのような人々である。私たちは彼らを「国連マフィア」と陰口している。むかしなら野口英世みたいなもので、正直のところさほど信用しているわけではない。やっかみ半分ではあるかもしれないが、「英語がお上手ですね」くらいの気持ちだ。英語がうまいのは、その国の後進性の証だ。

    デクエヤル、ガリ、ハンギムン、明石などなど… みんな国内で主要ポストを狙ったが、無残に敗退している。国内で汗をかいていない人は所詮は根無し草なのだ。

    それはひょっとすると、本来は対応の中心となるべき厚生労働省の思いかもしれない。

    問題は臨床が重視されていないこと

    岡田先生が孤立しているわけではない。事実はその逆だ。

    専門家会議において臨床畑の意志が尊重されていないことは、ほぼすべての臨床医と多くの疫学者の一致した感想であろう。

    しかし岡田先生があせる必要はない。疲れたら、心が折れる前に少し休んだほうが良い。

    声を上げるかどうかは別にして、臨床医のほとんどは先生と同意見だ。二人のノーベル賞医学者、山梨大学の学長まで発言している。

    先日書いた「加藤厚労相は辞任せよ」といういささか過激な文章で言及したが、その時「どうも厚労省の頑迷固陋ぶりの背後に何かがありそうだ」と書いた。それは「専門家会議」と尾身「副会長」辺り、すなわち官邸筋だろうなと感じていたが、徐々にあぶり出されてきたようだ。

    それは結局は、安倍首相の独裁体制と官邸主導政治と、各省庁の忖度という構造であろう。

    日本におけるコロナ病は「安倍病」の様相を呈している。それは米国においてコロナ病が「トランプ病」であるのと同様である。

    「人間の安全保障」と日本


    外務省の外郭団体の機関誌に載せられた文章なので、若干内輪ぼめも入っているが、要領よくまとめられていると思う。

    「人間の安全保障」(以下人間安保)の概念は、日本外交における重要政策として定着している。

    人間安保は世界で認められ国連の基本理念の一つともなっている。


    1.人間安保が打ち出された背景

    人間安保が初めて提起されたのは1994年で、冷戦構造の崩壊がさまざまな地域紛争の契機となる不安定な時期だった。

    貧困・感染症、地球温暖化問題など地球規模問題群の存在が顕在化し、それらをバックグラウンドに大量難民の発生、テロ・過激主義が生み出された。

    国連は、危機にさらされているのは「人間それ自身」であり、国家中心の安全保障観では対処できないと判断した。

    そして「人間への脅威」を取り除くことを、安全保障の新たな理念として提起した。


    2.ルーズベルトの「四つの自由」が骨格

    具体的作業を委ねられたのは二人の経済学者マブーブル・ウル・ハクとアマルティア・センであった。

    ハクはパキスタン出身で国連発展計画の特別顧問、センはノーベル賞を受賞したことで有名である。

    二人はF・ルーズベルトが1941年に発表した「四つの自由」を手がかりとして構想を展開した。

    「四つの自由」は国連の理念の基礎を成しているだけではなく、日本国憲法前文の原理念のひとつともなっている。


    そして、「欠乏からの自由」(Freedom from Want)と「恐怖からの自由」(Freedom from Fear)を統合的に捉えなおし、新たな安全保障の理念として提示した。

    先進諸国においては共通の価値として「自由」「民主主義」「法の支配」「基本的人権」の四つが指摘されている。

    「人間の安全保障」は、その一つである「自由」を安全保障の観点から解釈発展させたものと考えられる。


    3.「人間安保論」と国際社会

    国連で案を取りまとめたセンらは、以下のように規定している。
    人間安保とは、人間の生存(Survival)、尊厳(Dignity)、生活(Livelihood)のために必要な諸条件を満たすことであり、
    人間の生(Vital Core)にとってのあらゆる脅威を除去する取り組みである。(緒方・セン報告書)

    見ればわかるように、前段と後段は明らかにニュアンスが異なる。このため、とくに後段をめぐって議論がかわされた。

    先進国からは、すでに基本的人権の概念が定着しており不必要と批判された。

    一方、途上国からは、「保護」を盾に国際社会の介入が正当化されるのではと警戒された。当時はユーゴスラビア内戦などで「人道的介入」が許容される雰囲気が強まっていたからである。

    こうして議論は難航したが、安全保障観を根本的に変更するというのはなく、国家の安全保障とは別に人間安保の考えを打ち立てることの必要性と有用性を共通認識とすることで、コンセンサスを得ることになった。

    また、後段については「人間の安全保障無くして、国家の安全保障は無い」という認識を共有するにとどめることとし、今後の具体的展開にかけることとなった。


    4.議論を牽引した日本とカナダ

    こうして議論は挫折・流産の危機に瀕したが、議論を牽引する役割を果たしたのが日本とカナダであった。

    カナダは外交政策の一環として人間安保を採用した。そして対人地雷全面禁止条約、国際刑事裁判所の創設などでイニシアチブを発揮した。

    いわば人間安保の実質的内容を具体的に示すことによって、国際社会の説得に成功した。

    日本は1998年、当時の小渕首相のもとで人間安保を外交政策に取り入れ、二国間ODAや国連を舞台にこの概念の重要性を推進した。いわば人間安保キャンペーンのパトロン役を買って出た。

    この人間安保の考えはその後も歴代総理によって尊重され、日本の外交方針の柱の一つとなっている。


    5.国際概念としての人間安保の確立

    2000年の国連ミレニアムサミットは、人間安保の中心概念である「欠乏からの自由」と「恐怖からの自由」の2つの自由を、国連として取り組むべき優先課題として明示した。

    今後の課題としては

    ① 人間安保を「国家の安全保障」「国際社会の安全保障」の中核に位置づける努力。
    これによりグローバル化した世界における「新たな安全保障論」の起点として期待される。

    ② 人間安保を国内政治にも適用し、ガバナンスや国家統治システムの議論にも応用していく可能性が示唆される。

    ③ またセンらの議論の後半部分、「人間の生にとってのあらゆる脅威を除去する」取り組みについても、コンセンサスの形成がもとめられていくことになるであろう。

    西遼河文明
                左クリックで拡大(1が西遼河文明)
    1.西遼河文明について

    西遼河渓谷は、黄河や長江と並ぶ中国文明の発祥地である。

    この文明をになった人々については様々な議論がある。

    今日この地域に居住する人々をY染色体ハプログループで分類すると、最も一般的なのがO系で、約60%である。これについでC3系の24%、さらにN系が8.5%存在する。

    2.最初に西遼河文明をになったのはウラル人

    「いかにも」という結果だが、これが掘り出された先史時代人を調べると随分違っている。父系は主として N1(xN1a、N1c)であり、すべてのサンプルの約63%を占めた。

    N系人は中央アジアの草原から東西帯状に広がる分布を成しており、その東端に相当すると思われる。

    それは新石器時代以前のサンプルで、89%と圧倒的な比重を占め、時代が下るとともに徐々に減少した。

    2.中国の漢民族がN系人を駆逐

    新石器時代から青銅器時代への移行中に、黄河文明の地帯から西遼河渓谷への人の移動があり、彼らが農業技術を持ち込んだ。

    このあと漢民族(O系人)がN1人を凌駕するようになった。

    3.青銅器時代後期の文化変容

    西遼河渓谷を支配するようになった漢民族だが、その後の気候の変化に反応し、ユーラシアの草原のスタイルに変換し、主に畜産を実践した。

    C3系の人々が入り込み、人口の4分の1を占めた。その結果、彼らの生活様式が支配的になったのであろう。

    C3系の人々の94%がヤクート族である。


    朝鮮半島は中国大陸と同じく中国地塊に属する安定大陸(安定陸塊)で、先カンブリア時代には原型が出来上がっていた。

    「新人類」のアフリカ大陸での出現は20万年前で、その一部が「出アフリカ」を果たし世界中に広がったのが、6万年前と考えられる。

    一方、日本の関東平野などで旧石器が発見されるのが約4万年前であることから、あいだをとって約5万年前ころではないだろうか。

    光州市近辺の石壮里遺跡の最古層から、旧石器時代初期の特徴を特徴を持つ遺物が発見されており、これが朝鮮最古とされている。

    朝鮮史では旧石器時代の後、中石器、新石器と分かたれるが、実質的な内容を含まない(すみません。これはきわめて主観的な断定です)

    実質的な文明は6千年前(BC4000)の櫛目文土器をもって始まると考えられる。従ってそこまでの時代は人類の空白時代と言える。あえて時代区分をするなら、旧石器時代で括ってよいのではないかと考える。

    最初の櫛目文土器は遼河文明から発見されている。遼河文明の担い手はウラル系民族(ハプログループN)であった。

    櫛目文土器は半島全域に広がった。しかしこの文明の担い手がウラル系民族であったわけではない。では誰か? もう少し勉強する必要がある。

    ついで、3500年前から同じ遼河地域で無文土器の時代が始まる。「ついで」というがむしろ「少し遅れて」とか、「ほぼ同時に」というべきであろう。

    多分起源も、担い手の人種も異なっていたと考えるべきでであろう。しかし韓国史学会にはそのような流れはなさそうだ。

    崎谷は無文土器文明の担い手を長江人としているが、無理がある。漢民族の流れと考えるのが素直であろう。

    中期無文土器時代は遼河地域ではなく、半島中部で発達した。代表となる松菊里文化は、紀元前850年から550年頃に栄えた。

    後期に入ると青銅器、終末期の使用が認められるようになる。水田耕作の形跡はなく、北方系由来であることを支持する。


    厚労省というのは本当に大変な組織である。厚生行政と労働行政は独立した大きな仕事である。
    コロナを見てみればわかる、PCR問題、収容施設問題、院内感染防止問題、など医療面でも課題山積であるのに、雇用助成金などもやらなければならないというのでは体がいくつあっても足りない。
    ところが、この間の衆参両院の予算委員会質疑を聞いていると、加藤厚労相なら平気でこなせることがわかる。
    やれません、やりません、やる気はありませんの三点セットですべて終了である。
    この人には、なにか積極的に取り組もうという気はサラサラない。その日をなんとかしのいでいくこと、間違っても言質は与えないこと、このことだけ守って任期をまっとうすればOKということだ。
    この人はもともとが大蔵官僚である。今回の内閣人事では財務省が幅を利かせているようだが、加藤も財務省から厚労相に送り込まれた刺客なのかもしれない。
    この間、PCR問題で厚労省の審議官という人がNHKの取材に応じていた。平気で嘘をつく。「厚労省はPCRの適応拡大に注力してきたが、行政末端がなかなか反応してくれない」というのだ。
    こういう連中が霞が関を取り仕切っている。彼らにとって加藤厚労相は、まことに使い勝手の良い衝立てであろう。
    色々事情もお有りと思うが、とりあえずは早くお辞めいただくことが一番だ。総理への道は絶たれたとお考えいただきたい。



    最近は随分と便利になったもので、審議官の発言がそっくりネットに残っている。

    「NHK クローズアップ現代」というシリーズで、「新型コロナ どう増やす? PCR検査」という4月28日(火)の放送だ。
    中身はここで読める。今なら「見逃し配信」も見られるようだが、腹が立つので見ないほうが良い。


    迫井正深さん(厚生労働省 審議官)

    (状況が変わったので、それに応じて)
    判断を少し弾力的にやっていかなければいけない。…その弾力的な判断がまだ浸透していない。
    私たちは何度も注意喚起(してきた)
    一方で、どうしても検査の件数が限られるので(現場が)絞っていくっていうのは事実です。
    (今後は)医師会の適切なご判断のもとで好循環を作っていきたい。

    武田:確認ですが、医師が判断して必要だと思われた患者さんについては、すべてきちっと検査をしていくと。そういう態勢は今、できているんだということでよろしいでしょうか。

    迫井正深審議官: 現時点で必ずそれが、基本はその通りだと思います。医師が判断したものは必要だという必要性が当然あるという前提でありますので、そういった検査をしっかりやっていくということが基本だと思います。
    答えになっていないどころか、日本語にもなっていない。質疑応答を準備していなかったということなのか。

    武田:今やろうとしているような検査の拡充であるとか、どうも少し後手後手に回っているんじゃないかなというような印象も禁じ得ないんですけれども、そこはどういうふうに振り返って感じていらっしゃるのか。

    迫井正深審議官: すべて完璧だということではない。
    必要な対応はやりつつ、(PCRについても)スピード感をもってやってほしい、という指摘と思う。
    そのためにも感染実態をしっかり把握することが必要だ。

    「不安がある、だから検査をしたい」というのはだめだ。(これからも)PCR検査そのものの性質、限界を理解して対象は制限する。

    未だにクラスター解析が本筋で、PCRは二の次だという認識だ。これには誰か裏がいる。それも相当強力な官邸筋と強くつながった人物がいる。この人物を洗い出して、早急に排除しなければならない。

    ひのまどか「戦火のシンフォニー」 紹介

    目下、「コロナと国際連帯」に打ち込んでいて、レニングラードどころではない。

    を一応の打ち止めにして、後は「コロナと国際連帯」をまとめようと思っていた。

    ところが、


    で一段落したところに、旅行仲間から上記の本をプレゼントされてしまった。
    それでパラパラと読み始めたところ、そのままのめり込んでしまい、結局読み通してしまった。
    一応読後感ということで、おさらいしておきたいが、長くなる危険も感じている。

    実は、道立図書館で「レニングラード攻防戦」という本も見つけてしまい、図書館が再開したら借りるつもりで居た。

    これはやばい。
    今回はとりあえず、レニングラード放送交響楽団のことだけ触れておく。



    この本の冒頭には、現地で関係者からの聞き取りもふくめて詳しく触れられている。

    ただ、どういうわけかこのオケについてはネット情報も結構豊富で、ちゃんとウィキにも一項目立ち上がっている。と言ってもきわめて簡潔だが…。まずはそこから始める。

    1.サンクトペテルブルク交響楽団 - Wikipedia

    1931年に、サンクトペテルブルク放送のオーケストラとして設立。

    1953年に、レニングラード放送を離れ、レニングラード・フィルハーモニア協会の傘下となる。「レニングラード交響楽団」と呼ばれていた。歴代の指揮者にアルヴィド・ヤンソンス、ユーリ・テミルカーノフら。

    1977年から現在までアレクサンドル・ドミトリエフが芸術監督兼首席指揮者を務めている。

    2007年、日比谷公会堂で井上道義の指揮で、ショスタコーヴィチ交響曲連続演奏会を行う。

    2.ディスコグラフィ

    数枚のCDが販売中(HMVとNAXOS)で、

    ①「戦時の手紙」と題された国内作曲家のアンソロジー。1983年の録音。
    ②ブラームスのダブル協奏曲でオイストラフ特シェヴィッキーの演奏。指揮はエリアスベルグらしい。ただし取り扱い停止中。
    ③エリアスベルグの指揮でブラームスの3番。こちらにはバイオリン協奏曲がカップリングされており、オケはソビエト国立だ。

    はっきり言って忘れられたオーケストラだ。


    3.「レニングラード放送交響楽団」の発見

    そこで、ひのさんの記述に入っていく。

    文学的な書き出しなので、事実を整理するのが大変だが、あらましはこうだ。

    2003年にひのさんが市内中心部の小さな博物館を発見した。

    博物館の正式名称は「ショスタコービッチ記念民間博物館」といい、1968年に開館した。

    この博物館の設立目的は、端的に「ショスタコービッチのレニングラード交響曲のレニングラード初演を記念」することにある。

    この曲のレニングラード初演は、レニングラード放送交響楽団によるものだったから、この博物館はレニングラード放送交響楽団を記念するものでもある。

    展示物の多くはこの楽団由来のもので、コレクションは2万点にのぼる。

    しかしこの博物館も、楽団さえも世間から忘れ去られた存在になっている。

    そこまでが前フリというか、ひのさんがこの楽団を注目するに至った経過でもある。


    4.この楽団の生い立ち
    1931年に、サンクトペテルブルク放送のオーケストラとして設立。
    ソ連時代には「レニングラード交響楽団」と呼ばれていた。
    というウィキペディアの記述は誤りである。

    サンクトペテルブルクという名称は第一次大戦を機にペトログラードとロシア風に改称されている。

    そして1924年にレーニンの死を機にレニングラードと再改称されている。だから1931年にはすでにレニングラードであり、この楽団が「サンクトペテルブルク放送のオーケストラ」であったことはない。

    1931年、最初はレニングラードラジオのコンサートオーケストラとして、まもなく大規模な交響楽団として成長した。

    戦争中、包囲された都市に残ったのはレニングラードラジオオーケストラだけだったが、冬の飢餓の間に事実上消滅した。

    その後ジダーノフの指示により再編成された。包囲中にオーケストラは300回以上演奏した。

    42年8月9日、エリアスバーグの指揮のもとで、ショスタコビッチの第7交響楽団のレニングラード初演を行った。

    これがある意味でこの楽団の絶頂であったのかもしれない。


    5.レニングラード・フィルの「二軍」になる

    ひのさんの本によると、どうも1953年の組織改編がかなり問題だったらしい。53年にスターリンが死んで、宮廷内クーデターでモロトフ、ベリヤが倒され、フルシチョフが勃興してくるので、このことが関係するのかもしれない。

    その前の48年にはジダーノフが急死し、彼の息のかかったレニングラードの幹部が一掃されている。

    何が(表面的に)起きたのか、関係者のインタビューがかなり詳しく紹介されている。

    文化省の決定で、フィルハーモニー協会に第二オケが創設されることになった。第一はレニングラード・フィルハーモニー交響楽団である。

    第二オケは、放送交響楽団を基盤とすることになった。

    その際、二つのオケが同じ名前だと紛らわしいので、こちらをレニングラード交響楽団と呼ぶことにした。

    発言を素直に受け止めれば、「踏んだり蹴ったり」である。

    放送交響楽団が、むかしからのフィルハーモニーに対して対抗馬として登場する、というのはヨーロッパではよくある話である。

    ましてレニングラード放送交響楽団は、多くの犠牲者を出しながら、レニングラードに踏みとどまった楽団であり、それなりのプレステージはあっただろうと思う。ただしジダーノフ・クズネツォフら当時の市指導部に引き立てられていたことも間違いない。

    楽団を記念する博物館は楽団に対するオマージュの象徴であるが、博物館がほとんどネグレクトされてきたのも、またその後の変化の象徴だったのかもしれない。

    ただ、このことについては私はあまり立ち入らないことにしようと思う。私の関心とは離れるのと、あまりにも情報が少なく判断しかねるからだ。

    今井佐緒里さんのレポート
    がすごい。これだけの報告を書き上げた集中力に心から敬意を表する。

    レポートの最初の言葉。
    この原稿を書くのに5日間かかった。
    一度は困難さに発表をやめようかと思ったが、あまりにも誤解が拡散しているので、不十分でも発表することにした。
    一言で言ってヘビーだ。しかしトランプのWHO攻撃と韻を踏んで、ネトウヨどもによって拡散されている現在、この問題から目を背けるわけには行かない。

    これを読むとわかるのは
    1.ニュースそのものが本当に存在したのか。フェークではないのか

    2.モンタニエが、正味のところ何をどう喋ったのかということ

    3.モンタニエの理屈がどこが筋が通っていて、どこが「トンデモ」なのか

    4.モンタニエがどのくらい怪しげで、どのくらいまともな人物なのかということ。モンタニエの背後にはどういう人達がいるのか。
    などということだ。

    これは私用の心覚えなので、どうか皆様には本文にあたっていただきたい。

    最後に、ついでに本庶先生のこと(こちらはまったくのフェークで、それ自体が犯罪行為)にも触れておく。

    1.できごとは本当に実際に存在した

    4月16日、フランスの「どうして?ドクター」という番組でのインタビューが始まりだ。

    モンタニエはこの中で「新型コロナウイルスは人為的なものであり、武漢の研究所でつくられたのだろう」と述べた。

    4月17日、24時間ニュースチャンネルで同様の主張を行った。

    とりあえず、核心的な事実はこの二つである。
    モンタニエ
    この件に関して論文は書いていない。つまり学問的な方法で自説を提示しているわけではない。

    2.モンタニエは、正味のところ何をどう喋ったのか

    彼の言葉は片言隻句ではない。ひとかたまりの論拠らしきものも付け加えられた主張である。

    今井さんの記事から書き出してみよう。

    ① 「武漢の研究所」が、20年前からコロナウィルスを研究してきたのは周知の事実である。

    ② 今回の新型コロナウィルスは、人工的に作られたものだ。コウモリのウイルスを組み替えたものだ。
    ③ 海鮮市場から出たというのは、美しい伝説だが、そのような可能性はきわめて乏しい。
    ④ 以上から見て最も合理的な仮説は、この新型ウイルスが「武漢の研究所」で作られたものということだ。
    ⑤ 「誰か」がエイズのワクチンを作りたかった。そのためにコロナウイルスを使った。そのウィルスの一つが、研究所から「逃げた」ということだ。
    ⑥ 中国政府が知っていたのなら、彼らには責任がある。
    このような内容を音声インタビューでもテレビインタビューでも言っている。

    3.モンタニエの理屈のどこが「トンデモ」なのか

    その前に、今井さんは日本のメディアにしっかりと釘を刺す。この怒りが難しい作業をしとげた原動力になっているのだろう。
    すべてのフランスの信頼に足るメディアは、彼の主張に対し検証か批判をつけて記事を流した。しかし日本での報道では、この批判部分をわざわざ削除した上で報道している。
    記事の信憑性をチェックする組織は、日本のメディアにはないのだろうか。
    ということで、どこが「トンデモ」なのかの分析に入っていく。

    ① エイズウイルスとの「奇妙な類似性」

    新型コロナ・ウィルスが人工的なものであるとする最大の根拠がこれである。
    奇妙な類似性
    モンタニエはこう語っている。
    インドの研究者グループが新型コロナのシーケンス分析を公表した。驚いたのだが、そこには別のウイルスの配列が入っていた。それは自然に混ざったものではない。
    彼らは公表しようとしたのだが結局撤回した。しかし科学的真実というのは重い。隠そうとしていても、現れるのだ。
    ② 「奇妙な類似性」への正統な反論

    たんなる偶然か、意味のある類似かの判別は統計的(というより常識的)になされる。

    もちろん我々しろうとの常識ではなく、専門家仲間での常識である。

    奇特な人もいるもので、ある「科学コミュニティ」ではエイズと新型コロナに共通するシーケンスを他のウィルスと比べてみた。そうするとサツマイモ・ウイルス、ネクタリン・ウイルス、スズメバチ・ウイルスなどが次々とリストアップされた。

    とにかく、それに意味をもたせようとするには、指摘されたシーケンスが短すぎる。エイズの配列を挿入しようとすれば、断片ははるかに大きくなるだろう。これが専門家の一致した意見である。

    ③ 余談: 青森のキリスト渡来伝説

    青森の戸来村にはキリスト渡来伝説がある。
    「キリストの里伝承館」には村とユダヤのつながりを示す数々の“証拠”が展示されている。
    言い伝えではイエスの弟イスキリが身代わりとなって十字架にかかり、本人は戸来で106歳まで生きたのだそうだ。
    キリスト記念館

    ④ シーケンスは作ることができるのか

    答えはイエスだ。現代の遺伝子工学では可能である。しかしそれは既存のウイルスの組み合わせという操作にとどまる。

    図で示されたようなマイクロ・シーケンスの変更は不可能であり、ましてそれにウィルス的意味をもたせること(遺伝的借用)は不可能である。

    以上より、新型コロナ発生への人間の介入は不可能であり、それが人工的なものである可能性はゼロであるといえる。

    したがってモンタニエの主張は青森キリスト説に匹敵する「トンデモ」説である。

    4.モンタニエはどのくらい怪しげなのか

    今井さんは、多分ここまで書いてきてブチギレているのだろう。悪口雑言撒き散らしている。

    しばらくはその言うところを拝聴しよう。
    モンタニエ氏の評判は全くかんばしくない。「トンデモ学者」「オカルト学者」とすら言われている。
    パスツール研究所は彼との縁を切っている。フランス国立医学アカデミーも彼を非難している。彼はその言動により、科学界から批判と嘲笑をたっぷりと受けてきた。
    あるとき彼はインタビューでこう述べた。
    良い免疫システムをもっていれば、人は数週間でエイズウイルスを追い払うことができる。
    彼はホメオパシー療法の伝導師となった。
    植物、動物組織、鉱物などを水で100倍薄めて振る作業(活性化)を、10数回から30回程度繰り返して作った水を、砂糖玉に浸み込ませた「レメディー」と呼ばれる治療薬を飲むのだ。
    なぜそれが有効なのか。水が、かつて物質が存在したという記憶を持っているためだ。

    ホメオパシーについては、日本医師会および日本医学会が公式見解を発表している。

    2012年には、約40人のノーベル賞受賞者が、彼を弾劾する共同声明を発表している。
    医学は嘲笑され、患者はだまされ、同胞は悪用された。これらの虐待を非難するのに、公的権力と保健機関は、何を待っているのでしょうか?
    もはやこれに付け加えることは何一つない。
    付け加えるとするならば、怒りを忘れた日本のメディアの無責任ぶりであろう。

    5.フェークが意図的に拡散されている

    本庶先生の名を語った偽情報が世界中に拡散しているようだ。どうも出どころはインドらしい。新型コロナのシーケンスにエイズ・ウィルスのゲノムを発見したというのもインド人だ。
    本庶フェーク
    これは素人っぽいフェイクだが、米国ではもう少し怪しげな話があるようだ。

    朝日の鵜飼特派員名の記事(20日)でこう書かれている。
    米国の世論調査では国民の約3割が「ウイルスは人造」と考えている。
    43%がウイルスは「自然発生した」と答えた一方、23%は「意図的に作られた」と答えた。とくに18~29歳の若い世代では、35%が人造説だった。
    FOXニュースのキャスターらは「研究所から流出」の説を後押ししており、米メディアによるとトランプ政権の中でも注目されている。
    ということで、こちらはかなり深刻な話になっている。とりわけ、若い世代が影響を受けているというところが怖い。世は乱世であり、ひょっとすると末世かもしれない。

    我々も、「バカバカしい」と切り捨てるだけではなく、しっかりと根拠を持って反論していかなければならないようだ。

    不勉強で、未だにHIVウィルスを発見したのはギャロだと思いこんでいた。

    今回突然、「新型コロナは誰か(中国)が作り出した」と主張して話題になった人物がいる。リュック・モンタニエという名前で、HIVウィルスの発見者としてノーベル賞を受賞している。

    常識ある人々の間では信じられないガセネタとして相手にされていないが、ネトウヨにはバイブルのように崇め奉られている。(25日日経)

    ということで、私の頭の中でまずはギャロ→モンタニエという道すじを辿らなければならない。この話はウィキでは慎重に避けられている。

    エイズ、ギャロ、モンタニエのどの項目を見てもウィルスの発見者が誰かを大抵するような表現はない。

    ただノーベル賞をもらったのがモンタニエで、ギャロは何ももらっていないこと、しかしギャロは学会を追われたわけではなさそうだということである。

    例によって年表だ(新納氏論文より作成)


    1981年

    6月 米寄生虫病センターのフォード、カリニ肺炎患者が多発していると報告。同じ頃米防疫センターのカラン、男性同性愛者に性器ヘルペスが多発していると報告。

    7月 米防疫センターの週報、同性愛者の間でカポジ肉腫が多発、これらの患者にTリ ンパ球の 減少があることが報告される。

    1982年

    9月 防疫センター、一連の症候をを示す疾患群を後天性免疫不全症候群(Acquired Immune Deficiency Syndrome:AIDS)と命名。

    国立がん研究所(NCI)のロバート・ガロがエイズ研究を開始。ガロは日本のT細胞白血病の病原体のレトロウィルスを発見した実績を持つ。

    1983年

    4月 仏パスツール研究所のリュック・モンタニエ、バレシヌーシ、シャーマンら、エイズ患者のリンパ節からウィルスを発見。

    パスツール研はガロにウィルスを送り、確認を依頼する。ガロはエイズ・ウィルスであることを否定。

    4月 モンタニエ、ガロに電話し。サイエンス誌への投稿推薦を依頼。その後、「サイエンス」は、要約がついていないことを理由に受け付けを拒否。

    5月 モンタニエ、上記研究を別の雑誌で発表。“LAV”(シンパ節症関連ウィルス)と名付ける。

    12月 パスツール研究所、“LAV” の検索法に関し、米国での特許権を申請するが無視される。

    1984年

    5月 ギャロ、「サイエンス」誌に「エイズ患者の末梢血からウイルスを分離した」と発表。“HTLV-Ⅲ” と命名。ガ ロが最初の発見者ということになる。

    1985年

    12月 ガロ、“HTLV-Ⅲ” の検索法に関する特許権を申請し認められる。

    1987年

    パスツール研、両者のウィルスの遺伝子構造が98%以上一致することを指摘。確認のためガロのもとに送られたウィルスが盗用されたと主張。

    レーガンとシラクが会談し、特許権を両国で二等分することで合意。

    1990年

    シカ ゴ ・トリビューン紙のク リュー ドソン記者、「ギャロの“HTLV-皿”は、モンタニエらの“LAV-BRU”を盗用したもの」と報道。NIHが調査に乗り出す。

    1991年

    2月 「ネイチャー」誌、両者のウイルスは全 く違うものであると発表。

    5月 ガロ、「ネイチャー」誌に投稿。“HTLV-皿” がパスツール研から送られてきたウィルスだったことを認める。

    この間、製薬業者からNIHに、年間600万ドルの特許権料が支払われていた。


    25日付け日経新聞の1面にローレンス・サマーズのインタビューが掲載された。
    オバマ政権で国家経済会議委員長を務めた人で、米国の典型的なリベラル派の見解を表していると思われる。

    1.先進国システムへの試練としてのコロナ危機

    グローバリズムの進行した世界では、相互依存関係が強まるため、影響は一国にとどまらない。それは分かってはいたが、前例はなかった。

    21世紀の先進国に共通するシステムは、「民主主義と資本主義の複合体」だ。このシステムがこの危機に対応し機能できるのかが試されている。

    2.「システム」への不安

    「システム」を率いる政府が不適切な方針を出した場合どうなるか、トランプ政権を見ているとそういう不安がある。それはいわばシステムの抱える脆弱性だ。

    トランプはコロナに対する経済政策を誤解している。そのために感染者や死者の増大に歯止めがかからなくなっている。いまは医療専門家の意見に従い感染を抑えるための努力に集中すべきだ。


    3.「システム」を支える社会保障制度

    米国にはお金がないために病院に行けない人が少なくない。オバマ政権は社会保険制度の拡充を主張し続けてきた。コロナがその正しさを証明している。


    4.格差の拡大がコロナ危機をもたらした

    「システム」の経済的土台である資本主義経済がひずみを強めている。資金が溢れている一方で、実体経済は長期停滞を続けている。

    投資機会を失った余剰マネーが金融市場に流れ込み、金融資産を押し上げた。この結果富裕層に集中が集中している。

    富裕層はさらに富を求め、役員報酬を引き上げ、多くの株主還元をもとめ、自社株買いに走っている。

    政府の支援は労働者やその家族を対象にすべきだ。向こう見ずな行動をとってきた企業を救うべきではない。


    サマーズといえば、日本ではむしろ「悪役」として名高い。クリントン政権期に財務長官を務め、金融自由化を遮二無二推し進め、日本に無理難題をふっかけ、アジア通貨危機の引き金を引いた人物である
    「たかが金貸し風情が出過ぎたまねをするんじゃないよ」を参照されたい。

    そんなやつにお説教されとうはないが、さすがに歴史を俯瞰する眼は持っているようだ。「民主主義と資本主義の複合体」という観点は、民主主義の方に“?”は着くものの、理念型としてはアクチュアルだと思う。


    米国はWHOへの資金拠出を停止したが、今度はコロナ薬開発についても共同を拒否した。
    理由は同じで、EHOが中国寄りだということだ。
    どこまでこの考え方で突っ張るのだろうか。
    当然、学会や医療界はこんな考えを支持していないのだが、そのように総スカンを食らってでもトランプは突っ走るのだろうか。共和党と支持者はこのような愚かな考えに追随するのだろうか。

    すっきりと一周忌 

    1年前の午後8時、痰が詰まって妻は死んだ。思いの強い人だったから、誰かに憑いたり、死んだ後に消火器を爆発させたり、いろいろあった。
    預金、生命保険、不動産…と、後始末にはいろいろ苦労させられた。が、それも半年でほぼ片付いた。
    そして今日、コロナもあったりして、誰も居ない二人っきりの命日だ。
    実はひそかに、午後8時、何かが起きるかと思って期待しながらカウントダウンしたが、何も起きなかった。
    遺骨はあっても人の気配はなくて…ただちょっと寂しかっただけ。
    何も起こらなかったし、誰も来なかったし、コトリと音も立たなかった。
    それで8時半、一人ぼっちのカウントダウンは終わった。
    一応これでもう終わりだろう。こんなものだろう。あとは店じまいして、その後は自分の店じまいに取り掛かろう。

    コロナショック、それとどう闘うか

    1.社会防衛システムの脆弱化との複合

    新型コロナはきわめて異例なスタイルでアウトブレイクし、パンデミックに至った。

    それ自体はいずれ様々な分析がなされるだろう。

    同じコロナウィルスによる感染であったが、武漢を発火点として東アジアに広がった第一次流行は比較的一旦収束の兆しを見せたが、イタリアで始まった第二次流行は凄まじく、あたかも100年前のスペイン風邪を彷彿とさせる拡大ぶりを示した。

    “いわゆる文明先進国” に進出した新型コロナウィルスは、毒力・感染力ともに、武漢出発当初とは比較にならないほど強力になったかのように見えた。

    しかし統計を詳細に分析してみると、公衆衛生的、社会医学的分析の示したものは、ウィルスの強さではなく、生活習慣の問題でもなく、社会防衛体制の脆弱さだった。それは、この間の緊縮財政による社会保障制度の改悪と医療供給体制の骨抜きがもたらしたものであった。

    言い換えれば社会システムの足元が脆弱化していたことが、アウトブレイクの主要な理由であった。かつての欧米先進国は、すでに支配層の手によって「後進国化」していた。そのことがコロナによって暴露されたことになる。

    次いで流行の主舞台となった米国においては、とくに貧困層の環境衛生、労働者の無権利状態、無保険状況が砂漠のように広がっており、その必然的な残酷な反映であった。

    かくのごとくして、コロナ大流行は、国民の医療を受ける権利、ひいては生きる権利が毀損されている現状こそが最大の問題であることが明確になった。


    2.生活インフラが崩壊するという特殊性

    人々が社会の一員となって生きていくためには、生産活動と生活(消費)活動が必要である。生産活動のためには水道・電気、土木・建設、交通・運輸、通信などの生産インフラが必須だ。

    一方生活インフラとしては、教育・学習、医療・保健、安全・保清、文化・スポーツなどのシステムがあげられる。

    生活インフラの多くは、「対人サービス」として提供される。いわば人材集約型インフラである。それは社会が豊かとなり消費が多様化するにつれて、多種多彩となる。

    こうして社会の生産力が高まるにつれて、ますます多くの労働人口が生活インフラ(いわゆる第三次産業)に関わるようになる。

    このシステムは生きた、労働と消費が同時進行する “生身のシステム” なので、一定期間以上休むことができない。作り置きが利かないのである。

    たとえ部分的に補償されたとしても、被害が長引けばそれは腐朽化し干からびて、最後は倒壊することになる。

    コロナ危機の特徴は、それが生活インフラ崩壊と需要減退との複合危機だという点にある。だから内包する深刻さはリーマンショックや大恐慌とは異次元のものになる。


    3.コロナ・ショックはリーマン後10年の集大成

    コロナ・ショックはリーマン・ショック(欧州ソブリン危機をふくめ)以来の10年間の集大成となるだろう。

    リーマン・ショック以来の経済・金融政策は金融崩壊の危機から世界を救った。しかし問題を解決したわけではなく先送りしただけだった。

    大量に発行された通貨はすべて富裕層の手に落ち、新興国から強引に回収された富も富裕層のものとなった。それは貧富の格差を一層強めた。

    同じような傾向はすでにコロナショックでも出現している。欧米では企業補償・支援として給付された資金が株主還元、あるいは自社株買いに回される事例が頻発している。

    この間に起きた出来事は、ひとくるみにすればモラルハザードの進行と、金融操作の行き詰まり、ドルをもふくめた通貨の不安定化だ。

    民衆は失業と国家からの排除により、国のうちにあってもディアスポラ化し、喪失感と不安定さと過激さを増している。


    4.まず必要なのはコロナとたたかう「戦費」の調達

    すでに多くの国で開始されているが、医療の維持、補給線の維持、就業支援、休業補償などは籠城戦を目的とする出資だ。生産・雇用維持には高い効率をもたらすが、経済復興の投資枠には括れない。

    これは戦線を維持するための費用であり、どんどん消えていく金だ。これで直接景気の改善が見込めるわけではない。戦費に経済効率を云々しても始まらない。経済産業省の役人が出る幕ではない。

    このような資金を手当するには「戦時公債」型の資金調達しかない。

    韓国では「これは安全保障費の一部なのだから防衛予算の組み換えで原資を捻出せよ」という意見がある。構えとしてはそういうことだ。


    5.金融安定化政策

    これで戦線後退を避けながら、中期的な経済再建に臨むことになる。その際重要なのは現金(真水)の潤沢な供給で、これは欧州通貨危機でも試され済みだ。

    今回は10年前の苦い経験を踏まえ、ECB、FRB、IMFが揃って機動的出動の構えを見せている。

    新興国の債務との関係で一番前面に出るのがIMFであるが、伝家の宝刀のSDR引き出し権をどこまで拡大できるかは、米国の出方にも関わってくる。

    これは正念場であり、トランプの介入を許さずにG20とFRB、IMFの連携がいかに大胆に進められるかが鍵を握っていると思う。


    6.WHOへのトランプの介入を跳ね返す

    WHOなしにコロナとたたかうのはレーダーなしに航海するのに等しい。専門機関の助言と国際間の協力がなければコロナ危機の克服は不可能である。ブーメランが繰り返されるのみだ。

    このことはとくにアフリカなどの国々において明らかである。南アフリカではコロナ流行の只中に鉱山操業を再開したとのニュースを聞いた。生活が立ち行かなくなったからだという。実に暗然たる気持ちにさせられる。

    トランプは知性の欠片も感じられない罵りと、常軌を逸した介入を繰り返している。目障り極まりない。しかしこういう危機にはこういう人物がお定まりのごとく登場するのであり、それもふくめて我々は乗り越えていかなければならない。

    繰り返す。WHOを始めとする国際諸機関の活動を断固として支持し、国際協力を深めていかなければならない。そのことを通じてWHO分担金拒否がいかに犯罪的なのかを暴露し、抗議を集中させていかなければならないと思う。


    7.共通の敵には共通した闘いを

    コロナは国境や人種を超えた人類共通の敵である。短期には各国別の取り組みになるのもやむを得ないが、この闘いはかならず中長期のものになる。

    どこの国が悪いとか誰の責任だと言っていても始まらない。対岸の火事と思っていれば必ずしっぺ返しに合う。ののしりやあなどりは自らの「科学的文盲」の証にほかならない。

    各国が連帯し協調して取り組まなければならない。国連や国際諸機関(WHOやUNICEF、UNESCO、UNEP)に結集して取り組まなければならない。

    その際は、経済原則とは別にもう一つの価値観として、「人間の安全保障」という価値を打ち立てておく必要があるだろう。(日本がその提唱国であることを念頭に置く必要がある)

    世界のすべての人が安全にならない限り、私たちは安全に暮らせるようにはならないのだ、ということを肝に銘じておく必要がある。


    ちょっと古い記事(20年03月26日)だがニッセイ基礎研究所のレポートでこんな物があった。

    欧州の新たな危機-ドイツの大規模財政出動だけではコロナ危機は克服できない」というもので、筆者は経済研究部 研究理事の 伊藤 さゆりさんという方。


    要旨の要旨

    1.コロナ・ショックはリーマン・ショックを超えるおそれがある。EUの持続可能性が危ぶまれる事態も想定される。

    2.ユーロ圏の債務危機でECBの初動には問題があった。流動性の危機への配慮が不十分であった。それは後に修正された。

    3.しかしコロナ危機では資金供給という対策では不十分であり限定的である。事態を回避する鍵は危機対応での「連帯」と「協調」にある。

    4.債務危機の際の経験は教訓化されているが、不十分だ。「コロナ対策投資イニシアチブ」は少額であり、回収を前提とする「投資」の枠にとどまっている。

    5.新規募集する「コロナ債」の可能性は依然として不透明である。
    前回も流産に終わった共通債構想は、南北間の対立の構図から抜け出せていない。
    国際的にも自国主義の流れが強まるもとで、主要国の協調が難しくなっており、情勢は流動的である。

    本日の赤旗にコロナに関する大型特集が掲載されている。相当の調査に基づく気合の入った文章で、説得力が高い(何かネタがありそうな感じもするが…)

    23日の欧州連合首脳会議が、波乱要因含みとはいえかなり前向きな合意を実現したことが重要である。

    私も詳しくは知らないが、メルケルの強いイニシアチブがドイツやオランダの保守派を押し込んだことが要因と考えられる。

    それはまた、リーマンショックに続いた欧州金融危機でドイツ、オランダだけでなくECBやIMFなども南欧危機に背を向けたこと、それが金融危機を長引かせ、経済再建を困難にし、労働問題や難民問題を深刻化させ、それがひいては極右の進出と社会の分裂を招いたことへの、一定の反映も見なければならない。

    試行錯誤のすえ、EUはその危機を金融緩和(量的緩和とマイナス金利)と国民大衆の生活切り捨てでしのいだ。しのいだというより表面を糊塗したのだが、じつは問題は構造的にはむしろ深化していたのだ。

    富の不均衡は資金分布の不均衡をもたらし、金余りとカネ不足のまだら模様が蓄積している。

    ベンチャーという名のペーパー・カンパニーが万円し、その日暮らしで借入金依存の財務体質が広がっている。

    それが露呈されたのが今度のコロナ危機ということになる。

    コロナ危機は、10年間にわたり蓄積された経済構造の歪みが、大雨で決壊したようなものである。

    これからは、二つの経済危機の複合体としてのコロナ危機が拡大していくであろう。

    今度はもはや、米連銀頼み、量的緩和一本槍の政策対応では乗り切れない。バケツの底が抜けてしまったのだから、まずそこを修復しないとマネーが持たない。

    全世界が団結しないと、世界はトランプと習近平のものとなる。

    1.コロナ問題が金融危機に発展する可能性

    すでに実態経済の落ち込みは始まっているが、これが金融市場の混乱や金融機関自体の危機に発展するかどうかだ。

    焦点は二つある。
    一つはクレジットの市場の動向だ。外貨資金調達、米国債、社債がどう反応していくかだ。金融市場が実体経済とのあいだに負のシナジーを起こす危険がある。

    もう一つは新興国の動向だ。こちらはコロナそのものの影響がこれから出てくると考えられ、これが債務等にどのように反映されていくかは未知数だ。

    2.長期の金融緩和による不均衡

    コロナ問題は普通の金融状況のもとで起きているわけではない。

    リーマンショック以来の大規模な金融緩和が長期化する中で、資金分布の不均衡が蓄積している。

    低金利のもとで借入金依存の財務体質が広がっている。投資家は運用利回りをもとめて規制外のファンドに集中している。

    一言で言って金融危機の出現する条件が整いつつある。


    3.グローバル化はどうなるか

    急速な経済グローバル化は、世界に格差や難民問題、貿易戦争の激化をもたらした。これはすでにコロナの前から深刻な問題となっている。

    このような矛盾を前にポピュリズムや極右という扇動政治のスタイルが広がっている。

    その背景には、グローバル化の成果を実感できない中間層の「超グローバル化」への拒否反応がある。

    このような状況の上にコロナが来たのだから、グローバル化が後退を見せても不思議ではない。


    4.国際化の必要はむしろ高まっている

    ただ、格差の増大を伴うとはいえ、グローバル化が国際的な生産力向上と結びついているのも確かである。

    これが本当に逆回転を始めると、すぐに生活水準の低下がもたらされ、人々はますます不満を募らせることになる。

    政治家や政策当局者は、このようなグローバル化の両面の真実を認識する必要がある。そしてその上で、各国の協力関係が後退しないよう努力しなければならない。

    これが新しい国際化ということであり、その必要は高まっている。

    5.コロナ危機と中央銀行

    中央銀行の意義は大変大きい。

    第一に、資金流動性の確保による市場機能の維持である。現在主要中銀間でのドル融通の強化とFRBによる資産買い入れが柱となっており、目下のところ有効に機能している。

    第二に、コロナ危機という特殊な経済環境においては、産業活動の強力な抑制がもとめられており、金利政策は有害無益だ。
    もっぱら通貨供給の維持に力を注ぐべきだ。

    資金を投下しても、「流動性の罠」が形成されれば情勢は複雑化する。金融機関の信頼が持続されなければならない。

    これらが新次元の国際金融政策の骨格となるだろう。

    6.コロナ危機からの経済再建

    危機の性格から言えば、資金の潤沢な供給と、手厚い国民生活保障があれば、実体経済の回復と急成長は可能だ。

    その際、中銀や金融界はあまり手出しをせず、市場を信頼して臨むことが大事であろう。

    白川方明前日銀総裁の談話を元に編集した。


    ドイツ連邦共和国大使館 ホームページより


    事態は深刻です。社会全体の結束した行動が、ここまで試された試練はありません。

    未だ、新型コロナウイルスの治療法もワクチンも開発されていません。

    こうした状況において、唯一の指針は、ウイルスの感染拡大速度を遅くし時間を稼ぐことです。

    単なる抽象的な統計数値で済む話ではありません。実際の人間が関わってくる話です。そして私たちの社会は一人ひとりの人間のいのちが重みを持つ共同体なのです。

    何よりもまず、我が国の医療体制で活動してくださっている皆さんに呼びかけたい。皆さんが果たされる貢献に心より御礼を申し上げます。

    喫緊の課題は、ウイルスの感染速度を遅らせることです。そのためには、社会生活を極力縮小するという手段に賭けなければならない。

    休業措置は生活や民主主義に対する重大な介入であることを承知しています。かつて経験したことがないような制約です。

    次の点はしかしぜひお伝えしたい。それは渡航や移動の自由が苦難の末に勝ち取られた権利だということです。それが前提となっていることです。

    それを経験してきた私のような人間にとり、絶対的な必要性がなければ正当化し得ないものなのです。生活の制限は、民主主義においては、決して安易に決めてはならないものです。

    しかし今は、命を救うためには避けられないことなのです。

    大企業・中小を問わず企業各社にとり、また小売店、飲食店、フリーランスの人たちにとり、状況はすでに非常に厳しくなっています。そしてこれからの数週間、状況は一層厳しくなるでしょう。

    私は皆さんにお約束します。政府は、経済的影響を緩和し、特に雇用を維持するため、あらゆる手段を尽くします。

    (中略)

    感染症の拡大は、私たちがいかに脆弱な存在であるかを見せつけています。しかしそれは、結束すれば、互いを守り合うことができるということでもあります。

    困難な時期であるからこそ、大切な人の側にいたいと願うものです。思いやりということを、本当に全員が理解しなければなりません。

    事態は流動的です。私たちは常に学ぶ姿勢を維持していきます。

    例外なく全ての人、私たち一人ひとりが試されているのです。ご静聴ありがとうございました。


    大事なことは民主主義を守ること、思いやりを基本とすること、弱者を守ること、学ぶ姿勢を貫くことだ。そこを外さないでいるところが正しい。
    半年前、まだ「メルケルの賞味期限は切れていない」と書いたが、その通りだ。さすがだ。

    まことに暗然とする記事だ。日経19日付けでニューヨークとロンドンの特派員の共同執筆記事。

    基礎事実: 米国はコロナ対策で支援の条件に自社株買いの禁止を盛り込んだ。ドイツは旅行大手のTUI支援に際し、貸付期間中の配当停止をもとめた。フランスは支援の条件として配当と自社株買いの停止をあげ、救済資金を雇用の維持に使うようもとめた。

    以下、欧米諸国における自社株買いと配当の状況がるる述べられているが、読めば読むほど酷いものだ。

    ひと昔前は「ハゲタカファンド」とか言ったが、いまはファンドはみんなハゲタカかハイエナだ。これが富裕層の論理であり倫理なのだ。

    このことは同時に、企業に資金を投入しても、企業に使いみちがないことを示している。もちろん企業に金融面での下支えは必要だが、もっと必要なのが市民・労働者の所得の底上げだということを示している。

    このことはコロナ後の世界でますます明瞭になるだろう。

    日経新聞19日社説「WHOの機能を低下させるな」

    1.課題はあるにせよ、いまは何よりも新型コロナの拡大防止に力を合わせるときだ。WHOの機能を低下させてはならない。

    2.WHOは新型コロナの情報を集め、対策を助言している。その役割は他に代えがたい。

    3.WHOは他にも積極的な役割を果たしている。治療薬の臨床試験、ワクチン開発の国際プロジェクトを組織している。
    途上国への支援、新型コロナ以外の予防治療計画も進めてきた。

    4.WHOが機能を低下すれば、途上国などの感染を深刻化させ、改善した国に再びウィルスが持ち込まれる恐れがある。

    5.日本や欧州諸国は米国にWHO支援停止の撤回を求めるべきだ。同時にWHOの運営には積極的に関与すべきだ。

    * テドロス事務局長に親中国姿勢などの問題があることは確からしい。

    * 4の「感染ブーメラン」論が最大のポイントだが、これだけだと「ソロバン勘定」にも聞こえる。やはり「人間の安全保障」の観点まで姿勢を持ち上げるべきだろう。

    厚労省の切り替え遅延が大流行を招いた

    現場で頑張っている人には申し訳ないが、行政機構におけるクラスター対策からPCR励行策への切り替えの遅れが、大流行をもたらしたと言わざるを得ない。

    北海道保険医会

    その証拠が北海道保険医会の会員アンケート調査だ。この会は医師会と異なり任意加入組織だが、北海道では開業医の大多数が加入している。

    開業医の現場の声を反映していると見てよい。赤旗に調査結果の一部が報道されている。

    衝撃の数字

    この中で最も衝撃的な数字が、
    「医療現場の焦点、医師がPCR検査を必要と判断しても保健所に拒否されたのは111例ありました」という記載。

    回答数が284件と比較的少ないので、比率としては判断できないが、回答者の多くが相当腹に据えかねていることは察せられる。

    拒否の理由

    理由は「海外渡航歴、居住歴がない」「感染者、渡航者との濃厚接触がない」「集中治療の必要がない」を挙げています。

    拒否された人の中には「肺炎を発症していた」「撮影から肺炎を疑った」との事例もあったといいます。

    「十分な時間があったにもかかわらず、政府の対応は行きあたりばったりで現場は混乱している」

    加藤厚相の姿が見えない

    コロナの二次拡大が始まり、市中感染としての扱いが必要になったころ、テレビから加藤厚相の姿が消えた。

    官邸筋の対策チームの医師は出てくるが、対策を立てるべき本家の姿が見えない。エリート官僚の出身でなかなか優秀な人材と思ったが、一体何があったのだろう。

    姜尚中の「在日」(集英社文庫 2008)を読んだ。

    彼がそこまで語ったのなら、その上で一言言っておきたい。それは、彼にはまだ語っていない部分があるということである。それで良いと思う。

    彼がある意味で饒舌であればあるほど、それは語りたくない部分を語らないで済ますための饒舌さであることが、皮膚感覚として伝わってくる。

    自分を語らず、誰かを語ることで自分を語ろうとする。そこが男なのである。

    女は違う。例えば辛淑玉は、闘うときに全部脱いでさらけ出してから語り始める。だから彼女は美しいし、彼女の演説は涙なしに聞けない。

    それに比べると、姜尚中の話は未練たらしいし、どこか胡散臭いところがあるが、それは男の話だからだ。

    「男は黙ってサッポロビール」なのだ。

    最近の赤旗の論調とは著しく背反する議論だが、
    愛煙家がタバコをやめられないように、昔の人間は「男らしく」がやめられないのである。

    竹之下芳也 『エンゲルスの唯物論・自然弁証法は時代遅れだ』
    というまことに挑発的な論文があって、正直のところ面白い。

    少し、つまみ食いしてみる。

    1.序論 自然哲学の歴史

    ケプラー、ガリレオ、ニュートンの評価がほとんどされていない。三者を通じた認識の進化を分析した武谷光男の3段階論も視界の外である。

    エンゲルスはニュートンの「力」を誤解していた。ニュートンのいう「力:force」は、質量掛ける加速度として定義されたものであって、常識の社会で使う「力」とは異なる。

    ニュートンは、運動には根拠・原因があることを示した。物質はそれ自身で運動しているわけではなく、外から力を加えられない限り運動しないことを示した。

    現代の唯物論の運動論は、古代ギリシヤそのままで、誠に時代遅れである。

    ここまで読んで、もうやめようと思ったが、もう少し続ける。

    しかしエンゲルスは、ニュートンのエネルギー論については最大級の評価をしている。

    それは良いのだが、エンゲルスのエネルギー論理解には多くの欠点がある(詳細は略)

    2.質量転化の法則について

    エンゲルスは運動とエネルギーの違いを理解していない。
    しかし化学物質についての「量質転化の法則」の議論は今日でも肯定されるべきだ。

    この辺では、竹内氏はほとんど「泥酔」状態だ。

    3.運動の基本的諸形態

    (イ)運動は、物質の内蔵する属性か

    ここでは再び「物質はそれ自身で運動しているわけではない」というニュートンの主張が繰り返される。

    つまりニュートンからエンゲルスの議論を導き出すことは出来ないと主張しているようだ。それは正しい。なぜならニュートンは不十分だからだ。

    (ロ)運動は牽引と反発とからなる

    これらの議論は、ニュートンの力学を否定するものである。万有引力は引力のみであって、反発力は定義されていない。
    このような議論が、この21世紀の今日まで通用しているとは驚きであるというか恥ずべきことである。
    あぁ聞いていて恥ずかしくなる。

    もうやめた。
    この人はニュートンを金科玉条とし、エンゲルスがこの近代科学に対して忠実でないと怒っているようだが、ニュートン力学が近代・現代科学に対してどういう位置にあるのかを考えていない。

    要するにエンゲルスを批判するにあたっての、自らの立ち位置が、とんと不分明なのである。

    題名にあげた「エンゲルスの自然弁証法は時代遅れか?」という問題意識だけなら、私も共有したいのだが、このひとの問題意識には現代物理学の知識が欠如していて、まったく説得力がない。
    読んでいる私が恥ずかしいくらいだから、撤回するようおすすめする。


    エンゲルスが時代遅れだということは誰が考えたって分かる話だ。
    おそらくエンゲルスが19世紀末に書き溜めたノオトなのだろうと思う。それが1930年ころに発見されて世界に広がった。つまり書いてから40年後の話だ。時代遅れに決まっている。
    肝心なことはそれを承知の上で若き科学者が感動したということにある。エンゲルスの自然弁証法が武谷の三段階論や坂田の理論、さらに益川のクオーク理論まで生み出したことに注目すべきなのである。
    それに感動しつつ、エンゲルスの歴史的限界を指摘しようというのが我々の問題意識だ。そこが共感できない人が議論に参加しても、それは場外乱闘を招くに過ぎない。
    議論を生産的なものとしようと考えるならば、最低でも、戦前の唯研での客観的唯物論論争は議論の土台にしてほしい。


    まさしく危機なのだから、医者や疫学者が危機あおりをするのに別に反対はしませんが、
    危機管理プロパーの専門家が、「医療崩壊を防ぐことが最重要課題だ」と強調するのには違和感を感じます。

    患者さんの命を守ることこそ最重要課題であり、

    そのためにご協力願います、と頭を下げるべきではないのか

    というのが、私の率直な感想です。
    そうでないと、医療崩壊を防ぐためにPCRをやらない、あるいは軽症者は自宅待機とするという発想に行ってしまうのです。私はそういうのを目的合理主義と言っています。

    医療崩壊を防ぐことは最緊急課題であることは間違いありません。しかし最重要目標とは必ずしも言えません。中長期的に見るなら、現代世界がコロナを克服するために最重要な課題は、死亡者をできるだけ少なく抑えることであり、流行の終焉を遅滞なく迎えることです。そして闘いは間違いなく中長期化するのです。

    そのためにはとりわけ社会的弱者に疾病の拡大と蔓延を防ぐことです。社会的弱者は一つは高齢者ですが、もう一つは貧困者です。これが最重要な戦略課題です。そのために貧困者に最大限の支援をつぎ込むべきです。

    医療崩壊の防止に注力するのは、現下の状況では致し方ないことでしょうが、決して無条件に正しい議論ではなくて、それだけでは「社会防衛思想」に横滑りしかねない側面を持っています。

    “致し方のない選択なのだ” という保留は必ずしておくべきだと思います。

    もう一つは集団的叡智を寄せ集めるために、医療リテラシーの向上が必須だということです。みんながコロナの専門家になり、PCRの適応や結果の受けとめなどに高いレベルでの社会的合意を実現することです。専門家任せにすることなく、非常事態を主体的に受けとめ、多集団的に対処することが大事だろうと思います。

    気になるのですが、我々のスローガンは「医療を支えよう」ではないと思います。「医療」だけではありません。多くの関係部署のスタッフが、危険を顧みず、激務をいとわず奮闘しているのです。

    業者やフリーランサーの皆さんは生活を犠牲にして、真っ暗な将来への不安と闘いながらいまを耐えているのです。

    近未来を見据えるならば、「みんなで支え合おう。弱者を守り抜こう!」こそが真の呼びかけであろうと思います。

    アラン・マクレオド   Venezuelanalysis 


    1.米国の政権転覆の動き

    米国はベネズエラの政権転覆を長い間計画してきた。これは公然の秘密である。

    トランプ大統領は18か月以上にわたって、軍事侵攻をほのめかせてきた。

    フロリダでの最近のスピーチでは、「ベネズエラでは社会主義と共産主義の時代が時を刻んでいる。我々は近いうちにカラカスで、人々が何をするかを見ることになるだろう」と述べた。

    ペンス副大統領は、マドゥーロ大統領を「独裁者」と罵り、グアイド“大統領”の「自己宣言」にアメリカ国民の「揺るぎない支持」があると述べた。

    米国はベネズエラの経済を破壊し、マドゥロを政権の座から追い落とそうと試みてきた。そして何度も違法な制裁を繰り返してきた。

    また、ベネズエラを政治的および経済的に孤立させるために、他の国々にも同じことをするようもとめ威嚇してきた。

    2.策動は失敗しつつある

    しかし、対米盲従的な国際メディアの最強の側面攻撃にもかかわらず、崩壊の瀬戸際にある孤立した国としてベネズエラを描く試みは惨めに失敗した。

    現実には、国際社会は米国のファン・グアイドおしつけを拒否している。国連加盟国の約75%はマデューロへの支持を表明している。

    メディアは、国連人権理事会が米国の“制裁”を明確に非難する決定を下したことをまったく報道しなかった。

    この決定は、米国がベネズエラの最も貧しく最も脆弱な人々を標的としていると指摘している。

    国連はすべての加盟国に不法な“制裁”を破るよう求めた。さらに米国がベネズエラに支払うべき賠償についてさえ話し合った。

    国連のアメリカ問題特別視察官アルフレッド・デ・サヤスは、“制裁” は中世の包囲に類似していると述べた。そしてアメリカは人道犯罪に当たる可能性があると非難した。

    この驚くべきニュースは国際的に広く報道された。しかし主流の西側メディアは、事実上完全に無視した。


    3.マドゥーロ政権を倒すさまざまな試み

    トランプの政権転覆計画が示したのは、彼の呆れるほどの能力不足にほかならない。

    マルコ・ルビオはずっと、ベネズエラ軍に政権離脱とマドゥロ打倒を求めていた。しかしこの戦略は、軍が忠実を保ったため、完全に消えてしまった。

    国連と赤十字は「人道援助」の仮装行列への参加を拒否した。“人道” を考慮するための最小要件さえ満たしていないからだ。

    一方マドゥーロ政権にはこれらの機関から本物の(genuine)援助が与えられた。

    米国はコロンビア国境で「支援物資」を暴力的に送り込もうとした。もしベネズエラ側が抵抗すれば、そこを血の海にするつもりだった。

    それは受け取り側の「民主派」活動家が自分たちの支援トラックに発砲するところが発見されたおかげで、失敗に終わった。

    その他、億万長者のリチャード・ブランソンによる「ベネズエラ・エイド」と銘打ったライブコンサートがあった。

    大スターが看板を飾った大規模なコンサートだった。国境に集まった観衆は数千人だった。

    なぜトランプのベネズエラ作戦がうまく行かないのか。それはトランプのグループがオバマ政権のときのような規律と洗練を欠いているからだ。

    彼らは相次いでヘマをやらかしている。そして彼らのやろうとしていることが民主主義と人権と無縁であることを白日のもとにさらしているからだ。

    エリオット・エイブラムスはラテンアメリカの政権転覆と虐殺における影の指揮者として悪名が高い。

    彼が最初に有名になったのは1980年代後半、援助を装ってニカラグアに武器を密輸した作戦を指揮した事件だった。

    エイブラムスがトランプ政権に任命されたことは、これから起こりそうなことへの明確なシグナルだった。

    トランプのもうひとりの壊し屋、ジョン・ボルトン特別補佐官は隠された箇所を大声で語り、秘密を漏らした。

    ベネズエラはアメリカ企業にとって商売のビッグ・チャンスだ。ベネズエラの石油を引き継げば「米国に大きな変化をもたらす。

    ボルトンはまた、「マドゥロ大統領をグアンタナモ湾の拷問キャンプに派遣することを検討している」と公言した。

    もうひとり、マルコ・ルビオは、リビアのカダフィ大佐の傷ついた死体の写真をツイートして世界に衝撃を与えた。

    エリオット・エイブラムスが任命された直後、別のスキャンダルが判明した。

    米ニュースサイト「McClatchy DC Bureau」は、アメリカ籍飛行機がマイアミからベネズエラに武器と弾薬を密輸していたことを明らかにした。

    飛行機はその年だけで40回以上、ベネズエラに往復していた。 これは米国政府の「善良な意図」を国際社会に納得させるものではない。


    4.グアイド擁立の失敗

    ワシントンが大統領に選んだ男、グアイドはその血に飢えた社会変質者としての側面をさらけ出した。

    彼が大統領就任を宣言したとき、ベネズエラ人の80%以上がその名を知らなかった。

    彼は名乗りを上げた去年1月、こう語って国民を驚愕させた。
    「衝突の犠牲となった人々の命はコストではなく将来への投資なのだ」

    グアイドが国民の上に君臨できなかった主要な理由は、あからさまなクーデターの振る舞いです。

    最近の世論調査では、ベネズエラ人の80%以上が米国の制裁に反対していることが示された。そして、もっと多くの人がアメリカの軍事介入に反対している。

    国際社会はますます米国を包囲しつつある。

    最近の国連安全保障理事会ではベネズエラに関する公聴会が開かれた。席上、米国は南アフリカに非難された。

    南ア代表は述べた。
    アメリカはベネズエラの法律と憲法上の権利を踏みにじっている。アメリカはベネズエラ国民が自らの将来を決めようとする権利を奪おうとしている。

    ボリビアもアメリカを非難した。アメリカが他国への不干渉という国際関係の基本を破り、ベネズエラの国家主権を侵害したと主張した。

    ロシアは雰囲気をまとめました。そしてグアイドを詐欺師(Imposter)と呼び、アメリカはベネズエラの立憲的権利を笑い者(Mockery)にしたと述べた。

    そして、「アメリカの“人道援助”は世界の他の地域ではテロリズムとして分類されるだろう」と指摘した。


    5.ベネズエラ包囲網のほころび

    米国にとってさらに悪いことに、リマ・グループの決議すら崩れ始めている。

    リマ・グループはトランプ政権によって設立された中南米諸国の組織で、ベネズエラの政権交代を明確な目標を掲げている。

    ブラジルのファシスト大統領、ボルソナロは米国との同盟から手を引いた。そして、「いかなる状況においてもブラジルが侵略の一部となることはない」と宣言した。

    以前、ボルソナロは「マドゥロを取り除くためならあらゆることをする」と公言していた人物である。

    他の主要加盟国であるコロンビア、チリ、ペルーも同様の声明を発表した。

    スペインやドイツなど、マドローを批判するヨーロッパの大国も、米国が準備している軍事オプションを断固として(categorically)拒否している。

    6.孤立しているのはどちらか

    米国がベネズエラを孤立させようとして、逆に孤立してしまったのは、これが初めてではない。

    2013年に総選挙(大統領選挙+国会議員選挙)が行われたとき、米国は選挙結果に疑問を投げかけ、再集計を求めた。しかしアメリカは完全に世界から孤立していた。

    今度のやり方はそれに輪をかけて酷いものだ。

    イングランド銀行がベネズエラの金を10億ドル以上凍結した。この異常な決定は、英国がもはや中立的な仲裁人でなくなったことを世界に示したものとなった。

    イタリアはイギリスに保管した金を自国に送還する議論を始めたと伝えられている。イタリアのような同盟国がそうしたなら、中国、インド、ロシアの同類は同じように考えているに違いない。

    斜陽の帝国、イギリスが残した数少ない産業の1つは金融であり、この決定は英国の経済に大きな影響を与える可能性がある。

    米国は現在、世界でほぼ完全に孤立しているように見える。しかしこれは必ずしも米国の攻撃の終わりを意味するものでは

    米国は世界で唯一の超大国であり、いつでも一方的に行動することができる。

    目下のところベネスエラとの国際世論を巡る争いには破れたかたちだが、今後もベネズエラの戦いは続いていくだろう。


    ジョセフ・スティグリッツ 「大恐慌より困難だーコロナ・ショックの特殊性

    1.未曾有x未曾有

    アメリカのコロナ感染は未曾有だが、その前に所得格差の程度と労働者の窮状ぶりも未曾有で、災難は未曾有x未曾有になっている。
    しかも社会保障制度が欠如しているので、まことに酷いことになっている。

    2.コロナ危機は大恐慌よりも大変

    大恐慌は深刻とはいえ単なる総需要不足だった。それにニューディールという脱出の道筋が存在した。

    ニューディールは需要を創出して経済に刺激を与えるという戦略を設定した。そして実行にあたっての原則と具体策を提示した。

    原則というのは財政赤字を過度に心配するなということ、そしてやるときには徹底してやれということだ。

    ニューディールは基本的には成功したが、回復したわけではない。計画を徹底できなかったために、第2次大戦まで完全な回復を実現できなかった。

    3.コロナ危機はどこが大変か

    今回は、事情はもっと複雑だ。

    景気の底が抜けて不況になったのではない。総需要が落ち込んで経済が回らなくなったのでもない。

    コロナが街を支配し、恐怖を撒き散らし、仕事をできなくさせてしまったのが経済危機の原因だ。

    たんに総需要を回復させるという話ではない。たとえ財政出動を存分に行ったとしても、それだけで解決する問題でもない。

    4.必要なのは社会的保護だ

    社会的支援も必要だし、財政出動も必要だし、景気刺激策も必要だ。

    だが肝心なのは、財政出動にあたっての目と構えだ。

    今さしあたって必要なのは、景気刺激策ではない。当面する問題が需要不足ではないからだ。むしろ需要過多と言ってもよい。

    それ以上に不足しているのは安心と信用だ。だから財政出動の性格は、景気刺激ではなく困窮者への保護を主眼とすべきである。

    それには総需要かさ上げに要するほどの資金は必要ない。全体のパイを大きくして、景気回復によるトリクルダウンの再開を待つのでは間に合わない。

    必要なのは、罪もなく苦しんでいる人を救済するために再配分を強化することである。それが、結局は経済を回復させる近道となる。

    新興国で金融危機の兆し

    英「エコノミスト」誌から引用したものらしい。

    今年に入ってから、ブラジル・レアル、メキシコ・ペソ、南アフリカ・ランドは対ドル価値が25%近く下落した。

    世界の資金は新興国の株式と債券を売って安全資産にシフトしている。
    この結果、新興国のあちこちで異常兆候が現れている。

    新興国では、コロナにより貿易減少、天然資源価格下落、旅行客訪問中断などが同時に押し寄せている。

    そのような中で新興国市場は金融危機と苦闘している。当面の輸入代金とドル建て債券も手当てできない状況だ。

    「最後の貸し手」のIMFに支援を要請した国はすでに90カ国を超えた。これは加盟国の半数に当たる。
    いまこそ、新興国のためにIMFが行動に出なければならない。

    もう一つのドル供給機関 FRB

    リーマンショックのとき金融危機からの脱却に大きな役割を果たしたFRBは、今回も一定の動きを示してきた。

    最大の行動は通貨スワップだ。基軸通貨国をはじめ、韓国、ブラジル、メキシコ、シンガポールなどの一部新興国と協定を締結した。

    締結国はFRBから自国通貨を担保に4千億ドルを借りた。

    FRBの発表では、今後さらに、各国の中央銀行が保有する米国債を担保にドルを供給するという臨時の金融計画を明らかにした。

    中国や日本は国債を多く保有しているので、これらの国ではより機動的な対応が可能となる。

    新興国とFRB

    だが新興国では、通貨スワップを結ぶほどの力もなく、米国債保有量も多くないからFRBのチェンネルなどは縁遠い話になる。

    それらの国はIMFに頼るほかはないのだ。

    しかし無い袖は振れない。IMFにはFRBのような打出の小槌はない。各国の拠出金に依拠する他ないのだ。

    その中で打てる手はなんだろう。それは3つある。

    第一に、IMF特別引き出し権(SDR)の限度を大幅に増やすことである。
    SDRは、ドルという名はついていても中身のない、今どきの言葉で言えば仮想通貨である。拠出国の信任さえあれば、原理的には限度額はない。

    第二に、SDRにより新興国へドル流動性を供給することである。
    とくにFRBの支援対象にならない新興国にクレジットを与えることが重要である。

    第三に、とりわけアフリカの最貧国にたいする救済策をまとめることである。
    これらの国はどんな金融上のセーフティ・ネットワークにも該当せず、医療支援・経済支援活動のの死角地帯となっている。

    14日からIMFの年次総会(テレビ)が開かれている。
    ゲオルギエワ総裁は開会演説で、「いまわれわれは過去になかった危機に直面している。我々の行動が経済回復の速度と強度を決めるだろう」と決意を語った。

    しかし今回の危機が長期化する場合にIMFが耐えられる十分な能力があるのか、疑問もあげられている。

    *SDR 固定相場制の枠組みの中で国際準備資産として創設された。ブレトンウッズ体制が1973年に崩壊すると、SDRへの依存度は低下しました。
    しかし流動性を供給し、外貨準備高を補完する上で一定の役割を持っています。例えば、世界金融危機の際には合計で1,826SDRIMF加盟国に配分されました。

    コロナと貧困

    Diamond On Line にイチロー・カワチさんのインタビューが掲載されている。河内さんはハーバード大学の社会疫学の教授である。

    4月5日の発行なので、ある程度最新状況を踏まえていると思われる。


    NYの死者が多いのは格差が大きいから

    NYでは死亡者の多くが糖尿病や心臓病、ぜんそくといった基礎疾患を持っていた。

    感染症のパンデミックは社会格差をあらわにする。このことは1918年のインフルエンザのパンデミックでも確認されている。

    アメリカで感染が深刻な都市として、ニューヨークのほかにニューオーリンズも注目されている。どちらもジニ係数が高いことが共通している。

    なぜ貧困と死亡率が相関するのか

    貧困者はもとの健康状態が悪いだけでなく、他にもいろいろな弱さを抱えている。

    まず、感染の可能性そのものが高い。サービス業や製造業で働く人は在宅勤務が出来ない。働き続けるためには、感染するリスクを取り続けるしかない。

    社会保険の喪失

    またロックダウンで一番失業者を生んでいるのが、貧困者の受け皿となっているサービス業だ。米国では失業は健康保険の喪失をも意味する。

    無保険の人は国民の1割に達している。たとえばNYの人口が1千万とすれば、100万人は無保険ということになる。

    医療のセーフティーネットはまったく整備されていないと言ってよい。

    一方で米国の多くの家庭では、預金が400ドル(4万円)にも達しない。

    つまり無保険で貯金もないという経済的に困難な人たちが、ぎりぎりまで病院に行くのを我慢し、病状を悪化させるという経過をとることになる。

    これからはコロナの二次被害への対策

    パンデミックの長期的な影響は経済的打撃だ。多くの人が失業し、貧困に陥り、貧しさが人々の健康を害していく。いわゆる災害弱者対策だ。

    パンデミックへの備えが必要だということは、ビル・ゲイツを始め多くの学者が主張してきた。しかし、パンデミックと社会格差を結び付けて備える考えは普及してこなかった。

    社会格差への対応という点では、健康保険制度や雇用制度といった根本的な部分についての政策議論が必要になる。

    肩書きに惹かれて読んでみたが、さほどの中身ではない。下記の記事のほうが良い(ワシントンポストからの引用)
    貧困ではなく格差が病気を生むという指摘は、すでにウィルキンソンの説得力のあるプレゼンがあるので、そちらを参照されたい。要するに格差の根っこには社会的分業があって、分業を基礎とする社会の仕組みを変更しなければならないという「資本論」の解説みたいなものです。

    前の記事の時刻表内に組み込んだが、あまりに長いので、別記事として再掲する。

    ファウチ問題をまとめて掲載する。詳しくは東京新聞
    アンソニー・ファウチ博士 Anthony Stephen Fauci (79歳)は免疫学・感染症学の専門医である。イタリア系移民の子孫としてブルックリンの薬屋に生まれた。ギャング映画にありそうなキャラだ。
    84年から国立アレルギー感染症研究所長を務め、エイズやエボラ出血熱など多くの感染症対策にあたってきた。レーガン以降の歴代大統領に専門的立場から助言してきた。
    2月半ば、ファウチら新型ウイルス対策チームは外出自粛などの措置を提言したが、トランプは受け入れなかった。
    3月半ばから対策チームは、連日記者会見を開催、これにトランプも参加するようになった。
    このためファウチ博士は、科学者として公の場で「対決」しなければならなくなった。
    たとえば、トランプはインフルエンザに比べると死亡者数は少ないと語ったが、ファウチはコロナウイルスの致死率はインフルエンザの10倍と訂正した。
    すぐにでもワクチンを開発できると述べたトランプの発言は1年から1年半はかかると否定した。
    トランプが検査器具は十分あると発言する一方で、ファウチは議会で外国に比べ十分な検査が行われていないと証言している。
    トランプはマラリア治療薬「クロロキン」が新型ウイルスに有効だと発言し、「すぐ利用でき非常に強力だ。状況を一変させるゲームチェンジャーだ」とまで語った。
    しかしファウチ博士は、「期待はしている」としながらも「いまのところ有効との証拠はない」と水を指した。*
    ファウチとしては、そもそも隔離の原則に反する説に水を指してほしくないのだ。肝心なことは国民の覚悟を促すことだ。
    ファウチはトランプを懸命に説得。「対策を怠れば死者は最悪220万人」との予測を示し、「復活祭での経済正常化を」という目論見を抑え込んだ。
    それはトランプの選挙戦にも跳ね返る。民主党が大規模な集会を中止したのに、トランプは集会を開催し続けた。ファウチは集会の自粛を強くもとめた。
    ファウチへの国民の信頼は保守層の間にも高まった。フォックス・ニュースの新型ウイルス対応に関する世論調査で、トランプの51%に対し、ファウチ支持は77%に達した。遠慮せずに本音を語る姿勢と高い教養に、今や「ファウチドーナツ」などが発売されるほどの人気だ。
    こうなるとトランプ陣営も気が気でない。支持者の一人が、演説するトランプの背中にファウチがまわり、頭を押さえつける「写真」をねつ造した。このフェーク写真がネットで拡散されると、「ファウチは反トランプの秘密結社の一員だ」との書き込みが数千回共有され、約百五十万人が閲覧した。
    その後の経過はよくわからないが、博士の政治生命が風前の灯だというのはよく分かる。トランプ家の裏庭に、また一つ墓碑が立つことになるであろう。

    * これらについては MIT Technology Review に詳しい。


    トランプのWHO攻撃の経過

    東京新聞トランプ語録
                東京新聞より

    1月

    1.22 トランプのツイッター、「我々にはウイルス対策の計画があり、中国も順調だと思っている」

    1.24 トランプのツイッター、「中国は多大な努力をしている。アメリカは中国の努力と透明性に深く感謝している。すべてうまくいくだろう。習近平主席に感謝したい!」

    1.29 ナバロ大統領補佐官(通商担当)、コロナが数百万人もの米国人を襲い、数兆ドルの損失をもたらす危険があると警告。アザール保健福祉長官も懸念を伝えたという(NYタイムズ)

    1.30 WHO、コロナ感染を「国際的に懸念される公衆衛生の緊急事態」と宣言する。

    2月

    2.26 ペンス副大統領が新型コロナウイルスの対策チームの責任者に任命される。
    ペンスはインディアナ州知事時代にHIVウイルスの感染を拡大させた過去がある。注射針の交換を提案されたのに、「家に帰って神に祈る」と答えて迅速な対応をしなかった。

    2.27 WHOのテドロス事務局長(以下テドロス)、封じ込めるかどうかの「岐路に立たされている」と述べる。

    2.27 バチェレ国連人権高等弁務官、「中国や東アジアの人々への偏見を引き起こしており、各国に差別などをなくすように強く求める」と述べた。

    3月

    3.11 テドロス、新型コロナが「パンデミック」に突入したと宣言。

    3.13 トランプ、態度を豹変。国家非常事態を宣言。

    3.13 手ドロス、「今や欧州がパンデミックの震源地となった」と語る。

    3.16 トランプが態度を豹変。感染拡大を「制御できない」と告白する。

    3.16 ホワイトハウスの対策チームは、対策を講じなければ、死者が最大220万人に上ると試算していた。(NYタイムズ)

    3.18 WHO上級員のライアン、トランプの「中国ウィルス」論を非難。
    ウイルスに国境はなく、地域・民族・肌の色・財産に関係ない。ウイルスを民族と関連づければ後悔することになる。H1N1インフルエンザの大流行は北米で始まったが、誰も北米ウィルスとは呼ばなかった。いまはウイルスと戦わなければいけない時であり、誰かを責める時ではない。

    3.19 湖北省で新規感染者がゼロとなる。これまでに6万7800人が感染、3245人がしぼう。

    3.19 トランプ、中国の初動の遅れを指摘し、「世界はその代償を払っている」と批判。
    新型コロナを「中国ウイルス」と繰り返したことについて
    人種差別的では全くない。ウイルスは中国から来たのだから、そう呼んでいる。正確を期したいのだ。

    3.20 イタリアの死者数が中国を上回る。この時点で感染者数は中国の半分。

    3.20 全米の感染者数は1万人を越える。感染者数は2日間で2.5倍(ニューヨーク州では2日間で5倍超)に膨らむ。

    3.23 記者会見。「これは中国で起きたことだ。私は正直、中国(の初動対応)に少し頭にきている」

    3.22 中国外務省報道官、「中国は終始公開し、透明です。中国人民はウイルスと戦ってきました。世界のウイルスとの戦いのために時間を稼いだのです」

    3.24 トランプが記者会見。3週間後に経済活動を再開させると述べる。またNY州より要請のあった人工呼吸器を400台提供すると発表。

    東京新聞によれば発言要旨は以下の通り。
    大不況になれば何千人もの人が自殺する。インフルエンザで平均年3万6千人死ぬが、そのために国を閉鎖したことはない。
    新型ウイルスよりウィルス対策のほうがより有害だ。こんな外出禁止や営業規制を続けて経済が停滞すれば、もっと大勢が死ぬ。

    3.25 クオモ、「3万台必要なのに400台? 死なせる人々を選んでくれ!」と絶叫。法律に基づく増産態勢も取らない姿勢を「全く理解できない。問題の大きさ感を見失っている」と批判した。

    3.28 米国の感染者数が10万人の大台を突破(半数がニューヨーク州)。中国を抜き最多、全世界の17%に相当する。

    4.01 コロナ死者、米で同時テロ超す3千人(同時テロでは2977人)。世界では感染者84万、死者は4万人突破。

    4.01 テドロス、アフリカや中南米などへの打撃を懸念。経済崩壊を回避するため、国際社会に債務の免除を求めた。

    4.03 トランプ、疾病対策センター(CDC)が指針を変更しマスク着用を勧奨することとなったと報告。しかし「自分はしない」と宣言。

    4.05 米政府のアダムス医務総監、「米国人にとって最も深刻で悲しい1週間が来る」と語る。

    4.05 クオモ、「死者数が初めて前日より減った」と述べた。感染者、重症者数は以前増加。「ベッドはあるが、人工呼吸器と医療スタッフが足りない」と訴える。

    4.05 全米の感染者数は33万7千人。死者数は9600人。

    4.07 トランプ大統領、ツイッターで、WHOが「すごく中国に偏っている」と批判。
    WHOは新型ウイルス対策を台無しにした。アメリカが大部分の資金を提供しているのに、その方針は中国中心だ。だから我々は資金拠出を停止する方針だ。(米国は19年度、WHOの年間予算の15%弱に当たる4億ドルを拠出している
    4.08 トランプ、「WHOは優先順位を正す必要がある。今後も拠出を継続するかどうか判断するために調査する」と述べる。

    4.08 ポンペオ米国務長官、「WHOへの資金拠出を見直している」と発言。

    4.08 テドロス、トランプに反論。
    時間を無駄にできない。大勢の命が失われている。必要なのは各国が連携することだ。我々はすべての国家と密接な関係にある。我々は肌の色で区別などしない。私自身、過去3カ月間に黒人であることを理由に個人攻撃されてきた。しかし命が失われている時に個人攻撃を気にしている理由はない。
    新型コロナと政治を切り離すべきだ。政治に利用しないでほしい。国家レベルでの団結をお願いしたい。世界レベルでの誠実な連帯、そしてアメリカと中国からの誠実なリーダーシップをお願いしたい。
    4.08 国連のグテーレス事務総長もトランプを批判。
    今は団結する時だ。国際社会が連帯して、新型ウイルスの感染拡大と破壊的な影響を止めるために共に取り組む時だ。対処方針を評価するのは、今後の課題にすべきだ。
    4.10 テドロスが台湾から人種差別攻撃を受けたと主張。台湾当局は「中国によるでっちあげ」と反論。蔡総統は「台湾が差別と孤立に直面しながら世界に貢献しようと努力していると知ってほしい」と訴える。

    4.11 新型コロナ、世界の死者10万人突破 感染は160万人超。

    4.12 新型コロナによる米国の死者は2万人超す。死者数はイタリアを抜き世界最多となる。

    4.12 トランプ、「フェークニュースを流した」咎でファウチを解任すべきと主張。
    ここでファウチ問題をまとめて掲載する。詳しくは東京新聞
    アンソニー・ファウチ博士(79)は免疫学・感染症学の専門医である。84年から国立アレルギー感染症研究所長を務め、エイズやエボラ出血熱など多くの感染症対策にあたってきた。レーガン以降の歴代大統領に専門的立場から助言してきた。
    2月半ば、ファウチら新型ウイルス対策チームは外出自粛などの措置を提言したが、トランプは受け入れなかった。
    3月半ばから対策チームは、連日記者会見を開催、これにトランプも参加するようになった。
    このためファウチ博士は、科学者として公の場で「対決」しなければならなくなった。
    たとえばトランプは、インフルエンザに比べると死亡者数は少ないと語ったが、ファウチはコロナウイルスの致死率はインフルエンザの10倍と訂正した。
    すぐにでもワクチンを開発できると述べたトランプの発言は1年から1年半はかかると否定した。
    トランプが検査器具は十分あると発言する一方で、ファウチは議会で外国に比べ十分な検査が行われていないと証言している。
    トランプはマラリア治療薬「クロロキン」が新型ウイルスに有効だと発言し、「すぐ利用でき非常に強力だ。状況を一変させるゲームチェンジャーだ」とまで語った。
    しかしファウチ博士は、「期待はしている」としながらも「いまのところ有効との証拠はない」と水を指した。
    ファウチとしては、そもそも隔離の原則に反する説に水を指してほしくないのだ。肝心なことは国民の覚悟を促すことだ。
    ファウチはトランプを懸命に説得。「対策を怠れば死者は最悪220万人」との予測を示し、「復活祭での経済正常化を」という目論見を抑え込んだ。
    それはトランプの選挙戦にも跳ね返る。民主党が大規模な集会を中止したのに、トランプは集会を開催し続けた。ファウチは集会の自粛を強くもとめた。
    ファウチへの国民の信頼は保守層の間にも高まった。フォックス・ニュースの新型ウイルス対応に関する世論調査で、トランプの51%に対し、ファウチ支持は77%に達した。
    こうなるとトランプ陣営も気が気でない。支持者の一人が、演説するトランプの背中にファウチがまわり、頭を押さえつける「写真」をねつ造した。このフェーク写真がネットで拡散されると、「ファウチは反トランプの秘密結社の一員だ」との書き込みが数千回共有され、約百五十万人が閲覧した。
    その後の経過はよくわからないが、博士の政治生命が風前の灯だというのはよく分かる。トランプ家の裏庭に、また一つ墓碑が立つことになるであろう。

    4.14 トランプ米大統領、WHOへの資金拠出を停止するよう指示したと表明。(詳細は前記事

    4.14 国連のグテレス事務総長、「WHOは新型コロナウイルス感染症との闘いでの勝利を目指す世界の試みにおいて極めて重要なので、支援しなければならない」

    4.15 トランプ、改めてWHOを批判。「WHOは中国の道具だった。ウイルスの発生の隠ぺいと管理のミスの調査を待っている。その間WHOへの資金の拠出を保留する」

    4.16 習近平、「中国政府は一貫して透明性、責任ある態度に基づきWHOや関係国に情報を報告してきた」と主張。

    4.16 テドロス、「WHOへの資金拠出停止は残念。不足分をどう補っていくか各国と相談したい。世界のすべての人が最高水準の健康を享受することがWHOの理念であり共有してほしい」

    4.16 ビル・ゲイツはツイッターでこの件について発信している。
    世界的な健康危機の最中に世界保健機関への資金を停止するなど、まさに危険そのものだ。…WHOが機能できなくなれば、代わりになる機関はほかにない。世界はかつてないほど、今こそWHOを必要としている。
    4.16 米国医師会のハリス会長の声明。「トランプ声明は間違った方向への危険な一歩だ。それは新型コロナ制圧を難しくするものだ」

    4.16 世界の感染者が200万人を超え。米は61万人に達する。NY州は感染者が20万人、死者が1万人。1日当たりの死者数は700人台で高止まり。

    現在、ニューヨーク州などがロックダウンされており、それがいつまで続くかが焦点になりつつある。

    いうまでも都市封鎖をふくむ緊急対策の司令官は各州知事にあり、それは憲法で規定されている。これがトランプには気に入らない。

    14日の記者会見で、トランプは都市封鎖(ロックダウン)の解除にも言及している。そして「経済活動を再開させる権限は州知事ではなく自分にある」と述べた。まさに横車押しの介である。

    ニューヨーク州のクオモ知事は「トランプはけんかをしたがっている」と斬って捨てた。

    じつはWHO非難の理由はこの点にある。

    10日にテドロス事務局長は記者会見し、こう語った。
    「規制の緩和が早すぎると、ウイルス感染が致命的に復活してしまう。きちんと手はずを整えなければ危険だ」
    つまり医学的な妥当性が最優先されるべきだと述べているのだ。

    これがトランプには気に食わない。だからWHOとクオモを敵に回してでも、「自分の手でコロナ制圧を宣言した大統領」になりたいのだ。

    ことここに及んでもなお、大統領選挙に勝つことがトランプのすべてだ。

    またも驚きのニュース

    コロナ騒ぎの最中にトランプがWHO拠出金停止を表明した。

    赤旗・池田特派員によれば、発言の内容は以下の通り

    ① WHOの批判: 

    WHOは基本的な義務を果たしていない。
    新型ウイルス初期拡散について深刻な不手際を行った。
    具体的には、中国からの渡航制限に反対した。公衆衛生上の緊急事態宣言を遅らせた。
    いくつかの重要な事実を隠ぺいした、非常にに中国寄りで不公平だ。

    ② 中国での初期対応:

    中国は初動を誤り、情報公開が十分ではなかった。

    WHOは医療専門家を中国に派遣し、中国の透明性の欠如を指摘すべきだった。

    だがWHOは中国の言葉をうのみにし、正確な情報の共有を怠った。

    ③ WHOへの対応:

    WHOが犯した深刻な不手際と隠ぺいについて調査する。
    その間、WHOへの資金拠出を停止する。

    ④ その他(封鎖解除に関して)

    これについては次の記事へ

    質疑応答

    このあと記者との間で質疑応答があった。これについてはForbs日本語版に記載されている。

    パンデミック(世界的流行)の最中にWHOへの拠出を差し控えることが正しい決断なのかと尋ねられると、トランプはその発言を撤回したように見えた。「いや、おそらくそうではない」と述べ、「そうするとは言っていないが、その選択肢を考慮する」と付け加えた。

    恐るべきことに、この男は思いつきで物を言っていることがわかる

    拠出金はいくらなのか?

    このForbs日本語版 では、分担金についても解説されてる。
    議論のときに揚げ足取られないように数字を上げておく。

    WHOへの支払いには、分担金と任意の拠出金の2種類がある。1つ目は、各国がWHOの加盟国として支払う必要があるもので、総額は各国の資産と人口に応じて計算される。2つ目は、その名前が示すように自発的なもので、奨励はされるが強制ではない。

    これまでアメリカは分担金の約5790万ドル(約63億円)と奨励金6500万ドルを払ってきたが、トランプはすでに2月に奨励金のストップを提示している。

    今回の措置は、分担金の5790万ドルも止めようというものになる。



    すみません。トランプのWHO攻撃の記事は、多分不正確だと思います。

    トランプは4月に入ってからの記者会見で、二度にわたってWHO攻撃を繰り返しています。

    一度目は7日の記者会見です。

    このときは、「WHOは中国寄り」 だとし、資金拠出の停止示唆しました。

    そして14日の記者会見で、拠出金停止を表明したのです。

    赤旗の記事は2度の記者会見における発言をまとめたものの可能性があります。

    いずれにしても、この間のトランプ発言の経過をまとめる必要があるので、ちょっとお待ち下さい。

    コロナ 一国主義をどう乗り越えるか

    “我ら”と”彼ら”の社会史

    “我ら”の社会と”彼ら”の社会は先史時代から存在している。

    それらの集団は、ほとんどは小さいままだったが、一部が大きくなり連合を形成し、単一王国を形成し、中には大陸をまたがるような巨大な帝国となることもあった。

    しかしその大きさとは関係なしに、“我ら”の社会と”彼ら”の社会は隔絶した関係のままであった。”彼ら”は、可能性としては客人かあるいは奴隷であり、ユニバーサルな「人間」の概念はそこには存在しなかった。

    近代国家の概念はカントリーという枠組みを超えて、ネーションというもう一つ広い範疇を創出した。

    ネーションは民族であり、国家でもある。それは超階級的概念であり、多くの場合、言語・宗教を媒介とした民族的一体感に基づいて成立した。

    そして“我ら”と”彼ら”の関係に代わるものとして、概念的には対等な「諸国家」の関係を打ち立てた。

    いわば国家概念をめぐる天動説から地動説への移行であり、ウェストファリア条約型の国家関係への移行である。

    これらは政治経済上の必要から生まれたものであり、近代国家においては広範な分業と市場のために生まれたものである。

    しかし、それらが拠って立つ社会関係の基層には“我ら”と”彼ら”の関係があり、それは往々にして国家対国家、民族対民族の対立として噴出する。

    その典型が今回のコロナ騒ぎであろうと思う。とんでもない災難は人々の間に不安を掻き立てる。そこで人々は“我ら”の外にいる”彼ら”を不安の対象として仮託するのだ。

    しかし現代に生きる私たちは、それが誤ったイメージであることを知っている。経験と教育と訓練に拠ってリテラシーを獲得しているからだ。

    イリュージョンそのものはある程度致し方がないことであるが、同時に人類は、それを国際法上でうまく調整する仕組みも手に入れてきた。

    それは人間が本来肉欲の権化であるにも関わらず、それを抑制することにより、社会を潤滑に動かしてきたことと同じである。

    私たちは、チンポコをおっ立てて吠え回るトランプというケダモノを世界一の権力者に据えてしまったが、世界の圧倒的多数がそれが間違いなのだと認識していることに確信を持っていいだろう。


    大要は以下の通り

    皆さん(中南米の教会活動家)へ

    コロナとの闘いがひとつの戦争なのだとすれば、皆さんは前線で闘う兵士です。皆さんは連帯と希望と共同体精神だけを武器とする軍団です。

    皆さんの粘り強さに、私は大いに教えられています。

    1.「家にいろ!」というのは過酷なこと

    家にいろというのが、狭いボロ屋暮らしの人々にとって、どんなに厳しいことか! 

    皆さんはその現場で彼らと肩を寄せあい、その辛さを和らげようとしています。そんな皆さんを心から祝福します。

    いまの危機に取り組むためには、官僚主義的な枠組みでは不十分です。個人や人々が中心に据えられ、癒やし、分かちあい、まとまることが大事です。

    皆さんの多くはその日暮らしで、身を守ってくれるものは何もありません。

    2.さらに辛い生活が待っている

    この嵐は過ぎ去るでしょうが、その深刻な影響はすでに実感されてきています。

    そこで私たち全員で考えたいのが、人類全体の発展の計画についてです。

    拝金主義に終止符を打ち、人間の生活と尊厳を中心に据えた人間的な社会が来るように願います。

    私たちの文明はあまりに競争的で、あまりに個人主義的です。狂乱的に生産し、消費し、ごく一部に富が集中する文明は、このまま続けられてはなりません。減速し、吟味し、改める必要があります。

    これは実現できるものです。皆さんが、これまで幾多の危機と困難を乗り越えてきたからです。

    父なる神が、希望を私たちに与えてくださるよう願います。

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